音楽プロデューサー・TeddyLoidとCarlos K.が中心となり、新たな解釈でシティポップをアップデートするプロジェクト『TOKYO CITY POP CANDY』。ライブ配信アプリ『17LIVE』のライバーとして活動する20歳の歌手・夕七(ゆうな)を招き、これまでに5作のカバー楽曲を発表してきた。
そんな同プロジェクトが2月24日、初のオリジナル曲「Candy Night」をリリースし、同日に東京・恵比寿クリムゾンにて初のリリース記念イベントを開催した。ORICON NEWSでは、同イベントの直前、3人にインタビューを実施。70〜80年代の音楽シーンを席巻したシティポップを生まれ変わらせる、若きクリエイターたちの思考に迫った。
――今回のプロジェクトを始動させたきっかけは?
【Carlos K.】ディレクターの方たちと「シティポップを作ってみよう」という話になったのが、そもそもの始まりでした。世界中でシティポップと呼ばれる音楽が流行り出して、もちろん僕たちも山下達郎さんなどの楽曲は聴いていたんですが、自ら作ったことはなかったんです。
――未経験のジャンルということで不安はありましたか?
【Carlos K.】最初は「できるかな…」と。でも、プロジェクトメンバーの中にTeddyさんの名前を見つけて、彼がいるなら大丈夫だと思いました(笑)。
【TeddyLoid】僕もまったく同意見で。僕自身、シティポップという音楽は聴いていましたし、そのジャンルの音楽を作っている友達もいますが、自分でトライしたことはなかったんです。それで今回、Carlosさんの名前が挙がっているのを見て、ぜひやってみたいなと。僕はCarlosさんを以前からすごく尊敬していて、いつか一緒にやってみたいと思っていたんです。
――「シティポップをアップデートする」というコンセプトが掲げられていますが、楽曲作りでポイントにしていることは?
【TeddyLoid】ボーカルミュージックであること。つまり、夕七さんの声を前提として作っていくことが重要だと考えています。
【Carlos K.】僕は雰囲気作りが大事かなと思っていて。あのオシャレな…時代を感じさせる空気を混ぜ込まないとシティポップにならないので、僕はそこを注意深く汲み取るようにしています。そこにTeddyさんが現代的なダンスミュージックの要素を入れてくれて、夕七さんのボーカルが乗ることで、新しい感じが出せているんだと思います。
【TeddyLoid】シティポップってジャンルとしてすごく説明が難しいんですが、僕はあまりルールがないとも感じていて、その上でムードミュージックだと思っているんですよね。どこかオシャレな雰囲気をまとっていて、かつそれを疑似体験できる音楽だなと。近年、PCやスマートフォンで簡単に音楽が聴けるようになって、人それぞれのムードに合う音楽の需要が高まってきているし、SNSの発展によって“自分をいかに華やかに見せるか”がすごく重要になっている時代だと思っていて、そこがリンクしてトレンドになっているんじゃないかと考えています。
【Carlos K.】シティポップって、みんなにとって聴きなじみがあるというか…聴いていて気持ちいい音楽なんです。それが世界中で流行るということは、世界中の誰もがシティポップを感じる魂を持っているんでしょうね。自分たちの国のどこかに引っかかる要素が、ギュッと詰まった音楽といいますか…。
――心地好く踊れる音楽であることや、使用されている音色といった要素を見ると、ユーロビートやニューウェーブも同じく一時代を築いたジャンルだと思いますが、シティポップはそれらともまた違った括られ方や位置づけにいる印象です。
【TeddyLoid】そうですよね。シティポップと括られる曲の中にも、BPMの速いものから遅いものまで本当に多彩ですから。そういうところもジャンルとして説明がしづらい要因なんじゃないかと思います。
――プロジェクトの第1弾作品は、竹内まりやさんの「Plastic Love」のカバーでした。原曲のサウンド構成は変えながらも、使用している音はローランド製TR-808(リズムマシン)風のスネアなど、当時を意識されているように感じました。
【TeddyLoid】はい、まさにそうです。音作りもCarlosさんと相談したり、セッションしながら決めているんですけど、今おっしゃっていただいたようにTR-808のような往年の音色も使いつつ、現代的な音も使ってアップデートしている感じです。
――サウンドやアレンジを固めた上で、夕七さんにボーカルを乗せてもらうのでしょうか?
