4人組ロックバンド・a flood of circleが、9月13日に最新シングル「ゴールド・ディガーズ」をリリースする。渾身のフルアルバム『花降る空に不滅の歌を』から7ヶ月ぶりの新曲は、ストレイテナーのホリエアツシをプロデューサーに迎え、バンドの新たな一面を提示する意欲作。
そんな本作について、今回は佐々木亮介(Vo&Gt)を直撃。作品の制作過程や狙い、その後に見据える作品、そして歌詞中でも明言している“未来”を語ってもらった。
■“出し切る”覚悟で臨んだアルバム 全国ツアーで得た“次”へのビジョン
――今回のシングルには、本作の情報を解禁した6月16日のZepp Shinjuku公演なども収録されます。Zepp Shinjuku公演は『花降る空に不滅の歌を』(2月15日発売)を引っ提げて2月からスタートした全国ツアーのファイナルでした。
【佐々木】どのアルバムもそうなんだけど、『花降る〜』は「もうこれ以上できないっていうところまで出し切ろう」と覚悟を決めて作ったアルバムだったんですよ。だから、当然ツアーのビジョンを持って作ったわけじゃなかったし、ツアーの終盤でようやく曲が体に馴染んできたような感覚でした。そういう意味で、ファイナルはやっと次に行けそうな気がした日でもありましたね。
――ツアー中には、ソロアルバム『HARIBO IS MY GOD』のリリース(4月26日発売)や自主イベント『自由研究』の開催など、バンドを離れた活動も同時進行で活発化させていました。
【佐々木】アルバムを作り終えて「バンドで次に何を歌うか」がまったく見えていない状態だったから、ソロをやることでモノを作る感覚とか曲を作る筋肉が落ちないようにしていた感じ(笑)。
――ソロ名義での活動も5周年を迎えましたが、スタート当初から“ソングライター・佐々木亮介”というプラットフォームのように位置づけていたように感じます。「すべてがバンドに向けたインプットであり、アウトプットでもある」と。
【佐々木】すごく良い言い方をしてくれるじゃないですか(笑)。たしかにソロで動いているときも「次のバンドの新曲はどうしようかな?」ってことが常に頭のどこかにあるし、それはずっと変わらないですね。
■新たな境地へ向かうために求めた“感覚の共通性” ストレイテナー・ホリエアツシとのタッグ
――新作「ゴールド・ディガーズ」はどんな経緯で生まれたのでしょうか?
【佐々木】すでに次のアルバムも見据えた上での話だったんだけど、いつも通りツアーをして制作に入って…っていうんじゃなくて、4人で新しいものを作り始める前にもっといろいろな経験がしたかったんです。それでコラボレーターを入れて何かやろうと考えました。
――コラボ相手にストレイテナーのホリエアツシさんを選んだ理由は?
【佐々木】まず、今年25周年で武道館がやれるって本当にすごいことだと思ったんです。第一線で長くカッコ良くい続けるには、やっぱりしかるべき理由があるなって。その上で、ホリエさんは今の俺のモードに合っているなとも感じたんですよ。
――今のモードとは?
【佐々木】パワーコードのリフやシンセの入れ方も含めて、最近の俺は1990年代の雰囲気に寄って行っている気がしていて。そういう点で、ホリエさんは直系の先輩。あと、ストレイテナーにはエモい曲もたくさんあるけど、「KILLER TUNE」みたいにナナメにモノを見てニヤッと笑っているような曲もあるじゃないですか。俺はストレイテナーのそういうところが好きだし、自分の好きなロックの感覚をわかってくれる人と一緒にやりたかったからお願いしました。
――ということは、楽曲ありきでホリエさんにオファーを?
