次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』から生まれたリアルバンド・MyGO!!!!!(マイゴ)が、全国ツアー『MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」』を開催している。2月12日の東京・Zepp Haneda (TOKYO)公演を皮切りに、福岡、大阪を転戦し、4月11日の愛知・Zepp Nagoya公演でファイナルを迎える。
本記事では、これまでの3公演の“復習”とファイナル直前の“予習”として、立石凛(Gt/千早 愛音役)、青木陽菜(Gt/要 楽奈役)、小日向美香(Ba/長崎 そよ役)、林鼓子(Dr/椎名 立希役)の使用機材にスポットを当てる。
バンドの始動当初から愛用し続けている楽器群に対し、4人は一体どのようなこだわりと思いを持って接しているのだろうか。鳴らし出されるバンドサウンドはもちろん、ステージングにも多大な影響を与える各機材の詳細を知り、次なるライブに備えて欲しい。
■立石's ESP ULTRATONE Anon Custom
立石のメインは、作中で愛音が手にしているULTRATONE Anonのカスタムモデル。レギュラーモデルにはブラックとハーフマットオールドナチュラルフィニッシュのみがラインナップされているが、本器にはシースルーサーフグリーンという特別カラーが採用されている。
立石は「『愛音ちゃんはきっとデザインがかわいかったから選んだんだろうな』ってすぐに予想できるくらい、ポップでかわいいデザイン」とし、自身も「こういうエメラルドグリーンのような淡い寒色が好きで、もともと白っぽい木材を使っていることもあって色合いのマッチングがすごくステキなんです。初めて見たとき、無性にうれしくなった記憶があります」と、ルックスに一目惚れしたことを明かした。
ボディーはアルダーで、35ミリ厚という薄さが軽量化に寄与。ボディー形状と相まって優れた演奏性を生み出している。3ピースハードメイプルのネックは、ボルトオン方式でジョイント。24フレット仕様の指板はローズウッドで、白蝶貝製のダイヤモンドポジションマークと、12フレットを中心にMyGO!!!!!のロゴインレイがあしらわれていることも特徴になる。
立石は作中における本器の登場シーンを振り返りながら、「最初はホコリを被っていたり、地べたに直置きしてしまっていたり…。でも、愛音ちゃんがしっかりギターと向き合っていくうちに、ギターが相棒になっていく過程も見られたので、そのストーリーを通して、私自身もこのギターとの距離がもっと近くなっていったような気がしています」と、リアルとキャラクターが“同期”するMyGO!!!!!ならではのエピソードも語った。
ピックアップはフロントにSeymour DuncanのSH-1n ’59 Model、リアにSH-11 Custom Customをマウントしている。SH-11 Custom Customは、SH-5 Duncan Customのマグネットをセラミックからアルニコ2へ変更することで、スムースな高域と豊かな中域、ソフトな低域のアタックを実現したモデルで、立石も「ジャキッとした明るい音が特徴だなと感じていて、そこも愛音ちゃんのポップさと結びついているなと思います」と印象を伝えていた。
■立石's Amplifier&Effector Board
アンプはLaneyのLIONHEART-L20H(ヘッドアンプ)とLT212(スピーカーキャビネット)。L20Hはピュアな真空管サウンドを堪能できる20W出力のヘッドで、プリ管には12AX7、パワー管にはEL84を使用。ナチュラルでかつ温かみのあるチューブサウンドが特徴となる。キャビネットは12インチのCELESTION G12H 70TH ANNIVERSARYを2基搭載した1台。
ツアー中に撮影したエフェクターボードには、上段左からFREE THE TONE製PT-5D(パワーサプライ)、Seymour Duncan製Forza Overdrive(オーバードライブ)、 Electro-Harmonix製Soul Food(オーバードライブ)、BOOT-LEG製Quattro Valvole(ディストーション)、Seymour Duncan製Andromeda(ディレイ)、FREE THE TONE製JB-41S(ジャンクションボックス)が並び、右下にPETERSON製StroboStomp HD(チューナー)とMXR製M233 Micro Amp +(ブースター/プリアンプ)を配備。左下段のFREE THE TONE製ARC-3(オーディオ・ルーティング・コントローラー)の各ループにそれぞれのペダルを割り当てている。
■青木's ESP POTBELLY FM Rana Custom(※Ranaの1つ目のaはマクロン付き)