【TeddyLoid】手順は曲によってバラバラですね。Carlosさんが大枠を作ってくれて、そこに夕七さんのボーカルが乗ってから、僕の方でアレンジをすることもあります。
――オリジナル曲「Candy Night」は?
【Carlos K.】この曲はTeddyさんとマッシュアップすることを前提に作っていったので、最初に僕の方でシティポップっぽさを全開にした曲を作り、そこからボーカルのメロディーなども相談して、探りながら仕上げていきました。で、夕七さんのボーカルが乗った後に、Teddyさんが一気にアレンジを。
【TeddyLoid】Carlosさんは今のシーンにおけるトップクリエイターだと思うんですけど、「Candy Night」を聴いた瞬間、「あ、Carlosさんは80年代のトップクリエイターでもあったんだ」と感じたんです。なので、僕としてもそのクオリティーに負けないような音作りを意識しました。
――夕七さんはお2人のアレンジについてどんなことを感じていますか?
【夕七】カバー曲の場合、私はいつも原曲のボーカルを聴きながら録るんですが、当時のいい部分を生かしながら、現代的にアップデートされているんだなということを強く感じています。
――ボーカル録りの際に意識していることは?
【夕七】原曲通りではなく、私なりに解釈して歌うようにしています。ただ、無理にオリジナリティーを出そうとしているわけでは決してなくて、当時のシティポップを知らなかった私でも自然と歌えるメロディーになっているんですよ。その辺りも、お2人がアップデートしてくださっているんだと思います。
――ボーカルレコーディング中にリクエストを出すような場面はありますか?
【Carlos K.】ないですね。ボーカルトラックを聴いて、僕たちも「おお…!」とビックリしているんですよ(笑)。それくらいすばらしい。
――では、逆にボーカルからインスパイアされてアレンジを変えることも?
【TeddyLoid】それはあります。すごいなと思ったのが、Carlosさんと夕七さんが作ったコーラスワークなんです。これは僕が過去のシティポップにあまり感じていなかった部分で、「こういったコーラスワークを、こういう音の積み方で入れてくるのか」と驚かされました。で、「だったら僕はこういうシンセを入れてみよう」というふうに考えたりだとか…。インスピレーションはかなり受けていますね。
――カバー曲「Plastic Love」のAメロも、原曲にはないコーラスワークで始まります。
【TeddyLoid】はい、まさにそういった部分です。あのディレクションがすばらしい。
【Carlos K.】僕としては、あの音像を作ったTeddyさんの解釈がすごいなと思うんです。聴いたとき、素直に感動しました。カバー曲にしろオリジナル曲にしろ、音でキャッチボールをする中で、どんどんすごいものになっていくんですよね。そこにボーカルが乗って…作りながら興奮していました。
――クリエイターとして刺激を受け合える制作現場なんですね。
【Carlos K.】はい。我ながらすばらしいチームだなと感じています。
――プロジェクトとして今後の展望は?
【TeddyLoid】海外でも聴いていただけているので、僕も海外に拠点を置いていますし、次は海外でもイベントをやってみたいですね。
【Carlos】ここまで過去の音楽を研究したのは、このプロジェクトが初めての経験だったんですけど、シティポップは懐かしさも新しさも感じられるジャンルだなと思ったんです。なので、過去と未来の交差点のような感じで、今後もカバー曲やオリジナル曲を通して、“新しいシティポップ”という形を提示していけたらいいなと考えています。
【夕七】私も、日本だけじゃなく海外でもやってみたいですね。あと、リアルタイムでシティポップを聴かれていた世代の方だけじゃなく、私たち世代にもこのジャンルの魅力を伝えていけたらいいなと思っています。
■「TOKYO CITY POP CANDY」プロフィール
ネットミュージックとダンスシーンのトレンドとして、グローバルなフォロワーを形成する音楽ジャンル「シティポップ」。70〜80年代に生まれ、すでに成熟期にあると言える同シーンにおいて、日本ルーツの音楽/アートクリエイターたちによる新たなアップデートを発信するプロジェクトが、『TOKYO CITY POP CANDY』となる。
メインプロデューサーには、TeddyLoidとCarlos K.を招聘。
海外のダンスミュージックシーンやポップのトレンドとJ-POPや日本カルチャーを理解し、高品質なサウンドで多くのヒット作品を生み出すヒットプロデューサーのもと、気鋭のクリエイターたちが集結する。
ボーカルには『17LIVEオーディション』で発掘されたネット配信世代の歌姫・夕七をフィーチュア。 シティポップの“本家”である日本から、”新解釈”を世界へ向けて発信していく。
そんな同プロジェクトが2月24日、初のオリジナル曲「Candy Night」をリリースし、同日に東京・恵比寿クリムゾンにて初のリリース記念イベントを開催した。ORICON NEWSでは、同イベントの直前、3人にインタビューを実施。70〜80年代の音楽シーンを席巻したシティポップを生まれ変わらせる、若きクリエイターたちの思考に迫った。
【Carlos K.】ディレクターの方たちと「シティポップを作ってみよう」という話になったのが、そもそもの始まりでした。世界中でシティポップと呼ばれる音楽が流行り出して、もちろん僕たちも山下達郎さんなどの楽曲は聴いていたんですが、自ら作ったことはなかったんです。
――未経験のジャンルということで不安はありましたか?
