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木村拓哉『Next Destination』ツアー映像 「次の目的地」へ向けての決意表明

 今年1月にリリースした2ndアルバム『Next Destination』を携えて、木村拓哉が2〜3月に行った自身2度目のライブツアー『TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination』のBlu-ray DISC&DVDが発売される。アルバム『Next Destination』のジャケットは、翼を広げた鷲と木村の2ショットが目を引いた。この鷲は今回のライブの随所にシンボルとして"登場"しており、木村の腕に鷲が止まるシーンを捉えた映像で幕を開ける。CGや合成ではないことは、初回限定盤に封入のメイキングムービーに収められた撮影の模様でわかる。まさに、プロフェッショナルの凄みが感じられるオープニングだ。

木村拓哉ライブツアー『TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination』メイキングムービーを収録した初回限定盤

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■今できることを全力でやる それが自分のすべて

 ライブではアルバム収録の全12曲が披露されている。当然、木村にとって初パフォーマンスの曲がほとんどだが、歌唱はもちろんダンスの決めやアドリブ的な細かな振り、ツアーメンバーとの息の合った絡みに至るまで、すべてを自分のものにしており、まるでこれまで何度もパフォーマンスしたかのような魅せるクオリティにまで達している。何より心から楽しそうな木村の笑顔が印象的だ。

 2ndアルバムはアメリカンロック好きの木村のテイストが存分に発揮された作品。アメリカンロックの特徴といえば、華やかさやスケールの大きさ、色気、いたずらっぽい遊び心、そして人々を連帯させるアンセム感といったもので、まさに木村自身を象徴する音楽といえるだろう。
 ザクザクとしたギターで始まるライブ1曲目「Born ready」もまさにそんなアメリカンロックの醍醐味を詰め込んだ曲で、木村と親交の深い明石家さんまBEGINが作詞、作曲をBEGINが担当している。
 ライブ後半戦、たたみ込むように披露された「MOJO DRIVE」「MORNING DEW」は山下達郎真島昌利ザ・クロマニヨンズ)、「OFF THE RIP」はKjDragon Ash)、「Yes, I’m」はR-指定DJ松永など、楽曲提供陣の意外性と豪華さを併せ持つ特徴的な作品だ。

 平常時なら会場を揺るがす声援とともにノリたい曲ばかり。しかしそれが今はままならないことを木村も客席も理解している。拍手の大きさに「手が腫れないように」と冗談っぽく返した木村だが、ステージに声援が届かないことについてメイキングムービーでは「タフさが必要だと思う」と胸の内を明かしている。

 7曲目「Come Alive」は本来ならばコール&レスポンスで客席と一体となりたい楽曲だが、歌の途中で「ストップ!」。その場で歌詞の一部を「Everybody crap your hands」に変えることを宣言し、客席に手拍子の練習を促す。「行くぞー!」という掛け声からのアウトロでは会場がまさに1つになり、木村も満面の笑みとサムズアップで応える

 MCでは苦しみや悲しみに溢れたこの時期にライブを行うことへの葛藤を明かしつつ、それでも「今できることをその瞬間に全力でやる、それが自分のすべて」だと力強く語っている。木村にとってライブステージはその言葉を具現化する場所でもある。

■アンコールで会場に舞い散ったのは銀テープではなく、銀の羽根

 本ツアーの見どころの1つが、客席にせり出したセンターステージのパートだった。ちょうど焚き火を囲むような形でバンドメンバーと輪になり、客席とも近いことから親密でハートウォーミングな空気が流れる。
 ここで披露されたのは、糸井重里作詞のソウルフルなナンバー「夜は朝に追われて」「サンセットベンチ」(1stアルバム『Go with the Flow』収録)。そして木村がアコースティックギターを手に口笛から始まった「夜空ノムコウ」(98年シングル)は、ライブに行った人なら忘れられない時間となったはずだ。

 さらにツアー最終日にはセンターステージで、反戦メッセージが込められた「Triangle」(05年シングル)と、すべての生活者に向けた応援ソング「がんばりましょう」(94年シングル)がWアンコールで披露された。なお、この2曲は初回限定盤のボーナストラックとして収録されている。

 アンコールで銀テープを飛ばすのはライブでよくみられる光景だが、本ツアーで会場に舞い散ったのは銀の羽根だった。アルバムやツアーのシンボルとなった鷲がここでも登場した形だ。羽根には「Let's go Next Destination with me!」と書かれている。メイキングムービーで木村が語っているように、世界中を悲劇が襲ったこれからは「元通り」に戻るのは難しいかもしれない。だったらNext Destination=「次の目的地」に踏み出そう。そのためにみんなで羽根を1本1本集めて翼を広げよう。
「一緒に飛ぼうぜ、1、2、3!」──。

 アンコールで語った言葉、これこそ木村がアルバムとツアーに込めたメッセージであり、またこの場所に止まることなく「次の目的地」に向かうという決意表明でもある。

 リハーサルやトレーニングを重ねる日々が収められたメイキングムービーでは、木村が思わず「苦しい」と本音をもらすシーンも収められている。しかし暗いニュースばかりの今、一夜のエンターテインメントで人々の心を癒し、鼓舞し、苦しみから解き放つのが役割であることもそのキャリアから木村は知っている。
 ツアーメンバーとの和やかなやりとりや、差し入れ(プリン×2、フルーツ大福、クリームパンと意外にもスイーツ多し)を頬張るやんちゃな素顔とともに、極限までの完成度を追求しようとするプロフェッショナルとしての凄みも感じとれるはずだ。

文・児玉澄子

通常盤には各会場のジャンクション映像を収録=木村拓哉ライブツアー『TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination』

通常盤には各会場のジャンクション映像を収録=木村拓哉ライブツアー『TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination』

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■『TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination』作品情報
発売日:2022年8月3日(水)
<初回限定盤>
価格:Blu-ray DISC(1DISC)7480円(税込)
   DVD(2DISC)6600円(税込)
収録内容
1:ライブ本編
2:ボーナストラック
 「Triangle」「がんばりましょう」(Wアンコール)
3:Live Tour Making Movie
4:豪華ブックレット(撮影ドキュメント写真+リハーサル、ライブ写真)
5:シルバーフェザーシート

<通常盤>
価格:Blu-ray DISC(1DISC)6380円(税込)
   DVD(2DISC)5500円(税込)
1:ライブ本編
2:ボーナストラック
 「Beautiful Things(GYAO! MUSIC Video)」
 「OFF THE RIP(GYAO! MUSIC Video)」
3:各会場ジャンクション映像(神戸、広島、名古屋)
4:シルバーフェザーシート(初回プレス分のみ)

<LIVE本編収録曲>
01.Born ready
02.Crazy party
03.青いイナズマ
04.beautiful morning
05.Beautiful Things
06.Good Luck,Good Time
07.Come Alive
08.UNIQUE
09.HA
10.夜は朝に追われて
11.夜空ノムコウ
12.サンセットベンチ
13.MOJO DRIVE
14.MORNING DEW
15.Easy Go Lucky!
16.Yes,I’m
17.OFF THE RIP
18.I’ll be there
−アンコール−
One and Only
One Chance!

関連写真

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