俳優の高嶋政宏が8日、都内で行われた舞台『中村仲蔵 〜歌舞伎王国 下剋上異聞〜』の制作発表記者会見に参加した。

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　高嶋は、四代目市川團十郎を演じる。「学生のころからロック好きで、ジョン・レノンさんが歌舞伎座によく来て涙を流していた、という話を聞いたのがきっかけで歌舞伎を好きになった」と意外なルートから歌舞伎を好きになったそう。

　そこから「『義経千本桜』で先代の猿之助さんすべての仕掛け、けれんに引っかかった。最前列で見ていて、後ろを向いて前を向いたらすでに猿之助さんが出ていて、にやって笑われたり…。どんどん歌舞伎の世界にのめり込んでいった20代、30代だった」と懐かしむ。

　そんな中で、ドラマ版の出演オファーがあったそう。「撮影が終わった時に本当に悲しくて『もっとこの世界にいられたらよかったのに』と思ったところに、この舞台のお話があった。一も二もなく、即『やります』と。この場に立てて、本当にうれしい」と喜び、自然と頬がゆるんでいた。

　歌舞伎が黄金期に向かう江戸時代中期、彗星のごとく現われた破天荒な歌舞伎役者、初代・中村仲蔵（なかむら・なかぞう）。梨園の血縁ではない仲蔵は、四代目・市川團十郎に見出されて異例の出世を遂げ、一代で「名人仲蔵」と言われるまでの大スターになった。その波乱万丈の人生は、今でも落語や講談でも語り継がれる人気演目となっている。

　そんな中村仲蔵の物語はドラマ化され、2022年度文化庁芸術祭テレビドラマ部門の大賞をはじめ、数多くのテレビ賞を受賞。その脚本・演出を務めた源孝志が、今回、新たな視点でオリジナルの舞台戯曲として書き下ろし。演出には2017年赤坂大歌舞伎にて新作歌舞伎の作・演出も務めた蓬莱竜太氏を抜てきした。

　来年2月6日から2月25日まで、池袋・東京建物Brillia HALLで上演される。

　会見には、藤原竜也、市原隼人、浅香航大、尾上紫、今井朋彦、脚本の源孝志氏、演出の蓬莱氏も参加した。