漫画『鬼滅の刃』(作・吾峠呼世晴)で屈指の人気を誇り、2020年に公開された劇場版アニメも大きな話題を呼んだエピソード「無限列車編」が舞台化される。「舞台『鬼滅の刃』其ノ参 無限夢列車」は、2020年・2021年舞台化に続く第3弾で、小林亮太が主人公・竈門炭治郎役、矢崎 広が煉獄杏寿郎(煉=つくりは東が正式表記)役で続投する。小林と矢崎の2人に、役に懸ける思いや舞台版の醍醐味、人気キャラを演じる心境や公演に向けての意気込みを聞いた。
■『無限列車編』の舞台化は期待感と同時に“重み”も
――今回の公演について、小林さんは「舞台『鬼滅の刃』が始まった時から、辿り着く事を夢みていた物語です」、矢崎さんは「多くの方に愛される物語をこの熱いカンパニーと共に挑める事が今から楽しみでなりません」とコメントを出されていましたが、改めて『無限列車編』舞台化への想いを聞かせてください。
【小林亮太】 原作を初めて読んだときから印象深い物語でした。1、2作目とやらせてもらってきてなお、「どうやって舞台でやるのだろう」という楽しみもありますし、多くの方に支持されている物語で、このエピソードが好きな方も多いと思うので、やらせていただく“重み”のようなものも感じています。
【矢崎広】 稽古が近づいてくるにつれて緊張感と、作品が皆さまにどう見てもらえるのかという期待感とがどんどん大きくなってきています。プレッシャーに負けそうな瞬間があったとしても、隣にいる亮太も含め素敵なチームで舞台『鬼滅の刃』を作っているので、大丈夫だと自信を持って取り組みたいです。
――2作目から引き続きの共演となりますが、お互いから強い信頼感がうかがえます。やはり前作での共演経験が大きかったのでしょうか。
【小林亮太】 僕としてはご一緒したいと思っていましたし、煉獄さんを演じている矢崎さんの背中を見たり、舞台上にいる以外の時間も話したり、相談に乗っていただきたくてお電話した時には、気づいたら2時間経っていたりとかもありました(笑)。今の段階でも信頼させてもらっていますが、逆にお芝居でどうなるのだろうという楽しみはありますね。
――特に仲を深めるようなきっかけが何かあったのでしょうか。
【矢崎広】 舞台『鬼滅の刃』を見てくれた方や作品ファンの方はわかると思いますが、『鬼滅の刃』の世界観を共に生きたことは、絆を深めるには十分すぎる壮絶な物語。稽古場はもちろん、物語(本番)をたくさん生きた中で深めた部分が大きいです。
――作品やキャラクターで異なる部分はあるでしょうが、マンガやアニメのキャラクターの内面を表現する際、特に心がけているポイントは何かありますか。
【小林亮太】 1作目の時、演出の末満さんから「みんなが亮太を見て共感するから。みんなお前のことを見るから」と言われた言葉が今でも残っています。一緒に作品を作っていくキャスト、スタッフと話したり芝居をさせてもらったりを経て、なるべくしてなったものがこの舞台に関しては多い。「大変だな」と思うことも「頑張ればできる」と思えるようになる経験など、ポジティブなものを得られたと思います。
【矢崎広】 マンガやアニメならではの表現や展開はありますが、人として共感できるようなキャラクターばかりなので、素直に「煉獄杏寿郎はどういう人なのだろう」と考えながら役に向き合っていますね。
――原作のある舞台版“ならでは”の総合的な役作りと言えるのかもしれませんね。
【小林亮太】 多くの人が作品を知っているからこそ、いろんな解釈や意見があり、僕らはその印象を知ることもでき、そういう角度から役を見られるのが面白い。そうしたことを踏まえると、実は役作りを1人でしている感覚があまりないというか。皆さんに助けてもらっている部分もあるなと思っています。
■お互いの「炭治郎っぽい」「煉獄さんっぽい」部分とは?
