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『シン・仮面ライダー』ドキュメンタリーの衝撃 庵野秀明氏と田渕景也氏のプロ中のプロのやり取り 【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第29回

 ピン芸人・オジンオズボーン篠宮による大好きな特撮に特化したコラム『オジンオズボーン篠宮暁の特撮ヤベーイ!』。第29回は、今も話題沸騰の映画『シン・仮面ライダー』のドキュメンタリーについての感想となる。

【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第29回は『シン・仮面ライダー』について(写真は篠宮暁は提供)

【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第29回は『シン・仮面ライダー』について(写真は篠宮暁は提供)

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 先日NHKのBSプレミアムで『ドキュメント「シン・仮面ライダー」〜ヒーローアクション挑戦の舞台裏〜』という映画の裏側を撮った番組が放送されました。庵野秀明さんのドキュメンタリー番組は以前にも見たことがあり、その時はアングルや画角など、画作りを強烈にこだわる様が映し出されていました。

 今回もそういったところがもちろん収められており、iPhoneも含めカメラを十数台で撮影したり、立ち位置をミリ単位で調整する様子が収録されてました。が、今回の番組の中心は画作りの部分よりもアクションに関する部分が特に多めな構成でした。

 『シン・仮面ライダー』でアクション監督を務められたのはGocooの田渕景也さん。田渕さんは特撮作品に関わらず幅広い作品の中で、さまざまなアクションを演出され高い評価を受けてきてる方で、個人的に一番衝撃だったのは2016年、Amazonプライムビデオにて配信された『仮面ライダーアマゾンズ』にて、日曜の朝では流せないであろう血生臭い、そして泥臭いアクションを見せつけられて一気に虜になりました。その衝撃を受けた時にこの演出を誰がしたのだろうと思ってスタッフロールを見た時にあった名前が田渕景也さんの名前でした。

 その田渕さんが『シン・仮面ライダー』に入っているのをエンドロールで確認し、やっぱり田渕さんのつけるアクションはすごいなとあらためて思っていたのですが、今回のこのドキュメンタリー番組の中でただ単純にすごいでは片づけられない想像を絶する様子が映し出されていました。大げさではなく庵野監督と同じくらいに画面に映っていた田渕さん。この田渕さんがこれまでの現場で培ってきたものを余すところなく、入念に準備してこの『シン・仮面ライダー』に注ぎ込むんですが、庵野監督からのいい返事がなかなかもらえず苦悩するんです。

 こんな実績ある人がこんなに悩んでこんなに追い込まれることがあるのか、画面からでも現場の重い空気がもれ出ているんで実際の撮影現場の空気は相当なものだったに違いありません。

 ひねり出して作ってきた超絶かっこいい殺陣の段取りはあっけなく破棄され、庵野監督からは段取りが見えてしまう殺陣ではなく、殺気が混じった殺し合いが見たいと言われ、その場で試行錯誤している様子が何度も映し出され、最終的には庵野監督が声を荒げるほど撮影現場は混沌とし田渕さんの心が折れてしまうんじゃないかというほど仕事そのものが否定されてるシーンもありました。しかし、普通の人なら途中で投げ出してしまいかねない状況でもプロとして作品に向き合う田渕さんはまさにヒーローのようで、映画のパンフレットの監督助手・大庭功睦さんのコメントでは「田渕さんが折れると作品自体も折れることはわかっていた」と書いてあるように、今こうして『シン・仮面ライダー』について書くことができてるのは田渕さんのおかげと言っても過言ではないでしょう。

 もちろん庵野監督も映画を素晴らしいものにするために情を捨て、妥協しない姿勢には頭が上がりません。自分含めたスタッフが心血注いだシーンでも思っていたものと違ければ容赦無くボツにする力。番組で映ってたアクションシーンは映画では使われてないものがほとんどでした。

 こんなやりとりを見てると、またさらに映画を見たいという欲が湧き上がってきます。この番組はU-NEXTだとすぐに見れますし、NHKの地上波でも4月15日にまたオンエアされるので、プロ中のプロのやり取りを見た上でまた『シン・仮面ライダー』見てみませんか?

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