世間にあふれる番組やコンテンツの数だけ、数多くの言葉が紡がれている。そんなあふれる言葉の波の中から、気になるものを紹介する連載【エンタメ言葉帳】。第5回は、18日放送のフジテレビ系バラエティー『まつもtoなかい』(毎週日曜 後9:00)で、ダウンタウンの松本人志が、テレビプロデューサーの佐久間宣行氏に投げかけた言葉を紹介したい。
■松本、佐久間氏を絶賛「売れる!絶対この人すごい」 今後の笑いは「劇場に戻るような気が…」
松本と中居正広がMCを務める同番組では、18日の放送で俳優の伊藤英明と佐久間氏の対談が実現した。まずスタジオに伊藤が登場し、松本&中居とトークを展開。松本の大ファンである伊藤の“松本愛”が爆発する。続いて、伊藤が“今もっとも松本に会わせたい人”という佐久間氏が登場した。これまで佐久間氏とは接点のなかった松本だが「番組作ってくださいよ」とオファーしながら、「僕のダメなところってどこですかね?」と直球で投げかけた。
佐久間氏は「『VISUALBUM』の世界観。あれを世の中に出さないのかなという気持ちがずっとあって。映画とか『VISUALBUM』を世に出すブレーンが、今いないんじゃないかと。松本さんのお笑いと、お笑いのフォーマットを作る以外の、イマジナリーの部分のお笑いとつなげる人がいないんだと思います。松本さんご自身でプロデューサーもできるから、今までやってこれちゃったんですけど、松本さんの思う、気持ち悪いあの世界が世の中に出るのが見たいんですけど、それにはプロデューサー・松本人志じゃないんじゃないかな」と真摯に答えていった。
しっかりと受け止めた松本は「売れる!絶対この人すごい」と賛辞。「確かに『VISUALBUM』は、コントと映画の間くらいのことをやりたくて。あの頃は全部自分でもできたし。でも、あれ以上のもっと映画にいくならば、もっと専門的なことで間に入って、サポートしてくれる人が必要なんですよ。確かにいないんです」と明かした。佐久間氏は「映画というものにアウトプットしていく時のブレーンが必要なんじゃないかなと。コントの中のもっとドロッとした世界観のものが、テレビコントも面白いんですけど、それじゃないところの出すところも見てみたいな」と話していた。
対談終了間際、佐久間氏が「僕、1個だけ質問してもいいですか?」と切り出すと「ダウンタウンさんも、SMAPさんも芸人が端っこにいた頃に出てきて売れたじゃないですか。ようは、エリート街道じゃない(ところから)天下を取った感じがするんですけど、お2人みたいなスターって生まれてくるのかどうか」と投げかけた。松本は「答えになるかどうかわかんないんですけど、一旦お笑いは劇場に戻るような気がしていて。ちょっとテレビは飽和状態にはなっているかもしれない。あと、ネガティブな意味じゃないけど、オレ辺りが引退した方が、何か変わる可能性はあって…とかは思いますけどね」と言葉を紡いだ。
作品論、テレビ論などについて熱いトークが繰り広げられた放送となったが、ここで少し時計の針を戻して、14日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』(月〜木 後1:00)のゲストコーナーに佐久間氏が出演した時のことを紹介したい。
佐久間氏は『まつもtoなかい』に出演することになったことを報告しながら「本当に『えっ?』っていうくらいの質問をされたんですよ。『オレ、これ答えていいの?』って周りのスタッフを見たら、全員が目をそらすっていう」と打ち明けた。ナイツの塙宣之が「オリエンタルラジオ・中田敦彦の件ですか?」と投げかけると、佐久間氏は「そんな感じではないですけど」と否定しながらも「その件があったの、収録のその週なんですよ。でもそことは違う、けっこうグッとくる球(がきた)」と明かしていた。
■中田敦彦が佐久間氏に投げかけた「オレのことをディスってください」 幾重にも解釈できる“松本発言”
この答え合わせをすれば、おそらく佐久間氏がラジオで言っていた「グッとくる球」は、松本からの「僕のダメなところってどこですかね?」という質問を指しているように思えるが、お笑い好きを中心に、この言葉をめぐってさまざまな憶測が飛び交うことになった。