【佐々木】曲自体は、ホリエさんが受けてくれることになってから一気に作りました。コード感やビートのイメージは最初のデモからあまり変わっていないけど、そこからホリエさんとやりとりをして仕上げていったんです。
――ストレイテナーは曲調もアレンジの振り幅も広いバンドですから、正直どう攻めてくるのか予想がつきませんでした。
【佐々木】「どのストレイテナーとやるの?」ってね(笑)。いろいろな選択肢があったし、パターンもたくさん浮かんだけど、そこはa flood of circleの“流れ”を意識したかな。アルバムでやっていないことをやろうって。
■削ぎ落とされたアレンジを展開する新曲 制作過程で「ハッとさせられた」事実とは
――楽曲自体は非常にシンプルなアレンジですね。
【佐々木】メインリフやサビのシンセはもともと入れていたけど、最初はそれ以外にも結構詰め込みまくっていて(笑)。自分のソロのイメージを混ぜようとしていたところがあったんですよ。それをホリエさんが引き算していってくれたんです。
――作曲作業はどのように進めたのですか?
【佐々木】ホリエさんと一緒にアコギだけ持ってスタジオに入って作りました。ホリエさんが「ちょっと歌うのは恥ずかしいんだけど…」って、その場で思いついたメロディーを口ずさんでくれたりもして。最近のストレイテナーはわりと凝ったプロダクションが多いから、デモも作り込んでいるんだろうなと勝手に思っていたんですけど、実はめちゃくちゃバンドマンな作り方だった。そこにハッとさせられましたね。
――結果、そういった制作法が今作のシンプルな曲構成やアレンジにつながっている?
【佐々木】そうですね。こういうシンプルさがホリエさん自身の今のモードなのか、ホリエさんから俺らへの“提案”だったのかはわからないけど、少なくとも俺はストレイテナーの「倍で返せ」みたいな構築された曲がホリエさんのモードだと思っていたから、そこでもハッとさせられたんです。
――レコーディングはスムーズでした?
【佐々木】全員3〜4テイクくらいしか弾いていないんじゃないかな。符割りとか細かいニュアンスはこだわったけど、本当にあっという間(笑)。俺はかなり影響を受けやすい人間だから、次のアルバムへ向かうにあたって、シンプルでバンドらしい曲はやっぱりいいなって改めて思い始めていますね。
――その上で遊び心もふんだんに盛り込まれています。
【佐々木】自分が面白いと思える音楽をいつも考えるんですよ、もしこういう人が出てきたら勝てないなって思う音楽を。今回想像したのは、イギー・ポップみたいなサウンドでハイパーポップのジャンル感を表現する人。そのイメージが最後まで残っていたから、シンセもああいう感じになっていて。
――歌詞については?
【佐々木】自分自身のリアルなところを書くという点は、今回も変える気がなかったかな。ちょうど「武道館を取りたいね」ってスタッフと話していた時期だったから、だったら歌詞にしちゃえと思ったし。ただ予想以上にエモい歌詞になったから、犬の声とか別にあってもなくても良いような音をいっぱい入れてチョケたっていう(笑)。
――「I'M FREE」から10年ぶりに<印税>というワードも登場しましたが、意味合いや聴こえ方が変わりましたね。
【佐々木】「I'M FREE」を作ったときより、はるかに社会性がなくなったからかな(笑)。当時は東日本大震災を受けて、“外”に発する意味合いが強かったと思うんですよ。でも最近は…コロナとかもあったけど、社会に対してどうこうより「じゃあお前はどうすんの?」っていう気持ちが強い。
――そのマインドはアルバム『花降る空に不滅の歌を』に通底させたテーマでもありましたね。
【佐々木】この前ナベちゃん(渡邊一丘/Dr)と15年ぶりくらいに2人だけで話したんですけど、「40歳までこのままだったらバンドを続けられない」って言われたんですよ。別にネガティブな意味じゃなく、「だったら、行けるところまで行くしかないでしょ」って。俺自身もネガティブに捉えていなくて、要するに真剣に生きていくしかないってことだし、世の中とか誰かのせいにできないってことで。先のことばかり考えていてもしょうがないけど、10年前よりは身につまされている部分が確実にあるわけだから。
■「もう他人の曲をやっているような感覚」過去の自分と向き合う再現ライブ
――9月6日にはインディーズ時代の楽曲のサブスク配信が解禁され、7日には1stミニアルバム『a flood of circle』や2ndミニアルバム『泥水のメロディー』の再現ライブが開催されます(※取材は8月下旬に実施)。15〜16年前に発表した楽曲の聴こえ方も、ご自身の中で大きく変わってきていますか?
