年末の賞レースで盛り上がるお笑い界。先日も『THE W』では、紅しょうがが“5度目の正直”で7代目女王に輝いた。24日放送の『M-1グランプリ』の行方も注目される中、ORICON NEWSでは恒例の『2023年ブレイク芸人ランキング』を発表。その結果、上半期でも1位となった【やす子】が、年間通して“ブレイク芸人”の称号を手にした。

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■「おもしろ荘」出演から2年、バラエティ番組に引っ張りだこのブレイク芸人に

　上半期も1位だった【やす子】が年間でも1位を獲得。やす子と言えば、2021年の元旦に放送された『ぐるナイおもしろ荘2021新年SP』（日本テレビ系）に出演して知名度が上昇。

　自衛隊出身ならではの「5段階ほふく前進」ネタや、「はい〜」の合いの手で、インパクトを残して人気に。『サンデージャポン』（TBS系）では、ジャーナリストとして突撃取材も行なうなど多方面で活躍した。

　ドラマ『家政夫のミタゾノ』（テレビ朝日系）5話では本人役、『セクシー田中さん』（日本テレビ系）4話のOL役など演技にも挑戦した。「一発屋で終わるのでは？」というイメージを払しょくするように着実に知名度を広げ、キンチョウの『コンバット』や『バイク王』などのCM出演も果たした。

　アンケートでは「すぐいなくなると思っていたのですが、少しずつブラッシュアップしながら、いつの間にかとても個性的な芸人さんになってました」（奈良県／50代・女性）と存在感を発揮。

　また「どこのバラエティ番組でも、どのチャンネルに変えてもやす子さんの声が聞こえてきたから」（熊本県／10代・女性）「『ドッキリGP』での活躍を皮切りに、ひたむきさとキャラの良さがいい感じに出てきて、見ていて楽しめる存在になってきているから」（東京都／50代・男性）と10代から50代まで全年齢から支持されての1位となった。

　バラエティ番組への出演やSNSで自作曲が話題になったりと多方面での活躍が目立ったやす子。それでも、お笑い芸人としての想いも捨てず、自ら「タレント化しているような気がしている。ピン（芸人）という部分は変えたくない」と意気込みを語っていた今年の『THE W』（日本テレビ系）ではファイナリストまで勝ち残った。ファーストステージで自衛官ネタを披露して敗退となったが、来年もさらなる飛躍を期待したい。

■芸歴20年の仲良しコンビが年間通して支持集中、ハズレなしのロケの安定感

　上半期2位の【なすなかにし】も順位をキープし2位に。月曜隔週レギュラーを務める『ラヴィット！』（TBS系）、『坂上＆指原のつぶれない店』（同局系）などバラエティ番組で“ロケの達人”として名を馳せてきた2人。どんな番組でもフォーマットに合わせて巧みな話術で笑いを取る点についてのコメントがユーザーからも多数寄せられた。

　「ロケの安定感と2人のトークが落ち着きもありつつ、合間になすなかにし“らしさ”も出せるところが、今年たくさん見ていて一緒に仕事をしたいとか信頼されていそうだなと感じたからです」（熊本県／30代・女性）、「なすなかにしさんが出ているロケVTRは平和でハズレがない。下手に身体を張るようなことがないので安心して見ていられる」（千葉県／20代・女性）と評価された。

　芸歴22年のベテランでいとこ同士だけに、仲のいい連帯感とトークの安定感で実力を発揮。「会話のテンポも挟む小ネタも限られた時間の使い方まで妙を得ているから」（埼玉県／40代・女性）、「人を傷つけないお笑いだし、2人の空気感や長年の距離感、テンポ感がとても好感が持てる。もっとテレビに出て欲しい」（神奈川県／40代・女性）と讃えられた。

　先日、那須晃行が脳梗塞を発症したと発表があり、相方の中西茂樹はもちろん、芸人仲間からエールが送られていた。回復を願いつつ、2人の掛け合いがまた見られるのを楽しみに待ちたい。

■「27時間テレビ」総合司会、後輩からのイジりも好感度アップに

　千鳥やかまいたちと共に『FNS27時間テレビ 鬼笑い祭』（フジテレビ系）の総合司会を務めた【ダイアン】がTOP3入り。バラエティ番組のみならず、ドラマやCMなどでも活躍の場を広げた。