青木のメインは、作中で楽奈が使用しているESP POTBELLY Ranaのカスタムモデル。ESPのスタンダードモデル「POTBELLY」をもとにした1本で、ボディーはフレイムメイプルトップ+マホガニーバックのラミネート構造になっている。ネックはマホガニーで、やや太めのシェイプ。セットネックジョイントでかつ、SNカットと呼ばれるヒールレス加工が施されており、ハイポジションでの演奏性を高めている。
また、ローズウッド指板が一般的なレギュラーラインと異なり、クリアなアタック感を生み出すハードメイプル指板が採用されている点、12フレットを中心にMyGO!!!!!のロゴインレイがあしらわれていることも特徴になる。
楽奈が祖母・都築詩船から譲り受けたギターであることから、ボディーには長年の演奏を思わせるハードなエイジド加工も。青木は「最初に『青木さんのギターはこちらです』といただいた瞬間から、もう見た目がタイプでした。ビンテージの加工も深みのある赤色もステキで。『私はこの子とこれからやっていくのか』と思ったのと同時に、まだエレキギターを始めたばかりの頃だったので、『このギターに見合う演奏ができるようにがんばろう』と。憧れに近い感情と言いますか、今でも『このギターが似合う人になりたい』って思わせてくれるギターです」と初対面を振り返った。
ピックアップは、フロントにSeymour DuncanのSH-1n ’59 Model、リアにSH-16 59 Custom Hybridを搭載。本人実機では、リアピックアップがカバーを外したオープンタイプになっており、青木が誇る「リードで映える音。パワフルだけどしっかりと抜けてくれる音」を実現する2ハムバッカー仕様になっている。コントロール部はマスターボリューム/マスタートーン/ピックアップセレクターというシンプルな構成だが、トーンポットを引き上げることでハムバッカーのコイルスプリットとして機能する。
■青木's Amplifier&Effector Board
アンプは、SuproのBlack Magick(ヘッドアンプ)と1790 Black Magick 1×12 Extension Cab(スピーカーキャビネット)。Black Magickは、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが愛用したSuproアンプを再現するべく開発されたモデルのヘッドアンプで、キャビネットは同社製カスタムBD12ハイパワードライバーを搭載した1台。クリーンサウンドはこのアンプで作り上げられている。
ツアー中に撮影したエフェクターボードには、上段左から主にソロでONになるElectro-Harmonix製Deluxe Memory Man(アナログディレイ)、「回層浮」で活躍するEDDY Vibrato Chorus(コーラス)、歪みのベーシックであるBOOT-LEG製HIZUMI HZM-1.0(ディストーション)、クランチ系の音色作りに使用されるMAD PROFESSOR製Sweet Honey Overdrive(オーバードライブ)、MXR製MC401 Boost/Line Driver(ブースター)が並び、右下段にPETERSON製StroboStomp HD(チューナー)とElectro-Harmonix Wailer Wah(ワウ・ペダル)を設置。左下段のFREE THE TONE製ARC-3(オーディオ・ルーティング・コントローラー)で各ペダルを制御している。
■小日向's ESP GB Soyo Custom
小日向のメインは、作中でそよが起用しているESP GB Soyoのカスタムモデル。小日向は「私も最初にこのGBを見たときにすごくかっこいいと思った」そうだが、「それ以上にそよちゃんがどうしてこのデザインを選んだんだろうと。このベースを手に取るまでのストーリーが知りたいなって未だに思っています」と、同モデルとの関係性に興味を向けていた。
ボディーはアルダー。ネックと指板はハードメイプルで、ブラックアクリルのスクエアポジションマークと、愛音と楽奈モデルと同様に、12フレット付近にはMyGO!!!!!のロゴインレイがあしらわれている。
ピックアップはソープバースタイルのSeymour Duncan製アクティブハムバッカー・SSB-4を2基搭載。コントロールには3バンドEQ回路のESPシナモンを内蔵しており、積極的かつ幅広いサウンドメイクが可能となっている。また、ブリッジにHIPSHOT製HIPSHOT STYLE “A” Brassを採用したことで、豊かなサステインと重厚な低音が得られる点も特徴になる。
「私個人としては、このベースのかっこよさから『もう少しかっこいいアクションを起こしてもいいんじゃないか』など、違ったアプローチのアイデアももらえている」という小日向。音色面については、「会場の大きさなどに関わらずちゃんとズッシリした音を鳴らしてくれている印象があるので、MyGO!!!!!の音楽を支えるのにピッタリな音なんじゃないかなと思っています」と評した。
