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BAND-MAID、2年半ぶりの有観客ツアーで絶唱「声が出せなくても体で出せるだろ」

 5人組ロックバンド・BAND-MAIDが9日、東京・Shibuya eggmanで2年半ぶりの有観客ライブ『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』(4都市5公演)のファイナルを迎えた。“お給仕”(ライブの呼称)の中から、7日に行われた東京・Zepp DiverCity公演をレポートする。

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by ニイミココロ

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 開幕を告げた楽曲は「Sense」。壮大なSEに導かれてBAND-MAIDのメンバーが登場し、あいさつ代わりに強烈なバンドサウンドをフロアに浴びせかけると、場内はすぐさまヒートアップ。5人はその熱を真正面から受け止めつつ、「After Life」「Play」といったアグレッシブな楽曲でたたみかけた。

 小鳩ミク(Gt/Vo)は「お帰りなさいませ、ご主人様・お嬢様」とあいさつし、「なんと2017年の12月9日以来、約5年ぶりとなりますっぽ!」と、久しぶりとなった同会場でのライブに感慨深げ。そこからバンドサウンドは重心を低く落とし、「Manners」「Daydreaming」「about Us」をしっかりと聴かせていった。

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

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 その後のMCでは、“おまじない” と名付けられた「萌え萌え」「キュンキュン」という恒例のコール&レスポンスも行われ、観客はボディーランゲージで呼応。スリリングな演奏から一転、小鳩ミクの軽妙なトークで会場も和やかな雰囲気に包まれる。

まったりとしたMCを挟んだ後は、ハードなインストナンバー「from now on」や初披露の新曲「influencer」なども投下し、緩急をつけたセットリストとパフォーマンスで観客を魅了していく。

 ライブ終盤でSAIKI(Vo)は、初披露した「influencer」が9月21日にリリースされるEP『Unleash!!!!!』の収録楽曲であることを明かし、「今のBAND-MAIDだからお届けできる」と作品への想いを語った。その後曲へ移るのかと思いきや、KANAMI(Gt)が「(ファンから)パワーばっかりいただいて返せていない」とおもむろに気合を入れ直す場面も。「ラストスパート行けるのか!」「声が出せなくても(気持ちは)体で出せるだろ!」とワイルドに豹変した。

 そんなKANAMIの”覚醒”に触発されたかのように、バンドとオーディエンスもさらに過熱。興奮が高まり続ける中、「DOMINATION」でライブは終幕した。轟音が鳴り続ける中、最後にSAIKIは「来年はちゃんと日本でもツアーをやりたいと思ってます!」と高らかに決意を叫び、ライブを締めくくった。

■色とりどりの楽器で描き出した荘厳な音世界

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

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 ライブの模様に続いて、5人が7日公演で使用したメイン機材についてもレポートする。アンコールなし、怒涛の全21曲を、5人は終始同じ楽器で弾き切った。

 小鳩は自身のZEMAITIS製シグネチュアモデル(Miku Kobato Signature Model CS24MF -Flappy Pigeon)をチョイス。ディマジオ製PAFモデルのピックアップへと換装したこの1本で、ふくよかなコードバッキングやエッジーなカッティングフレーズなども披露した。さらに、SENNHEISER製マイク:e935を使ってSAIKIとの見事なコーラスワークを見せつつ、「サヨナキドリ」ではメインボーカルを取った。

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

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 これまで楽曲ごとに3本のPRS Guitars製Custom 24を使い分けてきたKANAMIは、同社の創立35周年を記念して製作されたコアシリーズのアニバーサリーモデルを選択。「After Life」でのバイト感のある歪みや、「Daydreaming」「about Us」などでのクリーントーンなど、さまざまな音色をこのギターのみで作り出し、タッピングなども盛り込んだテクニカルなリフやソロを次々に決めた。

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

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 MISAはエイジドホワイトカラーのBLACK SMOKER製BETA-J5 MISA CUSTOM #3をセレクト。アッシュ・ボディー&メイプル・ネック&エボニー指板を採用した本器のレンジの広さを活かしながら、グリスを多用した縦横無尽なフレーズや巧みなスラッププレイ、「from now on」での和音アプローチなども披露した。そこに自身のピッキングニュアンスやフィンガリングも加え、硬質なトーンから温かみのある音色まで多彩に鳴らした。

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

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 AKANEはTAMA製STAR BubingaシリーズのキットとZildjianシンバル群、ラディック製スネア:ブラックビューティーの組み合わせを起用し、高速2ビートや軽快な4つ打ちといったさまざまなリズムでバンドのボトムを支えた。さらに随所に熱量のあるフィルワークも挟み込み、「FREEDOM」の終盤ではdw製ツインペダル:DW9002を活用して激烈なパターン系ソロでもオーディエンスを魅了した。

『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCity公演より Photo by MASANORI FUJIKAWA

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 こうした屈強なバンドサウンドの中で、SAIKIはDPA Microphonesのワイヤードマイク:d:facto IIを手にし、芯の強さとふくよかな響きを両立させた歌声で披露した。さらに、曲の拍子や符割に応じて緻密でかつ正確なブレスが行われ、そこから曲の見せ場となるハイトーンやロングトーンが生み出されていく。そんな高度なボーカルワークを見せつけながら、時にパワフルなパフォーマンスで、時に流麗な動きで観客をアジテートしていた。

■『BAND-MAID PRE US OKYUJI in JAPAN』Zepp DiverCityセットリスト

01. Sense
02. After Life
03. Play
04. FREEDOM
05. DICE
06. Manners
07. Daydreaming
08. about Us
09. カタルシス
10. Corallium
11. サヨナキドリ
12. from now on
13. influencer
14. 火花
15. 本懐
16. Choose me
17. Unleash!!!!!
18. Different
19. Warning!
〜session〜
20. NO GOD
21. DOMINATION

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