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【リリース】 新しい世界へと歩みを進めるSCANDAL 自分たちの「今」を凝縮した新作『LUMINOUS』に感じる新境地

 今年の夏、結成18周年を迎えるSCANDALの11枚目となるオリジナル・アルバム『LUMINOUS』が3月20日にリリースされた。コロナ禍に制作された前作『MIRROR』から約2年ぶりの新作は、バンドとしても、そして人間としても成熟した彼女たちの“今”が凝縮された作品。歩みを進めようとする意志が、力強く、そして軽やかに投影されている。

結成18周年を迎えるSCANDAL

結成18周年を迎えるSCANDAL

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■ギネス世界記録認定後も続く ライブ中心の活動と創作意欲

 SCANDALの特徴は、何と言っても4人のメンバー全員が作詞・作曲を手がけ、それぞれがリード・ボーカルを担えるという稀有な点にある。最新作も同様に、4人4様に綴られた詞とメロディが楽しめる1枚に仕上がっている。しかしながら実のところ、バンド結成時には誰一人として楽器の経験がなかったということはバンド界隈では有名なエピソードだ。

 元々4人は10代の頃にボーカル&ダンス・スクールに通っており、レッスンの一環として楽器を手にしたことがSCANDALのスタートだ(しかもバンドを組んでわずか1週間後に、初のステージでサディスティック・ミカ・バンドの名曲「タイムマシンにおねがい」を演奏する)。一般的に中高生は、憧れのミュージシャンがいたり、楽器が好きでバンドを組んだりする場合が多い。それに対して彼女たちの結成秘話は極めてイレギュラーなパターンではあるが、もしかすると4人はバンドキッズではなかったからこそ、バンドという集合体にしか生み出せない音楽の魅力や輝き、あるいは自分たちにとっての新しい自己表現方法を、他のバンドとは違う角度から見つけ出したのかもしれない。

 その後も彼女たちは大阪のストリートでライブ活動を続け、2008年3月にインディーズ・デビュー。直後、国内よりも先にアメリカ6大都市ツアーを行い、フランスや香港のフェスにも出演するなど、海外での実績を携えて同年10月に1stシングル「DOLL」でメジャー・デビューを果たした。当時は“女子高生バンド”的なフィーチャーのされ方もしたが、周囲の評価は時を経て彼女たちの音楽性や演奏力、そして人間的な魅力へとシフトしていく。そうなった大きな理由は、SCANDALがライブにこだわり、ライブを基軸に音楽活動を続けたからであろう。

 どれだけ時代が変わろうとも、音楽の根源は歌や演奏で自身を表現し、目の前にいる観客にそれを届け、観客と互いに感情を交差させながらその瞬間を生きる喜びを分かち合うという、人と人とのリアルな対峙によって生まれるものだ。そこで得た感情や体感が次作の種となり、音楽の受け手となるリスナーは、その種がどんな花を咲かすのかを心待ちにする。

 SCANDALの活動はまさにそうしたライブに重きを置き続け、国内においては47都道府県ツアーをはじめ、ライブハウスからホール、そして日本武道館や横浜アリーナ、大阪城ホールといったアリーナ公演まで積極的なライブ活動を(コロナ禍の20年を除き)毎年展開している。加えて海外ツアーも幾度となく行い、世界中の音楽ファンともリアルな接点を作り続けていった。その結果、たくさんの女子中高生コピーバンドを生み、彼女たちフォロワーのカリスマ的存在となる一方で、国際的な評価も年々高まりをみせ、17年には世界的ギター・ブランドであるFender社と、アジア人女性唯一のエンドースメント契約を結ぶに至った。19年には、活動の幅をさらに広げるべくプライベート・レーベル「her」を設立。自身のアパレルブランド「FEEDBACK」をプロデュースし、ファッション・アイコンとしても注目を集める存在となっていった。

 そして23年、結成記念日となる8月21日に、「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録に認定された。もちろん彼女たちは今も活動し続けているわけで、最長記録は日々更新されていく。つまりSCANDALは、現在進行形で「世界一」を継続しているのだ。彼女たちはたくさんの経験を経て人として成長し、感情を深化させながらも、音楽的に流行り廃りに左右されず、一歩ずつ自分たちの意志で歩みを進めてきた。だからこそ、その時代、その時々のSCANDALにしか作れない音楽を生み出し続けているのだ。

■自ら光を放つフェーズへ移行 全19公演のツアーも開催

 そんなSCANDALが24年に放つアルバム『LUMINOUS』には、23年にリリースしたシングル「Line of sight」(アーケードカードゲーム『機動戦士ガンダム アーセナルベース LINXTAGE』主題歌)や「ハイライトの中で僕らずっと」、4月から始まるTVアニメ『HIGHSPEED Etoile』エンディングテーマ「ファンファーレ」を含む全11曲が収録されている。

 アルバムのタイトルである『LUMINOUS』というワードには、「光る、輝く、(暗闇の中で物が)発光する」、さらには「(表現が)明快」という意味がある。日本中、いや世界中がエアポケットに入ってしまったかのように動きが止まったコロナ禍を経て、前作『MIRROR』でSCANDALは、現状にとどまることなく、覚悟を持って歩みを進めていった。その際、もしかすると彼女たちの目線は、前へ踏み出そうとする足元を見つめることで精一杯だったかもしれない。ただそこから次第に、もっと先にある光、未来へと目線が向けられていく。目線が上がれば自然と顔が上へ向けられるように、前向きな、しかも暗闇を知るからこそ輝く光を感じる光に彩られた作品が『LUMINOUS』だ。