■小日向's Amplifier&Effector Board
アンプは、HARTKEのHA3500(ヘッドアンプ)+HD410(スピーカーキャビネット)。HA3500は、プリアンプにチューブ/ソリッドステートの2種類を内蔵し、これらをミックスすることによって多彩な音作りが可能になる1台。10バンドEQやコンプレッサーなどの多機能性も魅力だが、小日向はアンプ側のコンプレッションは使用せず、イコライザーも比較的フラットに設定している。ヘッドの下のラックには、SHURE製MW4D(ワイヤレスレシーバー)を配備。
ツアー中に撮影したエフェクターボードでは、上段左にFREE THE TONE製PT-3D(パワーサプライ)、右下にPETERSON製StroboStomp HD(チューナー)を設置し、音作りの要となる3台のDarkglass Electronics製ペダル・HYPER LUMINAL(コンプレッサー)、VINTAGE ULTRA V2(プリアンプ)、MICROTUBES X ULTRA(ディストーション)をセット。
すべてのペダルが直列でつながれており、接続順はStroboStomp HD→HYPER LUMINAL→VINTAGE ULTRA V2→MICROTUBES X ULTRAとなる。なお、VINTAGE ULTRA V2はアコースティックベース使用時にも兼用されるため、筐体には2パターンの設定値がメモされている。
■林's Pearl Masters Maple Gum Drum Set
林が使用しているPearl Masters Maple Gumのキットは、メイプル(アウター4プライ)とガムウッド(インナー2プライ)を組み合わせた同シリーズ初のコンポジットシェル。アタックの強さ、レスポンスの速さ、温かみと中低音域のブースト感が特徴となるが、林は「明るい音色で、音がまっすぐ飛びやすいドラムセットだなと思います。特にバスドラムが前に飛びやすく、音の伝わる速度が早いので、“気をつけて”演奏しています」と語る。
気をつけている点は、「とにもかくにも鳴ってくれるドラムセットなので、変な言い方ですが、あまりしっかり叩けていなくても上手く聴こえてしまう」からだと言い、「私はドラムセット全体をしっかり鳴らすことを目標にしているので、太鼓1つずつ、金物(シンバル)1枚1枚を綺麗に鳴らせるよう、ドラムセットの性能に頼らなくてもちゃんといい音が鳴らせるように練習しようと思っているんです」と言葉に力を込めた。
キットはタム2台、フロアタム1台も備えた構成。林は「このドラムセットを初めて見たとき、かっこいいなって思ったのと同時に、セットの組み方が独特だなと思いました」とし、「当初MyGO!!!!!はメロコア風のバンドと聞いていたので、『メロコアだからきっと1タムになるだろう』と予想していたんですが、タムがフロアを含めて3台あって『これはいろいろなジャンルの曲をやるようになるんだろうな』と思ったのが最初の印象でした」と振り返る。
ブライトなサウンド特性だからこそ、「ロータムもハイタムもすごく明るい音なので、曲によってはハイタムを一切使わないこともある」というこだわりも。そういったチョイスは「自分がPAさんになったつもりで考えている」そうで、「この曲はハイタムを強く鳴らすのか、ロータムを強く鳴らすのか、それともバスドラムなのかスネアなのか…と、自分で強弱を調整しながら叩くんです。例えば『無路矢』はヘヴィな曲なので、明るい音になりすぎないように力加減をより意識しています」と明かした。その一方で「細かな試行錯誤もありますが、やっぱりいい音がスパーンっと出てくれるので、いつも楽しいんですよ」とうれしそうに笑った。
ドラムセットの各口径は次の通り。バスドラム(22”×18”)、タム(10”×7”、12”×8”)、フロアタム(16”×14”)。スネアは同シリーズのMMG1455S/C(14”×5.5”)。スティックはVic Firth製VIC-SD10をもとにヒッコリー材で製作されたプロトタイプで、サイズは15.5×409ミリ。
■林's Pedals&SABIAN Cymbals
シンバル群はすべてSABIAN製で統一。ラインナップは本人左手側から、ハイハット(トップ・ボトムともにAA Medium Hats/14”)、クラッシュ(AA Medium Crash/16”)、スプラッシュ(AAX Aero Splash/8”)、ライド(AA Rock Ride 20”)、クラッシュ(AA Medium Crash/18”)、チャイナ(AA Holy China/19”)。
キックペダルは、Pearl P-1032 Eliminator Soloシリーズのツインペダル“BLACK” Double Pedal P-1032を使用し、ビーターはDB-150 Control Core Duo Beaterのフェルト面がセットされている。