【Carlos K.】最初は「できるかな…」と。でも、プロジェクトメンバーの中にTeddyさんの名前を見つけて、彼がいるなら大丈夫だと思いました(笑)。
【TeddyLoid】僕もまったく同意見で。僕自身、シティポップという音楽は聴いていましたし、そのジャンルの音楽を作っている友達もいますが、自分でトライしたことはなかったんです。それで今回、Carlosさんの名前が挙がっているのを見て、ぜひやってみたいなと。僕はCarlosさんを以前からすごく尊敬していて、いつか一緒にやってみたいと思っていたんです。
――「シティポップをアップデートする」というコンセプトが掲げられていますが、楽曲作りでポイントにしていることは?
【TeddyLoid】ボーカルミュージックであること。つまり、夕七さんの声を前提として作っていくことが重要だと考えています。
【Carlos K.】僕は雰囲気作りが大事かなと思っていて。あのオシャレな…時代を感じさせる空気を混ぜ込まないとシティポップにならないので、僕はそこを注意深く汲み取るようにしています。そこにTeddyさんが現代的なダンスミュージックの要素を入れてくれて、夕七さんのボーカルが乗ることで、新しい感じが出せているんだと思います。
【TeddyLoid】シティポップってジャンルとしてすごく説明が難しいんですが、僕はあまりルールがないとも感じていて、その上でムードミュージックだと思っているんですよね。どこかオシャレな雰囲気をまとっていて、かつそれを疑似体験できる音楽だなと。近年、PCやスマートフォンで簡単に音楽が聴けるようになって、人それぞれのムードに合う音楽の需要が高まってきているし、SNSの発展によって“自分をいかに華やかに見せるか”がすごく重要になっている時代だと思っていて、そこがリンクしてトレンドになっているんじゃないかと考えています。
【Carlos K.】シティポップって、みんなにとって聴きなじみがあるというか…聴いていて気持ちいい音楽なんです。それが世界中で流行るということは、世界中の誰もがシティポップを感じる魂を持っているんでしょうね。自分たちの国のどこかに引っかかる要素が、ギュッと詰まった音楽といいますか…。
――心地好く踊れる音楽であることや、使用されている音色といった要素を見ると、ユーロビートやニューウェーブも同じく一時代を築いたジャンルだと思いますが、シティポップはそれらともまた違った括られ方や位置づけにいる印象です。
【TeddyLoid】そうですよね。シティポップと括られる曲の中にも、BPMの速いものから遅いものまで本当に多彩ですから。そういうところもジャンルとして説明がしづらい要因なんじゃないかと思います。
――プロジェクトの第1弾作品は、竹内まりやさんの「Plastic Love」のカバーでした。原曲のサウンド構成は変えながらも、使用している音はローランド製TR-808(リズムマシン)風のスネアなど、当時を意識されているように感じました。
【TeddyLoid】はい、まさにそうです。音作りもCarlosさんと相談したり、セッションしながら決めているんですけど、今おっしゃっていただいたようにTR-808のような往年の音色も使いつつ、現代的な音も使ってアップデートしている感じです。
――サウンドやアレンジを固めた上で、夕七さんにボーカルを乗せてもらうのでしょうか?
【TeddyLoid】手順は曲によってバラバラですね。Carlosさんが大枠を作ってくれて、そこに夕七さんのボーカルが乗ってから、僕の方でアレンジをすることもあります。
――オリジナル曲「Candy Night」は?