【佐々木】もう…何もかもが違いますね(笑)。再現ライブに向けて練習を始めているところだけど、かっこ良く言えば「ああいう曲は今じゃもう書けない」。
――カッコ良く言わなければ…?(笑)
【佐々木】絶対に書かない(笑)。でもそれって、昔からその瞬間の自分を書いてきたからなんですよ。さっき話に出た「I'M FREE」で言えば、歌詞で<通ったことないや クレジットカードの審査>って言っているけど、ソロでアメリカレコーディングに行ったときにはちゃんと通っていたし(笑)。『a flood of circle』や『泥水のメロディー』の曲も、2007年あたりの自分が本気で書いた曲。だからこそ、もう他人の曲をやっているような感覚なんですよね。
――当時、『泥水のメロディー』は『a flood of circle』よりもさらにポピュラリティーを高めた作品にしたかったと語っていましたね。
【佐々木】それもカッコ良く言った場合で、要するに「ライブハウスでウケたい」っていう…文化祭レベルの発想だった(笑)。当時は岡ちゃん(岡庭匡志/Gt)がいて、彼が「この時代にブルースをやる」っていうアイデアを持っていたから『a flood of circle』が生まれたし、このバンドがライブハウスに出始めた頃に目立てたのは間違いなく彼がいたから。でも、当時流行っていた曲からすれば、圧倒的にテンポが遅かったんですよね。
――なるほど。
【佐々木】そこで「流行を無視して突き進む」か「ライブで盛り上がる曲を作る」という選択肢が生まれて、結果的に後者に振り切ったわけです。今振り返れば、岡ちゃんがバンドをやめた理由はそこなのかなとも思うし、あのとき後者を選んだから「シーガル」みたいな曲が生まれたとも思うし、今のa flood of circleになれたとも思う。
■次なるツアーで誓う新曲の成長「自分の感情がさらけ出せないライブはやりたくない」
――きょうは当時使っていたギターも持ってきていただきました。
【佐々木】ずっと人に貸していたので、俺も久しぶりに触りました(笑)。俺自身は使う機会がなくなってきたけど、家に置いておいてももったいないから代わりに弾いてくれる人のところに…ってことで貸しているんです。
――現在ではGretschのBlack FalconやCBDC Falconを愛用していますが、この頃佐々木さんと言えばTelecasterのイメージでした。
【佐々木】インディーズの頃はずっと8000円くらいで買ったTLスタイルを使っていて、1stアルバム『BUFFALO SOUL』のときに1977年製のFender Telecasterを買って、その後に手に入れたのがこのギター。「Human License」のミュージックビデオとかでも弾いているし、『ZOOMANITY』くらいまではメインで使っていましたね。
――再現ライブは現在のサウンドシステムで臨むと思いますが、当時の音源との違いも聴きどころになると思います。
【佐々木】そうですね。音源だけでライブでは観たことないっていう人も多いと思うので、楽しみにしていてもらえれば。俺ら自身も楽しみ方を模索しているところなので。
――サブスク解禁と再現ライブの翌週に最新シングルがリリースされ、シングルを引っ提げたショートツアー『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』も開催されます。16年間を一気に駆け抜ける1週間ですね。
【佐々木】お、また良い言い方をしてくれるじゃないですか(笑)。「ゴールド・ディガーズ」はアルバムで出し切ったあとに一生懸命作った曲なので、ライブで成長させたいなと思っています。ツアーについては、新曲が1曲だけだから遊び心を盛り込めるなってワクワクしています。
――前回のアルバムツアーとは心持ちも違いますか?
