シンガー・ソングライターAnlyのワンマンライブ『A.L.I.V.E』が1日、東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催された。

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　ライブの数日前、自身のツイッターで「バンド、ループペダル、弾き語り、今出来ること全部詰め込みます」と予告していたように、これまでの集大成ともいえる公演に。ギター、ベース、ドラム、キーボードのサポートメンバーを迎えたバンド編成で幕を開けた。

　5月にリリースしたばかりの新曲「TAKE OFF」からスタート。バンドサウンドに乗せて、伸びやかな歌声を力強くまっすぐ届けていく。続く「VOLTAGE」では、「VOLTAGEを上げろ」と歌うAnlyに応えるように観客が手を掲げ、「カラノココロ」では「一緒に歌いましょう」との呼びかけにシンガロングが巻き起こる。

　6月にリリースしたばかりの最新曲「Round & Round」では、美しいファルセットを織り交ぜながら歌い、言葉にならない切実な想いを共有していった。

　バンドメンバーが一度退場すると、ループペダルを駆使した1人パフォーマンスのコーナーへ。「足元が見たい」というリクエストに応える形で、ビジョンにはループペダルをさばく足元が映し出され、ファンは大喜びした。

　「助手席に座って聴いてもらえれば」と着席を促すと、車の中の恋愛模様を描いた「Moonlight」へ。アコースティックギターのコード弾き、アルペジオ、高音フレーズ、ボディを叩くスラム奏法によるパーカッシブなサウンドを一つずつ録音した上で、華麗なペダルさばきによってリアルタイムでトラックを生み出し、その上にメロウな歌声が重なっていく。「SLEEP」では、音数を絞ったループトラックによって、息づかいを含めた繊細な歌唱表現で、「IDENTITY」では弾き語りパートとロックアンサンブルパートのコントラストの鮮やかさで魅了した。

　続いては弾き語りで「愛情不足 feat. Rude-α」を披露。「数分間だけ、心から自分のことを抱きしめてあげてほしい」という言葉と相まって、優しい歌声が深く心に沁み入る。「Venus」ではループペダルを駆使し、自らのコーラスを幾重にも重ねていくことで深淵な世界を描き出した。

　再びバンドメンバーをステージに迎え入れると、クライマックスに突入。「Angel voice」では、荘厳で神秘的なシンフォニックサウンドに乗せて清廉な歌声を届け、「KAKKOII」では「ここが時代の最先端でしょ！」「時代がこれからついてくるよ！」と、自ら両手をバウンスさせながら観客と熱いコミュニケーションを繰り広げていく。

　本編ラストの曲は、高校生のときからお世話になっているという所属事務所の社長の母親からインスピレーションを受けて制作した楽曲「Alive」。Anlyは「今日は皆さん、来てくれてありがとう」「Aliveしてくれてありがとう」と伝え、コロナ禍において自分自身の背中を押してくれたという同曲を万感込めて歌い上げた。

　アンコールで再びステージに登場したAnlyは「健康で今日を迎えられてよかった」「健康でいてくれてありがとう」としみじみ。椅子に腰かけながらキーボードの伴奏に合わせて「星瞬〜Star Wink」を歌唱したあとには、秋から冬にかけて『Anly 2023-2024 Tour』を開催することを発表。故郷の沖縄公演で幕を開けることを伝えた。

　ラストの曲は、故郷への切実な想いを込めた「Welcome to my island」。全身全霊のパフォーマンスでフィナーレを迎えると「今日は本当にありがとうございました！」「Still Aliveだよ、またね！」と呼びかけた。