■『MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」』日程
4月11日(木) 愛知・Zepp Nagoya
本記事では、これまでの3公演の“復習”とファイナル直前の“予習”として、立石凛(Gt/千早 愛音役)、青木陽菜(Gt/要 楽奈役)、小日向美香(Ba/長崎 そよ役)、林鼓子(Dr/椎名 立希役)の使用機材にスポットを当てる。
バンドの始動当初から愛用し続けている楽器群に対し、4人は一体どのようなこだわりと思いを持って接しているのだろうか。鳴らし出されるバンドサウンドはもちろん、ステージングにも多大な影響を与える各機材の詳細を知り、次なるライブに備えて欲しい。
■立石's ESP ULTRATONE Anon Custom
立石のメインは、作中で愛音が手にしているULTRATONE Anonのカスタムモデル。レギュラーモデルにはブラックとハーフマットオールドナチュラルフィニッシュのみがラインナップされているが、本器にはシースルーサーフグリーンという特別カラーが採用されている。
立石は「『愛音ちゃんはきっとデザインがかわいかったから選んだんだろうな』ってすぐに予想できるくらい、ポップでかわいいデザイン」とし、自身も「こういうエメラルドグリーンのような淡い寒色が好きで、もともと白っぽい木材を使っていることもあって色合いのマッチングがすごくステキなんです。初めて見たとき、無性にうれしくなった記憶があります」と、ルックスに一目惚れしたことを明かした。
ボディーはアルダーで、35ミリ厚という薄さが軽量化に寄与。ボディー形状と相まって優れた演奏性を生み出している。3ピースハードメイプルのネックは、ボルトオン方式でジョイント。24フレット仕様の指板はローズウッドで、白蝶貝製のダイヤモンドポジションマークと、12フレットを中心にMyGO!!!!!のロゴインレイがあしらわれていることも特徴になる。
立石は作中における本器の登場シーンを振り返りながら、「最初はホコリを被っていたり、地べたに直置きしてしまっていたり…。でも、愛音ちゃんがしっかりギターと向き合っていくうちに、ギターが相棒になっていく過程も見られたので、そのストーリーを通して、私自身もこのギターとの距離がもっと近くなっていったような気がしています」と、リアルとキャラクターが“同期”するMyGO!!!!!ならではのエピソードも語った。
ピックアップはフロントにSeymour DuncanのSH-1n ’59 Model、リアにSH-11 Custom Customをマウントしている。SH-11 Custom Customは、SH-5 Duncan Customのマグネットをセラミックからアルニコ2へ変更することで、スムースな高域と豊かな中域、ソフトな低域のアタックを実現したモデルで、立石も「ジャキッとした明るい音が特徴だなと感じていて、そこも愛音ちゃんのポップさと結びついているなと思います」と印象を伝えていた。
■立石's Amplifier&Effector Board
アンプはLaneyのLIONHEART-L20H(ヘッドアンプ)とLT212(スピーカーキャビネット)。L20Hはピュアな真空管サウンドを堪能できる20W出力のヘッドで、プリ管には12AX7、パワー管にはEL84を使用。ナチュラルでかつ温かみのあるチューブサウンドが特徴となる。キャビネットは12インチのCELESTION G12H 70TH ANNIVERSARYを2基搭載した1台。
ツアー中に撮影したエフェクターボードには、上段左からFREE THE TONE製PT-5D(パワーサプライ)、Seymour Duncan製Forza Overdrive(オーバードライブ)、 Electro-Harmonix製Soul Food(オーバードライブ)、BOOT-LEG製Quattro Valvole(ディストーション)、Seymour Duncan製Andromeda(ディレイ)、FREE THE TONE製JB-41S(ジャンクションボックス)が並び、右下にPETERSON製StroboStomp HD(チューナー)とMXR製M233 Micro Amp +(ブースター/プリアンプ)を配備。左下段のFREE THE TONE製ARC-3(オーディオ・ルーティング・コントローラー)の各ループにそれぞれのペダルを割り当てている。
■青木's ESP POTBELLY FM Rana Custom(※Ranaの1つ目のaはマクロン付き)
青木のメインは、作中で楽奈が使用しているESP POTBELLY Ranaのカスタムモデル。ESPのスタンダードモデル「POTBELLY」をもとにした1本で、ボディーはフレイムメイプルトップ+マホガニーバックのラミネート構造になっている。ネックはマホガニーで、やや太めのシェイプ。セットネックジョイントでかつ、SNカットと呼ばれるヒールレス加工が施されており、ハイポジションでの演奏性を高めている。