その憶測のもとになったのが、5月3日深夜放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン(ANN)0』(毎週水曜 深3:00)での発言だ。佐久間氏は、自身が手がけるテレビ東京系バラエティー『あちこちオードリー』(毎週水曜 後11:06)に、オリエンタルラジオがコンビで出演したことについてトーク。『あちこち』内で“謎のくだり”があったことに触れた佐久間氏は、昨年12月に中田敦彦のYouTubeチャンネルで対談を行った際の裏話を披露した。
中田から「佐久間さん。僕、この後どうしたらいいと思います?オレに対して『違うな』と思っていることとか、何かあったら、何でも言ってください」と唐突に質問を受けた佐久間氏は、中田のまっすぐな視線を目の当たりにして「あっちゃんは『いろいろあって挫折してあきらめて、YouTubeをやっている。こっちに賭けているんです』と言うけど、オレはそんなことはないと思っている」と、悩みながらも真摯にコメントしていったと回顧。
そのコメントを受けて、対談の収録が終わろうとしていたが、中田が「佐久間さん、もっと辛いのください!気を遣ってませんか?オレのことをディスってくださいよ」と再び投げかけたという。中田の圧を前に、佐久間氏は沈黙しながらも思いをめぐらせ「ヤベェ!何もねぇー!」と心の中で感じながらも、追い込まれすぎて「相方も大事にできないヤツと、仕事しようと思うやつは、いないんじゃないかな?」との文言を発してしまっていた。中田にとって、佐久間氏がふいに出た言葉は突き刺さったようで、そういった経緯もあって、コンビでの活動を再び本格化させていった…という話だった。
こうしたいきさつを踏まえて、今回の騒動が起こった週の収録で、松本が佐久間氏に投げかけた「僕のダメなところってどこですかね?」との質問は、さまざまな思いを勝手に汲み取ってしまうし、さらに言えば、最後に松本が放った「ネガティブな意味じゃないけど、オレ辺りが引退した方が、何か変わる可能性はあって…とかは思います」との言葉も重みを増す。事情を知らずとも興味深いテーマだったが、こうした事情を考慮して見ると、期せずして渦中の2人から、タイミングは違えど同じ質問を受けた佐久間氏の真摯かつ的確な言葉が光った。
■松本、佐久間氏を絶賛「売れる!絶対この人すごい」 今後の笑いは「劇場に戻るような気が…」
松本と中居正広がMCを務める同番組では、18日の放送で俳優の伊藤英明と佐久間氏の対談が実現した。まずスタジオに伊藤が登場し、松本&中居とトークを展開。松本の大ファンである伊藤の“松本愛”が爆発する。続いて、伊藤が“今もっとも松本に会わせたい人”という佐久間氏が登場した。これまで佐久間氏とは接点のなかった松本だが「番組作ってくださいよ」とオファーしながら、「僕のダメなところってどこですかね?」と直球で投げかけた。
佐久間氏は「『VISUALBUM』の世界観。あれを世の中に出さないのかなという気持ちがずっとあって。映画とか『VISUALBUM』を世に出すブレーンが、今いないんじゃないかと。松本さんのお笑いと、お笑いのフォーマットを作る以外の、イマジナリーの部分のお笑いとつなげる人がいないんだと思います。松本さんご自身でプロデューサーもできるから、今までやってこれちゃったんですけど、松本さんの思う、気持ち悪いあの世界が世の中に出るのが見たいんですけど、それにはプロデューサー・松本人志じゃないんじゃないかな」と真摯に答えていった。
しっかりと受け止めた松本は「売れる!絶対この人すごい」と賛辞。「確かに『VISUALBUM』は、コントと映画の間くらいのことをやりたくて。あの頃は全部自分でもできたし。でも、あれ以上のもっと映画にいくならば、もっと専門的なことで間に入って、サポートしてくれる人が必要なんですよ。確かにいないんです」と明かした。佐久間氏は「映画というものにアウトプットしていく時のブレーンが必要なんじゃないかなと。コントの中のもっとドロッとした世界観のものが、テレビコントも面白いんですけど、それじゃないところの出すところも見てみたいな」と話していた。
対談終了間際、佐久間氏が「僕、1個だけ質問してもいいですか?」と切り出すと「ダウンタウンさんも、SMAPさんも芸人が端っこにいた頃に出てきて売れたじゃないですか。ようは、エリート街道じゃない(ところから)天下を取った感じがするんですけど、お2人みたいなスターって生まれてくるのかどうか」と投げかけた。松本は「答えになるかどうかわかんないんですけど、一旦お笑いは劇場に戻るような気がしていて。ちょっとテレビは飽和状態にはなっているかもしれない。あと、ネガティブな意味じゃないけど、オレ辺りが引退した方が、何か変わる可能性はあって…とかは思いますけどね」と言葉を紡いだ。