【佐々木】アルバムツアーだとアルバムの曲を演奏することに集中しちゃうんで。今回はまさに「ゴールド・ディガーズ」みたいなライブになる気がしていますよ。感情的になる場面もあるだろうし、チョけている場面もあると思う。これも昔から変わらないことだけど、やっぱりそのときの自分の感情がさらけ出せないライブはやりたくないから。
■『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』日程
9月15日(金) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
9月17日(日) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
10月25日(水) 東京・渋谷CLUB QUATTRO(ゲスト:ストレイテナー)
10月26日(木) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
そんな本作について、今回は佐々木亮介(Vo&Gt)を直撃。作品の制作過程や狙い、その後に見据える作品、そして歌詞中でも明言している“未来”を語ってもらった。
――今回のシングルには、本作の情報を解禁した6月16日のZepp Shinjuku公演なども収録されます。Zepp Shinjuku公演は『花降る空に不滅の歌を』(2月15日発売)を引っ提げて2月からスタートした全国ツアーのファイナルでした。
【佐々木】どのアルバムもそうなんだけど、『花降る〜』は「もうこれ以上できないっていうところまで出し切ろう」と覚悟を決めて作ったアルバムだったんですよ。だから、当然ツアーのビジョンを持って作ったわけじゃなかったし、ツアーの終盤でようやく曲が体に馴染んできたような感覚でした。そういう意味で、ファイナルはやっと次に行けそうな気がした日でもありましたね。
――ツアー中には、ソロアルバム『HARIBO IS MY GOD』のリリース(4月26日発売)や自主イベント『自由研究』の開催など、バンドを離れた活動も同時進行で活発化させていました。
【佐々木】アルバムを作り終えて「バンドで次に何を歌うか」がまったく見えていない状態だったから、ソロをやることでモノを作る感覚とか曲を作る筋肉が落ちないようにしていた感じ(笑)。
――ソロ名義での活動も5周年を迎えましたが、スタート当初から“ソングライター・佐々木亮介”というプラットフォームのように位置づけていたように感じます。「すべてがバンドに向けたインプットであり、アウトプットでもある」と。
【佐々木】すごく良い言い方をしてくれるじゃないですか(笑)。たしかにソロで動いているときも「次のバンドの新曲はどうしようかな?」ってことが常に頭のどこかにあるし、それはずっと変わらないですね。
■新たな境地へ向かうために求めた“感覚の共通性” ストレイテナー・ホリエアツシとのタッグ
――新作「ゴールド・ディガーズ」はどんな経緯で生まれたのでしょうか?
【佐々木】すでに次のアルバムも見据えた上での話だったんだけど、いつも通りツアーをして制作に入って…っていうんじゃなくて、4人で新しいものを作り始める前にもっといろいろな経験がしたかったんです。それでコラボレーターを入れて何かやろうと考えました。
――コラボ相手にストレイテナーのホリエアツシさんを選んだ理由は?
【佐々木】まず、今年25周年で武道館がやれるって本当にすごいことだと思ったんです。第一線で長くカッコ良くい続けるには、やっぱりしかるべき理由があるなって。その上で、ホリエさんは今の俺のモードに合っているなとも感じたんですよ。
――今のモードとは?
【佐々木】パワーコードのリフやシンセの入れ方も含めて、最近の俺は1990年代の雰囲気に寄って行っている気がしていて。そういう点で、ホリエさんは直系の先輩。あと、ストレイテナーにはエモい曲もたくさんあるけど、「KILLER TUNE」みたいにナナメにモノを見てニヤッと笑っているような曲もあるじゃないですか。俺はストレイテナーのそういうところが好きだし、自分の好きなロックの感覚をわかってくれる人と一緒にやりたかったからお願いしました。
――ということは、楽曲ありきでホリエさんにオファーを?
【佐々木】曲自体は、ホリエさんが受けてくれることになってから一気に作りました。コード感やビートのイメージは最初のデモからあまり変わっていないけど、そこからホリエさんとやりとりをして仕上げていったんです。
――ストレイテナーは曲調もアレンジの振り幅も広いバンドですから、正直どう攻めてくるのか予想がつきませんでした。
【佐々木】「どのストレイテナーとやるの?」ってね(笑)。いろいろな選択肢があったし、パターンもたくさん浮かんだけど、そこはa flood of circleの“流れ”を意識したかな。アルバムでやっていないことをやろうって。
■削ぎ落とされたアレンジを展開する新曲 制作過程で「ハッとさせられた」事実とは
――楽曲自体は非常にシンプルなアレンジですね。
【佐々木】メインリフやサビのシンセはもともと入れていたけど、最初はそれ以外にも結構詰め込みまくっていて(笑)。自分のソロのイメージを混ぜようとしていたところがあったんですよ。それをホリエさんが引き算していってくれたんです。
――作曲作業はどのように進めたのですか?
