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水木一郎さんは特撮でも欠かせない存在だった 【篠宮暁の特撮ヤベーイ!】第15回

  お笑いコンビ・オジンオズボーンの篠宮暁による大好きな特撮に特化したコラム『オジンオズボーン篠宮暁の特撮ヤベーイ!』。第15回は、「アニメソングの帝王」として親しまれ、特撮界にとっても大きな存在だった水木一郎さん(享年74)について思いを語る。

水木一郎さん (C)ORICON NewS inc.

水木一郎さん (C)ORICON NewS inc.

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 12月の頭、悲しいニュースが飛び込んできた。アニソンの帝王、水木一郎さんの訃報だった。もうあの力強い歌声が、もう新しいアニキの曲が聞けないと思うと本当に悲しい。世間一般的に水木一郎さんといえば?との問いに出てくるのはもはや代名詞にもなってる『マジンガーZ』。他にも名アニメソングを多数残されてきた水木さんはアニソンのイメージが強いが、残してきたのは何もアニソンだけではない。特撮の歌も主題歌、エンディングに挿入歌と、アニソンに引けを取らないくらい歌われてきた。

 昭和ライダーでは『仮面ライダーX』、『ストロンガー』、『スカイライダー』でオープニングとエンディングを担当、挿入歌も入れると『V3』や『スーパー1』でも参加されており、まさに昭和ライダーにとってなくてはならない存在だったといえる。他にも東映特撮では『バロム1』、『人造人間キカイダー』、『変身忍者嵐』、『ロボット刑事』、『アクマイザー3』、『ザ・カゲスター』、『忍者キャプター』、『快傑ズバット』、『大鉄人17』など、今もなお名作として語り継がれる昭和に活躍したヒーロー作品の主題歌や挿入歌も担当されている。

 自分が世代的にもドンピシャだからというのもあるかもしれないが、最も好きな水木一郎さんの歌は『時空戦士スピルバン』である。『時空戦士スピルバン』とは1986年の作品で『宇宙刑事ギャバン』から始まるメタルヒーローシリーズの第5作目。敵のワーラー帝国によって故郷の星を滅ぼされるところから始まる。生き残った人たちは命からがら巨大宇宙船で行く宛てもなく宇宙へ避難。しかし程なく水と食料が尽きかけ、まだ幼い主人公スピルバンと年の近いダイアナ二人だけでも生き残らせるため地球に向けて小型宇宙船で逃し、大人たちを残した巨大宇宙船は自爆。スピルバンの父と姉はワーラー帝国に連れ去られてしまい生き別れの状態。連れ去られた後、怪物に改造されてしまい後にスピルバンに牙を向けることになる。

 とこの通り、子供番組にしては相当ヘビーな内容だったのだが、水木一郎さんの力がわく歌のおかげで小さい自分はスピルバンを応援できた。そしてなんと、このスピルバンでは水木一郎さんご本人が役者として出演されている。スピルバンの生き別れた父のベン博士を水木一郎さんな熱演。若かりし水木一郎さんの男前加減に驚くと同時に演技が達者な点にも驚く。最終回でスピルバンと再会するシーンを見ればきっと胸打たれることだろう。

 スピルバンの次作『超人機メタルダー』のエンディングも名曲。スーパー戦隊では2007年『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のエンディングにて「道(タオ)」も歌われている。仮面ライダー、メタルヒーローシリーズ、スーパー戦隊とシリーズを股にかけて活躍され、アニメ作品のみならず東映特撮作品にとっても欠かせない歌手だった水木一郎さん。歌に込められた魂と熱は確実に自分たちに伝わっており、決して色あせることはない。そしてこれから水木一郎さんの曲を聞く人にもきっとその魂は伝わっていくことだろう。

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