　アンケートでは「まさか『27時間テレビ』のMCをするなんて…。大阪時代を知ってる身からするととてもびっくりです」（和歌山県／30代・男性）、「関西ではかなり以前から知られていたが、『27時間テレビ』のMCを務めた辺りから全国区の認知度になってきているように思う」（奈良県／50代・男性）と、東京進出前から彼らを見てきたファンや、『27時間テレビ』きっかけに知ったユーザーからの反響の大きさを感じるコメントが多数。

　「ゴイゴイスー！」のネタでもおなじみの津田だが、『水曜日のダウンタウン』（TBS系）で「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」（通称・「名探偵津田」）で話題となったことも記憶に新しい。

　「とにかく見ない日がなかったほど、番組に出ていた印象。にもかかわらず、冠番組も皆無で、後輩からもイジり倒されている津田がまた好感持てる」（神奈川県／30代・男性）との意見もあった。漫才が主だった彼らだが、飄々とした雰囲気のボケと勢いのあるツッコミをバラエティ仕様に変換させ、お茶の間に定着していっている。

■賞レースのファイナリストや王者も続々TOP10入り

　5位の【モグライダー】は年末恒例の賞レース『M-1グランプリ2023』のファイナリスト。今年は『ラヴィット！』の火曜隔週レギュラー、『ジョンソン』（TBS系）など、出演番組を増やし、存在感を発揮した。

　そんな彼らに「去年まで名前も聞かなかったのに『ラヴィット！』で飛躍的に売れたと思う」（東京都／20代・女性）、「去年もたくさんお見かけしたのですが、今年はさらにたくさんの番組に出ている印象です。とくに、『ジョンソン』のようなレギュラー番組が始まって飛躍したように感じました」（鹿児島県／30代・女性）との声が寄せられた。

　5月に開催された『THE SECOND 〜漫才トーナメント〜』の準優勝コンビ【マシンガンズ】が9位に登場。同大会は、今年初開催された結成16年以上の漫才師を対象とした漫才コンテスト。

　ユーザーからも「『THE SECOND』から徐々に露出が増え、今では多くの番組で見るようになったから」（神奈川県／10代・男性）、「『THE SECOND』で準優勝以降、滝沢秀一さんのイケオジビジュアルに注目が集まり、本人も嫌がることなく朗々とファンサを行い“顔ファン”を好意的に受け入れ、お笑い界に革命をもたらしたから」（群馬県／40代・女性）など、同大会での活躍を評価するコメントが多数。

　実際に、滝沢秀一は、芸人とゴミ清掃員の二足のわらじで活動を続け、4月からは『〜なぜここにいるの？〜ごみ物語』（テレビ朝日系）のレギュラー番組を持つまでに。さらにイケメンぶりでも知られ、ファッション雑誌『anan』掲載の写真は大きな反響を起こしていた。

　『キングオブコント2023』16代目王者となった【サルゴリラ】が10位にランクイン。トリオ「ジューシーズ」から2015年にコンビとなり、『キングオブコント』で受賞時に44歳と43歳という史上最年長記録で優勝。

　そんな彼らに「『キングオブコント』が物語っています。やっと面白さに気づいてもらって良かった」（東京都／50代・女性）、「ほぼ無名から一気に知名度が上がったので」（千葉県／40代・男性）、「ジューシーズの頃から応援していたので優勝を機に活躍して欲しい」（埼玉県／20代・女性）とエールが送られた。

　徐々に出演番組も増えていっており、来年の上半期ランキングの順位にどう影響があるか注目したい。

　今年のランキングでは、女性芸人のランクインが【やす子】以外のなかった。ピン芸人も【やす子】のみという結果で、それだけ彼女のインパクトが大きかったこともうかがえる。

　テレビだけでなくYouTube、TikTokなどからも新たなスターが生まれる昨今だが、『THE W』で優勝した紅しょうがや、『M-1』王者、毎年注目の『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「おもしろ荘」出演芸人など、来年上半期にはどんな新星が登場するのか、今から楽しみだ。

【調査概要】
調査時期：2023年11月9日（木）〜11月17日（金）
調査対象：計1000名（自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女）
調査方法：インターネット調査
調査機関：オリコン・モニターリサーチ