 アルバムは、MAMIが詞と曲を書いた「群青pleats」で幕を開ける。HARUNAが歌うポップなメロディに、凝ったリズムとやや変則的なベース&ギター・ソロでSCANDALらしいを薫らせるという、4人のバンド・アンサンブルが冒頭から濃密に楽しめる1曲だ。ドラムの連打で始まる「ファンファーレ」は疾走感溢れる楽曲で、次世代カーレースを題材とするTVアニメ『HIGHSPEED Etoile』の世界観と、走り続けるバンドの“今”がシームレスに描かれている。

 続く「私たち」「Plum」で音楽のカラフルな陰影をしっかりと聴かせると、TOMOMIが作詞・作曲した「CANDY」は、一聴すると男女間のラブソングのようにも聴こえるが、同性の仲間同士、あるいは親子にも通じる愛おしさで、大切な人と自分自身を柔らかく包み込んでくれる。そこからRINAが作詞と作曲を手がけた「Vision」でバンドの熱量は次第に上昇。その着火剤は、歌うようなTOMOMIのベースラインとバンドの土台をしっかりと支えるRINAのビートだ。骨太のSCANDALサウンドは、続く「Loop」でさらにハードモードとなり、気だるく歌うHARUNAのリバービーなボーカルに、フランジャーのかかったうねるようなMAMIのギターがサビで交錯し、ダークなロック感をパワフルに聴かせる。

 さらにシングル曲「Line of sight」でSCANDALならではのロックチューンを畳みかけると、「あなたへ」の終盤、歌とギターだけになるセクションで一瞬ノン・エフェクトになるMAMIの歌声に耳が引き付けられ、聴く者をハッとさせる。こうしたレコーディングならではの緻密な音作りもアルバムの随所に散りばめられており、スタジオワーク面でも充実した作品だ。こうしてSCANDALのロック・サイドが一気に畳みかけられた後、高まった聴き手の感情をチルアウトさせながら、切なさを否定せず、でも前を向いて歩んでいく凛とした姿を感じさせてくれたのが、HARUNAが曲を書き、詞をしたためた「1:47」だ。

 そしてラストに、先行シングル「ハイライトの中で僕らずっと」でアルバムは幕を閉じるのだが、全11曲を曲順通りに聴いていくと、ワクワクする華やかなオープニングから、じっくりと聴かせる中盤、怒涛の終盤、そしてアンコールといった、まさにライブのセットリストにも通じる物語性が(意識的か、無意識かはわからないが)本作から十分に読み取れた。ここにもまた、ライブを大切に活動してきたSCANDALの姿勢が滲み出ていると同時に、1曲単位で音楽が楽しまれる時代にあって、アルバムという作品形態の存在意義を改めて感じさせてくれた。

 そんな最新アルバムの世界観をリアルな場でさらに拡張してくれる全国ツアー『SCANDAL TOUR 2024 LUMINOUS』も発表された。4月2日の広島・HIROSHIMA CLUB QUATTRO公演を皮切りに、5月25日の東京・Zepp Haneda公演まで全19公演が予定されており、国内ツアーを終えた後には海外ツアーも計画されているという(詳細は後日発表とのこと)。2024年、新しい世界へと歩みを進めていく彼女たちの輝きをアルバムで感じ、そしてツアーのステージで、SCANDALの“今”をリアルに体感してみてほしい。
※『HIGHSPEED Etoil』:「Etoile」の「E」はEの上にダッシュが正式表記

文・布施雄一郎

<作品情報>
SCANDAL『LUMINOUS』
2024年3月20日発売

【初回限定盤A】CD+Blu-ray DISC
品番:VIZL-2305/価格:4,950円(税込)
[Blu-ray DISC]
DOCUMENTARY “her” Diary 2023 SPECIAL EDITION

SCANDAL『LUMINOUS』初回限定盤A

SCANDAL『LUMINOUS』初回限定盤A

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【初回限定盤B】CD+雑誌
品番:VIZL-2306/価格:4,950円(税込)
[雑誌]
"her" Magazine Vol.4

SCANDAL『LUMINOUS』初回限定盤B

SCANDAL『LUMINOUS』初回限定盤B

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【完全生産限定盤】
CD+Blu-ray+LUMINOUSロングスリーブTシャツ(L size)+4カットフォト(5枚セット)
品番:VIZL-2304/価格:12,100円(税込)
[Blu-ray DISC]
MUSIC VIDEO CLIPS(「Line of sight」「ハイライトの中で僕らずっと」+新曲の全3曲を収録)
[GOODS]
LUMINOUSロングスリーブTシャツ(L size)+4カットフォト(5枚セット)

SCANDAL『LUMINOUS』完全生産限定盤

SCANDAL『LUMINOUS』完全生産限定盤

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【通常盤】CD
品番:VICL-65949/価格3,300円(税込)

SCANDAL『LUMINOUS』通常盤

SCANDAL『LUMINOUS』通常盤

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[CD収録曲](共通)
01. 群青pleats
02. ファンファーレ
03. 私たち
04. Plum
05. CANDY
06. Vision
07. LOOP
08. Line of sight
09. あなたへ
10. 1:47
11. ハイライトの中で僕らずっと

■SCANDAL 公式ホームページ:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A026399.html
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