また、ローズウッド指板が一般的なレギュラーラインと異なり、クリアなアタック感を生み出すハードメイプル指板が採用されている点、12フレットを中心にMyGO!!!!!のロゴインレイがあしらわれていることも特徴になる。
楽奈が祖母・都築詩船から譲り受けたギターであることから、ボディーには長年の演奏を思わせるハードなエイジド加工も。青木は「最初に『青木さんのギターはこちらです』といただいた瞬間から、もう見た目がタイプでした。ビンテージの加工も深みのある赤色もステキで。『私はこの子とこれからやっていくのか』と思ったのと同時に、まだエレキギターを始めたばかりの頃だったので、『このギターに見合う演奏ができるようにがんばろう』と。憧れに近い感情と言いますか、今でも『このギターが似合う人になりたい』って思わせてくれるギターです」と初対面を振り返った。
ピックアップは、フロントにSeymour DuncanのSH-1n ’59 Model、リアにSH-16 59 Custom Hybridを搭載。本人実機では、リアピックアップがカバーを外したオープンタイプになっており、青木が誇る「リードで映える音。パワフルだけどしっかりと抜けてくれる音」を実現する2ハムバッカー仕様になっている。コントロール部はマスターボリューム/マスタートーン/ピックアップセレクターというシンプルな構成だが、トーンポットを引き上げることでハムバッカーのコイルスプリットとして機能する。
■青木's Amplifier&Effector Board
アンプは、SuproのBlack Magick(ヘッドアンプ)と1790 Black Magick 1×12 Extension Cab(スピーカーキャビネット)。Black Magickは、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが愛用したSuproアンプを再現するべく開発されたモデルのヘッドアンプで、キャビネットは同社製カスタムBD12ハイパワードライバーを搭載した1台。クリーンサウンドはこのアンプで作り上げられている。
ツアー中に撮影したエフェクターボードには、上段左から主にソロでONになるElectro-Harmonix製Deluxe Memory Man(アナログディレイ)、「回層浮」で活躍するEDDY Vibrato Chorus(コーラス)、歪みのベーシックであるBOOT-LEG製HIZUMI HZM-1.0(ディストーション)、クランチ系の音色作りに使用されるMAD PROFESSOR製Sweet Honey Overdrive(オーバードライブ)、MXR製MC401 Boost/Line Driver(ブースター)が並び、右下段にPETERSON製StroboStomp HD(チューナー)とElectro-Harmonix Wailer Wah(ワウ・ペダル)を設置。左下段のFREE THE TONE製ARC-3(オーディオ・ルーティング・コントローラー)で各ペダルを制御している。
■小日向's ESP GB Soyo Custom
小日向のメインは、作中でそよが起用しているESP GB Soyoのカスタムモデル。小日向は「私も最初にこのGBを見たときにすごくかっこいいと思った」そうだが、「それ以上にそよちゃんがどうしてこのデザインを選んだんだろうと。このベースを手に取るまでのストーリーが知りたいなって未だに思っています」と、同モデルとの関係性に興味を向けていた。
ボディーはアルダー。ネックと指板はハードメイプルで、ブラックアクリルのスクエアポジションマークと、愛音と楽奈モデルと同様に、12フレット付近にはMyGO!!!!!のロゴインレイがあしらわれている。
ピックアップはソープバースタイルのSeymour Duncan製アクティブハムバッカー・SSB-4を2基搭載。コントロールには3バンドEQ回路のESPシナモンを内蔵しており、積極的かつ幅広いサウンドメイクが可能となっている。また、ブリッジにHIPSHOT製HIPSHOT STYLE “A” Brassを採用したことで、豊かなサステインと重厚な低音が得られる点も特徴になる。
「私個人としては、このベースのかっこよさから『もう少しかっこいいアクションを起こしてもいいんじゃないか』など、違ったアプローチのアイデアももらえている」という小日向。音色面については、「会場の大きさなどに関わらずちゃんとズッシリした音を鳴らしてくれている印象があるので、MyGO!!!!!の音楽を支えるのにピッタリな音なんじゃないかなと思っています」と評した。
■小日向's Amplifier&Effector Board