【佐々木】ホリエさんと一緒にアコギだけ持ってスタジオに入って作りました。ホリエさんが「ちょっと歌うのは恥ずかしいんだけど…」って、その場で思いついたメロディーを口ずさんでくれたりもして。最近のストレイテナーはわりと凝ったプロダクションが多いから、デモも作り込んでいるんだろうなと勝手に思っていたんですけど、実はめちゃくちゃバンドマンな作り方だった。そこにハッとさせられましたね。
――結果、そういった制作法が今作のシンプルな曲構成やアレンジにつながっている?
【佐々木】そうですね。こういうシンプルさがホリエさん自身の今のモードなのか、ホリエさんから俺らへの“提案”だったのかはわからないけど、少なくとも俺はストレイテナーの「倍で返せ」みたいな構築された曲がホリエさんのモードだと思っていたから、そこでもハッとさせられたんです。
――レコーディングはスムーズでした?
【佐々木】全員3〜4テイクくらいしか弾いていないんじゃないかな。符割りとか細かいニュアンスはこだわったけど、本当にあっという間(笑)。俺はかなり影響を受けやすい人間だから、次のアルバムへ向かうにあたって、シンプルでバンドらしい曲はやっぱりいいなって改めて思い始めていますね。
――その上で遊び心もふんだんに盛り込まれています。
【佐々木】自分が面白いと思える音楽をいつも考えるんですよ、もしこういう人が出てきたら勝てないなって思う音楽を。今回想像したのは、イギー・ポップみたいなサウンドでハイパーポップのジャンル感を表現する人。そのイメージが最後まで残っていたから、シンセもああいう感じになっていて。
――歌詞については?
【佐々木】自分自身のリアルなところを書くという点は、今回も変える気がなかったかな。ちょうど「武道館を取りたいね」ってスタッフと話していた時期だったから、だったら歌詞にしちゃえと思ったし。ただ予想以上にエモい歌詞になったから、犬の声とか別にあってもなくても良いような音をいっぱい入れてチョケたっていう(笑)。
――「I'M FREE」から10年ぶりに<印税>というワードも登場しましたが、意味合いや聴こえ方が変わりましたね。
【佐々木】「I'M FREE」を作ったときより、はるかに社会性がなくなったからかな(笑)。当時は東日本大震災を受けて、“外”に発する意味合いが強かったと思うんですよ。でも最近は…コロナとかもあったけど、社会に対してどうこうより「じゃあお前はどうすんの?」っていう気持ちが強い。
――そのマインドはアルバム『花降る空に不滅の歌を』に通底させたテーマでもありましたね。
【佐々木】この前ナベちゃん(渡邊一丘/Dr)と15年ぶりくらいに2人だけで話したんですけど、「40歳までこのままだったらバンドを続けられない」って言われたんですよ。別にネガティブな意味じゃなく、「だったら、行けるところまで行くしかないでしょ」って。俺自身もネガティブに捉えていなくて、要するに真剣に生きていくしかないってことだし、世の中とか誰かのせいにできないってことで。先のことばかり考えていてもしょうがないけど、10年前よりは身につまされている部分が確実にあるわけだから。
■「もう他人の曲をやっているような感覚」過去の自分と向き合う再現ライブ
――9月6日にはインディーズ時代の楽曲のサブスク配信が解禁され、7日には1stミニアルバム『a flood of circle』や2ndミニアルバム『泥水のメロディー』の再現ライブが開催されます(※取材は8月下旬に実施)。15〜16年前に発表した楽曲の聴こえ方も、ご自身の中で大きく変わってきていますか?
