厚生労働省とソニー・ミュージックエンタテインメントの共催イベント『世界メンタルヘルスデー JAPAN 2023 #ココロに聞いてみよう！〜私たちの日常とメンタルヘルス〜』が10日、東京大学 先端科学技術研究センター ENEOSホールで開催された。

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　国際デーに定められている「世界メンタルヘルスデー」当日に行われた同イベントには、ロックバンド・氣志團の綾小路翔、俳優の星乃夢奈が出席し、医師の田中裕記氏、東京大学教養学部の佐藤万由子さん、フリーアナウンサーの内田恭子とともにメンタルヘルスに関するトークを行った。

　綾小路は「僕らくらいの世代は、精神的な疾患を持つことに対して『ヤバい』とか『危険』といった感覚が強いと思う。例えば映画などでそういった患者さんが鎖につながれていたりだとか…。そんな怖いイメージが漠然とあった」と吐露。

　そんな固定観念から「自分の不調に気づけなかったり、ほかの人の変化を感じても、どう伝えてあげたらいいのかわからない…と。そういうことが特に多い世代だと思うんです」と私見を語った。

　田中氏から5人に1人が精神疾患を患った経験があるという統計が提示されると、「僕らは5〜6人バンドとあいまいな呼ばれ方をしているんですが…」と切り出して笑いも誘いつつ、真剣な表情で「つまり、僕らの中に精神疾患をいてもおかしくないってことですよね」と話に耳を傾けていた。

　また、氣志團について「今のバンドを初めて26年」と触れたが、綾小路自身は声帯炎の治療のため、今年1月の日本武道館公演をもって歌唱活動を休止。9月13日にLINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）での復帰ワンマンライブを行っていた。

　そういった危機について「どう乗り越えてきたかというと…実はそんなに覚えていないんです」とし、「喉もとすぎると熱さを忘れるタイプ。昔から怒りが持続しなくて、楽しいことだけが残る。しかも、そういった楽しい思い出がどんどん美化されて、自分の中で盛り上がっていく。苦労もたくさんあったと思うんですけど、楽しいことしか覚えていないんですよね」と笑顔で語った。

　世界精神保健連盟は、1992年からメンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、10月10日を「世界メンタルヘルスデー」と定めた。その後世界保健機関（WHO）も協賛し、正式な国際デー（国際記念日）とされている。

　イベント中には、脳や心に起因する疾患（障害）およびメンタルヘルスへの理解促進を目的とするシルバーリボン運動の一環として行われた、東京タワーの『シルバー＆グリーンライトアップ』も中継された。