アンプは、HARTKEのHA3500(ヘッドアンプ)+HD410(スピーカーキャビネット)。HA3500は、プリアンプにチューブ/ソリッドステートの2種類を内蔵し、これらをミックスすることによって多彩な音作りが可能になる1台。10バンドEQやコンプレッサーなどの多機能性も魅力だが、小日向はアンプ側のコンプレッションは使用せず、イコライザーも比較的フラットに設定している。ヘッドの下のラックには、SHURE製MW4D(ワイヤレスレシーバー)を配備。
ツアー中に撮影したエフェクターボードでは、上段左にFREE THE TONE製PT-3D(パワーサプライ)、右下にPETERSON製StroboStomp HD(チューナー)を設置し、音作りの要となる3台のDarkglass Electronics製ペダル・HYPER LUMINAL(コンプレッサー)、VINTAGE ULTRA V2(プリアンプ)、MICROTUBES X ULTRA(ディストーション)をセット。
すべてのペダルが直列でつながれており、接続順はStroboStomp HD→HYPER LUMINAL→VINTAGE ULTRA V2→MICROTUBES X ULTRAとなる。なお、VINTAGE ULTRA V2はアコースティックベース使用時にも兼用されるため、筐体には2パターンの設定値がメモされている。
■林's Pearl Masters Maple Gum Drum Set
林が使用しているPearl Masters Maple Gumのキットは、メイプル(アウター4プライ)とガムウッド(インナー2プライ)を組み合わせた同シリーズ初のコンポジットシェル。アタックの強さ、レスポンスの速さ、温かみと中低音域のブースト感が特徴となるが、林は「明るい音色で、音がまっすぐ飛びやすいドラムセットだなと思います。特にバスドラムが前に飛びやすく、音の伝わる速度が早いので、“気をつけて”演奏しています」と語る。
気をつけている点は、「とにもかくにも鳴ってくれるドラムセットなので、変な言い方ですが、あまりしっかり叩けていなくても上手く聴こえてしまう」からだと言い、「私はドラムセット全体をしっかり鳴らすことを目標にしているので、太鼓1つずつ、金物(シンバル)1枚1枚を綺麗に鳴らせるよう、ドラムセットの性能に頼らなくてもちゃんといい音が鳴らせるように練習しようと思っているんです」と言葉に力を込めた。
キットはタム2台、フロアタム1台も備えた構成。林は「このドラムセットを初めて見たとき、かっこいいなって思ったのと同時に、セットの組み方が独特だなと思いました」とし、「当初MyGO!!!!!はメロコア風のバンドと聞いていたので、『メロコアだからきっと1タムになるだろう』と予想していたんですが、タムがフロアを含めて3台あって『これはいろいろなジャンルの曲をやるようになるんだろうな』と思ったのが最初の印象でした」と振り返る。
ブライトなサウンド特性だからこそ、「ロータムもハイタムもすごく明るい音なので、曲によってはハイタムを一切使わないこともある」というこだわりも。そういったチョイスは「自分がPAさんになったつもりで考えている」そうで、「この曲はハイタムを強く鳴らすのか、ロータムを強く鳴らすのか、それともバスドラムなのかスネアなのか…と、自分で強弱を調整しながら叩くんです。例えば『無路矢』はヘヴィな曲なので、明るい音になりすぎないように力加減をより意識しています」と明かした。その一方で「細かな試行錯誤もありますが、やっぱりいい音がスパーンっと出てくれるので、いつも楽しいんですよ」とうれしそうに笑った。
ドラムセットの各口径は次の通り。バスドラム(22”×18”)、タム(10”×7”、12”×8”)、フロアタム(16”×14”)。スネアは同シリーズのMMG1455S/C(14”×5.5”)。スティックはVic Firth製VIC-SD10をもとにヒッコリー材で製作されたプロトタイプで、サイズは15.5×409ミリ。
■林's Pedals&SABIAN Cymbals
シンバル群はすべてSABIAN製で統一。ラインナップは本人左手側から、ハイハット(トップ・ボトムともにAA Medium Hats/14”)、クラッシュ(AA Medium Crash/16”)、スプラッシュ(AAX Aero Splash/8”)、ライド(AA Rock Ride 20”)、クラッシュ(AA Medium Crash/18”)、チャイナ(AA Holy China/19”)。
キックペダルは、Pearl P-1032 Eliminator Soloシリーズのツインペダル“BLACK” Double Pedal P-1032を使用し、ビーターはDB-150 Control Core Duo Beaterのフェルト面がセットされている。
■『MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」』日程
4月11日(木) 愛知・Zepp Nagoya
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2024/04/01