【Carlos K.】この曲はTeddyさんとマッシュアップすることを前提に作っていったので、最初に僕の方でシティポップっぽさを全開にした曲を作り、そこからボーカルのメロディーなども相談して、探りながら仕上げていきました。で、夕七さんのボーカルが乗った後に、Teddyさんが一気にアレンジを。
【TeddyLoid】Carlosさんは今のシーンにおけるトップクリエイターだと思うんですけど、「Candy Night」を聴いた瞬間、「あ、Carlosさんは80年代のトップクリエイターでもあったんだ」と感じたんです。なので、僕としてもそのクオリティーに負けないような音作りを意識しました。
――夕七さんはお2人のアレンジについてどんなことを感じていますか?
【夕七】カバー曲の場合、私はいつも原曲のボーカルを聴きながら録るんですが、当時のいい部分を生かしながら、現代的にアップデートされているんだなということを強く感じています。
――ボーカル録りの際に意識していることは?
【夕七】原曲通りではなく、私なりに解釈して歌うようにしています。ただ、無理にオリジナリティーを出そうとしているわけでは決してなくて、当時のシティポップを知らなかった私でも自然と歌えるメロディーになっているんですよ。その辺りも、お2人がアップデートしてくださっているんだと思います。
――ボーカルレコーディング中にリクエストを出すような場面はありますか?
【Carlos K.】ないですね。ボーカルトラックを聴いて、僕たちも「おお…!」とビックリしているんですよ(笑)。それくらいすばらしい。
――では、逆にボーカルからインスパイアされてアレンジを変えることも?
【TeddyLoid】それはあります。すごいなと思ったのが、Carlosさんと夕七さんが作ったコーラスワークなんです。これは僕が過去のシティポップにあまり感じていなかった部分で、「こういったコーラスワークを、こういう音の積み方で入れてくるのか」と驚かされました。で、「だったら僕はこういうシンセを入れてみよう」というふうに考えたりだとか…。インスピレーションはかなり受けていますね。
――カバー曲「Plastic Love」のAメロも、原曲にはないコーラスワークで始まります。
【TeddyLoid】はい、まさにそういった部分です。あのディレクションがすばらしい。
【Carlos K.】僕としては、あの音像を作ったTeddyさんの解釈がすごいなと思うんです。聴いたとき、素直に感動しました。カバー曲にしろオリジナル曲にしろ、音でキャッチボールをする中で、どんどんすごいものになっていくんですよね。そこにボーカルが乗って…作りながら興奮していました。
――クリエイターとして刺激を受け合える制作現場なんですね。
【Carlos K.】はい。我ながらすばらしいチームだなと感じています。
――プロジェクトとして今後の展望は?
【TeddyLoid】海外でも聴いていただけているので、僕も海外に拠点を置いていますし、次は海外でもイベントをやってみたいですね。
【Carlos】ここまで過去の音楽を研究したのは、このプロジェクトが初めての経験だったんですけど、シティポップは懐かしさも新しさも感じられるジャンルだなと思ったんです。なので、過去と未来の交差点のような感じで、今後もカバー曲やオリジナル曲を通して、“新しいシティポップ”という形を提示していけたらいいなと考えています。
【夕七】私も、日本だけじゃなく海外でもやってみたいですね。あと、リアルタイムでシティポップを聴かれていた世代の方だけじゃなく、私たち世代にもこのジャンルの魅力を伝えていけたらいいなと思っています。
■「TOKYO CITY POP CANDY」プロフィール
ネットミュージックとダンスシーンのトレンドとして、グローバルなフォロワーを形成する音楽ジャンル「シティポップ」。70〜80年代に生まれ、すでに成熟期にあると言える同シーンにおいて、日本ルーツの音楽/アートクリエイターたちによる新たなアップデートを発信するプロジェクトが、『TOKYO CITY POP CANDY』となる。
メインプロデューサーには、TeddyLoidとCarlos K.を招聘。
海外のダンスミュージックシーンやポップのトレンドとJ-POPや日本カルチャーを理解し、高品質なサウンドで多くのヒット作品を生み出すヒットプロデューサーのもと、気鋭のクリエイターたちが集結する。
ボーカルには『17LIVEオーディション』で発掘されたネット配信世代の歌姫・夕七をフィーチュア。 シティポップの“本家”である日本から、”新解釈”を世界へ向けて発信していく。
2023/03/02