【佐々木】もう…何もかもが違いますね(笑)。再現ライブに向けて練習を始めているところだけど、かっこ良く言えば「ああいう曲は今じゃもう書けない」。
――カッコ良く言わなければ…?(笑)
【佐々木】絶対に書かない(笑)。でもそれって、昔からその瞬間の自分を書いてきたからなんですよ。さっき話に出た「I'M FREE」で言えば、歌詞で<通ったことないや クレジットカードの審査>って言っているけど、ソロでアメリカレコーディングに行ったときにはちゃんと通っていたし(笑)。『a flood of circle』や『泥水のメロディー』の曲も、2007年あたりの自分が本気で書いた曲。だからこそ、もう他人の曲をやっているような感覚なんですよね。
――当時、『泥水のメロディー』は『a flood of circle』よりもさらにポピュラリティーを高めた作品にしたかったと語っていましたね。
【佐々木】それもカッコ良く言った場合で、要するに「ライブハウスでウケたい」っていう…文化祭レベルの発想だった(笑)。当時は岡ちゃん(岡庭匡志/Gt)がいて、彼が「この時代にブルースをやる」っていうアイデアを持っていたから『a flood of circle』が生まれたし、このバンドがライブハウスに出始めた頃に目立てたのは間違いなく彼がいたから。でも、当時流行っていた曲からすれば、圧倒的にテンポが遅かったんですよね。
――なるほど。
【佐々木】そこで「流行を無視して突き進む」か「ライブで盛り上がる曲を作る」という選択肢が生まれて、結果的に後者に振り切ったわけです。今振り返れば、岡ちゃんがバンドをやめた理由はそこなのかなとも思うし、あのとき後者を選んだから「シーガル」みたいな曲が生まれたとも思うし、今のa flood of circleになれたとも思う。
■次なるツアーで誓う新曲の成長「自分の感情がさらけ出せないライブはやりたくない」
――きょうは当時使っていたギターも持ってきていただきました。
【佐々木】ずっと人に貸していたので、俺も久しぶりに触りました(笑)。俺自身は使う機会がなくなってきたけど、家に置いておいてももったいないから代わりに弾いてくれる人のところに…ってことで貸しているんです。
――現在ではGretschのBlack FalconやCBDC Falconを愛用していますが、この頃佐々木さんと言えばTelecasterのイメージでした。
【佐々木】インディーズの頃はずっと8000円くらいで買ったTLスタイルを使っていて、1stアルバム『BUFFALO SOUL』のときに1977年製のFender Telecasterを買って、その後に手に入れたのがこのギター。「Human License」のミュージックビデオとかでも弾いているし、『ZOOMANITY』くらいまではメインで使っていましたね。
――再現ライブは現在のサウンドシステムで臨むと思いますが、当時の音源との違いも聴きどころになると思います。
【佐々木】そうですね。音源だけでライブでは観たことないっていう人も多いと思うので、楽しみにしていてもらえれば。俺ら自身も楽しみ方を模索しているところなので。
――サブスク解禁と再現ライブの翌週に最新シングルがリリースされ、シングルを引っ提げたショートツアー『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』も開催されます。16年間を一気に駆け抜ける1週間ですね。
【佐々木】お、また良い言い方をしてくれるじゃないですか(笑)。「ゴールド・ディガーズ」はアルバムで出し切ったあとに一生懸命作った曲なので、ライブで成長させたいなと思っています。ツアーについては、新曲が1曲だけだから遊び心を盛り込めるなってワクワクしています。
――前回のアルバムツアーとは心持ちも違いますか?
【佐々木】アルバムツアーだとアルバムの曲を演奏することに集中しちゃうんで。今回はまさに「ゴールド・ディガーズ」みたいなライブになる気がしていますよ。感情的になる場面もあるだろうし、チョけている場面もあると思う。これも昔から変わらないことだけど、やっぱりそのときの自分の感情がさらけ出せないライブはやりたくないから。
■『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』日程
9月15日(金) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
9月17日(日) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
10月25日(水) 東京・渋谷CLUB QUATTRO(ゲスト:ストレイテナー)
10月26日(木) 東京・渋谷CLUB QUATTRO
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?New Singleリリース?
— a flood of circle 公式 (@afoc_official) September 13, 2023
a flood of circle
『ゴールド・ディガーズ』
produced by #ホリエアツシ[#ストレイテナー] https://t.co/McS6fD844N#フラッド #ゴールドディガーズ pic.twitter.com/aaLaf6Fq2P
2023/09/13




