作家の伊集院静氏さんが24日、死去した。73歳。同日夜、妻で元俳優の篠ひろ子（本名・西山博子）さんが報道各社に公表した。

　伊集院さんは10月初旬に肝内胆管がんと診断を受けたとし、同27日に所属事務所を通じて「当面の間、執筆作業を休止させていただくこととなりました」と伝えていた。それから約1ヶ月後、“永い旅”に発った。通夜・告別式は近親者で執り行うとし、香典や花も辞退するとした。

　1950年山口県防府市生まれ。立教大学文学部を卒業し、81年に文壇デビュー。『乳房』で吉川英治文学新人賞を受賞。直木賞受賞作『受け月』をはじめ、『機関車先生』、『ごろごろ』、『ノボさん』、さらに『大人の流儀』シリーズなどのエッセイまで、多数のベストセラーを生み出した。

　広告代理店のCMディレクターを歴て、作詞家、テレビ出演など各方面で活躍。「伊達歩」名義で、近藤真彦「ギンギラギンにさりげなく」などのヒット曲を手がけた。

　プライベートでは夏目雅子さんと84年に結婚し、翌年に死別。俳優の篠さんと92年に再婚した。

■報告全文

いつもお世話になっております皆様へ

突然のご報告となりますが、11月24日伊集院静は永い旅に出てしまいました。かねてより肝内胆管がんの治療をしておりましたが、残念ながら回復に至りませんでした。

自由気ままに生きた人生でした。
人が好きで、きっと皆様に会いたかったはずですが、強がりを言って誰にも会わずに逝ってしまった主人のわがままをどうかお許しください。
最期まで自分の生き方を貫き通した人生でした。

私たちに寄り添って2人だけの時間を作って下さった皆様、そして応援してくださったファンの皆様に心より御礼を申し上げます。

ありがとうございました。

西山 博子
令和5年11月24日