作品論、テレビ論などについて熱いトークが繰り広げられた放送となったが、ここで少し時計の針を戻して、14日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』(月〜木 後1:00)のゲストコーナーに佐久間氏が出演した時のことを紹介したい。
佐久間氏は『まつもtoなかい』に出演することになったことを報告しながら「本当に『えっ?』っていうくらいの質問をされたんですよ。『オレ、これ答えていいの?』って周りのスタッフを見たら、全員が目をそらすっていう」と打ち明けた。ナイツの塙宣之が「オリエンタルラジオ・中田敦彦の件ですか?」と投げかけると、佐久間氏は「そんな感じではないですけど」と否定しながらも「その件があったの、収録のその週なんですよ。でもそことは違う、けっこうグッとくる球(がきた)」と明かしていた。
■中田敦彦が佐久間氏に投げかけた「オレのことをディスってください」 幾重にも解釈できる“松本発言”
この答え合わせをすれば、おそらく佐久間氏がラジオで言っていた「グッとくる球」は、松本からの「僕のダメなところってどこですかね?」という質問を指しているように思えるが、お笑い好きを中心に、この言葉をめぐってさまざまな憶測が飛び交うことになった。
その憶測のもとになったのが、5月3日深夜放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン(ANN)0』(毎週水曜 深3:00)での発言だ。佐久間氏は、自身が手がけるテレビ東京系バラエティー『あちこちオードリー』(毎週水曜 後11:06)に、オリエンタルラジオがコンビで出演したことについてトーク。『あちこち』内で“謎のくだり”があったことに触れた佐久間氏は、昨年12月に中田敦彦のYouTubeチャンネルで対談を行った際の裏話を披露した。
中田から「佐久間さん。僕、この後どうしたらいいと思います?オレに対して『違うな』と思っていることとか、何かあったら、何でも言ってください」と唐突に質問を受けた佐久間氏は、中田のまっすぐな視線を目の当たりにして「あっちゃんは『いろいろあって挫折してあきらめて、YouTubeをやっている。こっちに賭けているんです』と言うけど、オレはそんなことはないと思っている」と、悩みながらも真摯にコメントしていったと回顧。
そのコメントを受けて、対談の収録が終わろうとしていたが、中田が「佐久間さん、もっと辛いのください!気を遣ってませんか?オレのことをディスってくださいよ」と再び投げかけたという。中田の圧を前に、佐久間氏は沈黙しながらも思いをめぐらせ「ヤベェ!何もねぇー!」と心の中で感じながらも、追い込まれすぎて「相方も大事にできないヤツと、仕事しようと思うやつは、いないんじゃないかな?」との文言を発してしまっていた。中田にとって、佐久間氏がふいに出た言葉は突き刺さったようで、そういった経緯もあって、コンビでの活動を再び本格化させていった…という話だった。
こうしたいきさつを踏まえて、今回の騒動が起こった週の収録で、松本が佐久間氏に投げかけた「僕のダメなところってどこですかね?」との質問は、さまざまな思いを勝手に汲み取ってしまうし、さらに言えば、最後に松本が放った「ネガティブな意味じゃないけど、オレ辺りが引退した方が、何か変わる可能性はあって…とかは思います」との言葉も重みを増す。事情を知らずとも興味深いテーマだったが、こうした事情を考慮して見ると、期せずして渦中の2人から、タイミングは違えど同じ質問を受けた佐久間氏の真摯かつ的確な言葉が光った。
ご視聴ありがとうございました?
— まつもtoなかい (@matsumoto_nakai) June 18, 2023
熱いお笑いトーク、いかがでしたか??
TVerでは
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ぜひご覧ください??https://t.co/2NdbhgehnM#まつもtoなかい #松本人志 #中居正広 #伊藤英明 #佐久間宣行 #BiSH
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2023/06/19