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カズレーザー「ラクに仕事している我々への罰」 “ワイプタレント”への皮肉がまさかの『アート』に【インタビュー】

 タレント、アーティスト、SNSクリエイターなど多様な業界で各々の「笑い」に取り組む10人の住人たちが作り上げた“笑えるアート作品”が集結する企画展『笑うアートマンションと10人の住人展』が、2月18日まで東京・デザインフェスタギャラリー原宿EAST館で開催中。お笑いコンビ・メイプル超合金カズレーザー(39)も住人の一人。芸人としてはさらば青春の光、ヒコロヒー、街裏ぴんくがそれぞれユニークなアイデアを体現する中、カズレーザーが思い描く「笑い」とは。

カズレーザー(メイプル超合金) (C)ORICON NewS inc.

カズレーザー(メイプル超合金) (C)ORICON NewS inc.

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 企画展の3階に位置するカズレーザーの“部屋”には「こんなものがあったら面白そうだな」というアイデアをもとにした作品が3種展示。テレビ番組でワイプの中でリアクションをとるという「ラク」な仕事をする芸能人に一矢報いる“謎の心臓”や、SNSで繰り広げられる開脚自慢を逆手に誰もが180度開脚しているような写真を撮影できるフォトブース。さらに、グラフィティーアートと【文字化け】がまさかの融合を果たした作品がでかでかと配置されている。

グラフィティーアートと【文字化け】が融合した作品 (C)ORICON NewS inc.

グラフィティーアートと【文字化け】が融合した作品 (C)ORICON NewS inc.

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 特にワイプの中にいるカズレーザーを痛めつけることのできる“心臓”は、自分を含む全テレビタレントへの皮肉が込められた傑作に仕上がっている。これはテレビの前に置かれた心臓を握ると、その強さに応じてワイプの中にいるカズレーザーが痛がるという仕様になっており、カズレーザーいわく「ラクに仕事している我々への罰」なのだという。

カズレーザーの作品 モチーフは“心臓”(撮影:山城功也)

カズレーザーの作品 モチーフは“心臓”(撮影:山城功也)

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 「ワイプってなんか不思議なシステムだと思うんですよね。いらないっちゃいらないし、でもないと寂しいし。それでいて、あそこでVTRを見てるだけで、出演してるのかよくわからない。で、よく聞くのが、『あそこでリアクションとってるだけで金もらってるとは、なんて浅ましい職業なんだ』と。でもその気持ちもよくわかるので、それをかなえるデバイスを作りました」とカズレーザーは真面目な顔で語る。

カズレーザーの作品 モチーフは“心臓”(撮影:山城功也)

カズレーザーの作品 モチーフは“心臓”(撮影:山城功也)

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 こんなことをいつ思いついたのか聞くと、ラジオでワイプの話をしているときに思いついたのだそう。「いまのテレビは一方通行だけど、双方向なツールがあったらおもしろいんじゃないかと。これがもっと広がれば、ファンビジネスだけじゃなく、アンチビジネスが成立すると思う。画面に映っている人に疑似的に卵をぶつけられて、そのタレントが嫌な顔をしたら、“嫌い”が“面白い”に変わる」と、新たなエンタメへの可能性も示した。

 本展のテーマは「笑い」だが、「アート」でもある。カズレーザーの部屋に入ってまず最初に目につく極彩色の作品は紛れもなく「アート」だが、ここにも日常の気づきから生まれた、カズレーザーらしい皮肉じみた笑いの種が。

カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

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 「グラフィティーアートって、色々書いてあるけどあんなの読めたもんじゃないじゃないですか。どうせ読めないんだったら、読めないものが書いてあっても成立するのかなって思ったんですよ。あと、文字化けというのが単純に好きで、なんか面白いと思った」とこちらも真面目な表情で主張する。

 文字化けしている文章は、まさかの宮沢賢治『雨ニモマケズ』の一節。「書いてある文章はしっかりしたもののはずなんです。でも、ド下ネタをこうしたとて、俺はかっこいいと思う。グラフィティー自体に価値があるんだったらメッセージいらねえと思うし、メッセージに価値があるんだったら絶対“ゴシック体”で書いた方がいいと思う。その仮説を言ったら、形にしてくれた」と日ごろ感じていた違和感を“笑い”を交え展示にしていた。

カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

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 本展には、カズレーザー以外にもさらば青春の光、ヒコロヒー、街裏ぴんくら芸人がマンションの住人になり、“笑えるアート作品”を考案。中でもカズレーザーは、Xで「らしさ丸出しで期待値ドカ上がり」と投稿するほど、街裏ぴんくの作品が大好きだという。

 街裏ぴんくの展示は「『ZEGE展』愛媛県是毛町‐突然消えた小さな町‐」と題し、1968年3月18日に突如として消えた“架空の町”・是毛町(ぜげちょう)に、何があってどんな人がいて、どんな事件が起きていたのかを、ジオラマや写真作品、音声ガイドなどを使って紹介している。

街裏ぴんくの作品展示(撮影:山城功也)

街裏ぴんくの作品展示(撮影:山城功也)

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 カズレーザーは「俺もあのアイデア思いつきたかった」と芸人としての悔しさもあったそうで「自分が架空の町の説明をするとなったら、めっちゃ本当っぽく作るなと思うんですが、ぴんくさんはそこも嘘なんだと(笑)。信用できない“嘘”の話を続けるっていうのがすげえなって思いました。憧れますね」とリスペクトを語った。

街裏ぴんくの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

街裏ぴんくの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

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 そんなカズレーザーだが、イチ視聴者からするとカズレーザーも“天才”なのではと思う感性の持ち主。カズレーザーが“笑い”を表現したり向き合ったりする際、フィーリングとロジックのどちらを優先するのか、“笑い”の生み出し方を聞いてみた。

 「フィーリングって、その人が持ってるロジックにすぎないと思う。いや、めちゃくちゃな天才がいるかもしれないですけど、あんまり会ったことないんで。みんな自分なりのロジックがあって、それが伝わらないと、この人“感覚派”なんだと言ってるだけなんですよ。逆にロジカルに話しているつもりでも、結局自分の感覚を言葉にして説明してるだけで、意外と論理が破綻してたりするので、どっちかというのはないんじゃないですかね」

カズレーザー(メイプル超合金) (C)ORICON NewS inc.

カズレーザー(メイプル超合金) (C)ORICON NewS inc.

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 そう質問に対して論破するカズレーザーに「やはり天才なのでは…」と思ってしまうが、「ネタ作りは大変だからあんまりやってないし、全然作ってない。やらないに越したことはないですね」と苦笑い。

カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.

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 現在、バラエティー番組やラジオをはじめ、その知識を生かしたクイズ番組のレギュラー解答者や、情報番組のコメンテーター、書籍の解説など、多岐にわたる活動をしているが、カズレーザーは現在の仕事ぶりについて「向いてる仕事をいただいてると思う。自分だと何が合っているか分からないですし。これ楽しかったなと思ってもあんまりだったり、どうなんだろうなと思っても評価高かったりするんで、そこは気にしてもしょうがないのかなと思っています」と割り切っていると話す。

 最後に、同展に興味を持ってくれた人へのメッセージを求めると「本当に絶賛してほしいですね。最悪、ここに足を運ばなくてもいいから絶賛でいいです。広めてください。それが1番です」と最後までカズレーザーらしさ全開のインタビューとなった。

カズレーザー(メイプル超合金) (C)ORICON NewS inc.

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 同展には、今回紹介したお笑い芸人以外に、拡張現実に関するネタを発表し続ける開発ユニットAR三兄弟や、「無駄づくり」を主な活動とする藤原麻里菜、さらにSNSを中心に活躍し話題を集めているクリエイターのいしかわかずや、スーパーマーケットカカム、ミチルも参加。過去にTOUKYO MXの番組『小峠英二のなんて美だ!』でさまざまなクリエイターが生み出した作品展示も行っている。

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  • カズレーザーの作品 モチーフは“心臓”(撮影:山城功也)
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  • カズレーザーの作品展示 (C)ORICON NewS inc.
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