――お互いから見て、「炭治郎っぽい」「煉獄さんっぽい」と感じるところはありますか。
【矢崎広】 彼の真面目さとストイックさは見ていて尊敬します。自分より先に周りの心配をするところも座長として素晴らしい。炭治郎を地で行く人だなと思うし、彼のファンといっても過言ではないぐらい信頼しています。煉獄と炭治郎の関係じゃないですけど、近いような感覚はあるかもしれません。
【小林亮太】 煉獄さんを演じている矢崎さんの背中には、矢崎さんが生きてきた中で培ってきたものがにじみ出ていると思っています。前作で見ていて、その背中についていきたいと感じ大きく見えたところですかね。
――お互いから見ても役のイメージにぴったりということなのですね。では、それぞれが演じるキャラクターから感銘を受けた点があれば教えてください。
【小林亮太】 生身の人間なので頑張ってもどうにもできないこともありますが、炭治郎は頑張る限界を持たない印象で、その姿から限界を決めちゃいけないことを学びました。口にはできても、特にこういう物語で役を生きるというのはすごく難しいこと。まだまだ道のりの途中なので今回も深めたいです。
【矢崎広】 煉獄は名ゼリフが多く、全てのセリフから感銘を受けていて選べません。(猗窩座との闘いの)煉獄のセリフは、「お前は煉獄杏寿郎なんだ」「責務を果たすんだ」「前を見て最後まであきらめるな」という心意気が詰まっていると感じました。その言葉を心の中で唱え、つらいときも負けないぞと鼓舞していきたいです。
■「期待されるからこそ応えたいし、乗り越えなきゃいけない」
――それぞれが炭治郎と煉獄に思い入れが強いと思いますが、2人以外で気になるキャラクターはいますか。
【矢崎広】 このあとの公演の内容に響かないかな(笑)。映画館で『無限列車編』を見たとき伊之助にとても引かれました。普段のキャラクターと、猪突猛進な姿、人に対しても猪突猛進でぶつかっていくハートといったギャップにやられてしまいました。
【小林亮太】 僕は一人っ子なので、“兄から妹への愛”を表現するのが、なかなか難しい部分もありました。1作目からいろいろと試行錯誤してきましたが、その関係値がすごく大事なので兄妹の絆を改めて今回の舞台で探りたいですし、そういった意味も含めて禰豆子かな。
――最後に、公演に向けて意気込みをお願いします。
【矢崎広】 煉獄杏寿郎を演じることは、自分の役者経験を詰め込んでも足りないほどの大きな役かもしれません。負けないぐらいの精神と、いろんな人の力を借りながら、それは観に来てくださる方もそうですし、多くの人のパワーをもらって煉獄杏寿郎という大きな男を演じたい。ついに僕たちは無限列車に乗り込みます。自分たちも楽しみな物語であり、皆さまも楽しみにしていると思います。その期待に負けないよう出演者・スタッフ一同、心を燃やして挑んでまいります。
【小林亮太】 みんなが自分だけで抱えることなく共有して、何でも言い合える座組にしていきたい。個人的な目標としては、水の呼吸やヒノカミ神楽の表現は難しいですが、期待されるからこそ応えたいし、僕らも乗り越えなきゃいけないと思っています。キャスト、スタッフみんなでこの物語を愛して精一杯作っていきますので、その物語を劇場で目の当たりにして共有してほしいです。
撮影:平野敬久/取材・文:遠藤政樹
ヘアメイク:齊藤沙織/スタイリスト:中村美保
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■『無限列車編』の舞台化は期待感と同時に“重み”も
――今回の公演について、小林さんは「舞台『鬼滅の刃』が始まった時から、辿り着く事を夢みていた物語です」、矢崎さんは「多くの方に愛される物語をこの熱いカンパニーと共に挑める事が今から楽しみでなりません」とコメントを出されていましたが、改めて『無限列車編』舞台化への想いを聞かせてください。
【小林亮太】 原作を初めて読んだときから印象深い物語でした。1、2作目とやらせてもらってきてなお、「どうやって舞台でやるのだろう」という楽しみもありますし、多くの方に支持されている物語で、このエピソードが好きな方も多いと思うので、やらせていただく“重み”のようなものも感じています。
【矢崎広】 稽古が近づいてくるにつれて緊張感と、作品が皆さまにどう見てもらえるのかという期待感とがどんどん大きくなってきています。プレッシャーに負けそうな瞬間があったとしても、隣にいる亮太も含め素敵なチームで舞台『鬼滅の刃』を作っているので、大丈夫だと自信を持って取り組みたいです。
――2作目から引き続きの共演となりますが、お互いから強い信頼感がうかがえます。やはり前作での共演経験が大きかったのでしょうか。
【小林亮太】 僕としてはご一緒したいと思っていましたし、煉獄さんを演じている矢崎さんの背中を見たり、舞台上にいる以外の時間も話したり、相談に乗っていただきたくてお電話した時には、気づいたら2時間経っていたりとかもありました(笑)。今の段階でも信頼させてもらっていますが、逆にお芝居でどうなるのだろうという楽しみはありますね。
――特に仲を深めるようなきっかけが何かあったのでしょうか。
【矢崎広】 舞台『鬼滅の刃』を見てくれた方や作品ファンの方はわかると思いますが、『鬼滅の刃』の世界観を共に生きたことは、絆を深めるには十分すぎる壮絶な物語。稽古場はもちろん、物語(本番)をたくさん生きた中で深めた部分が大きいです。
――作品やキャラクターで異なる部分はあるでしょうが、マンガやアニメのキャラクターの内面を表現する際、特に心がけているポイントは何かありますか。
【小林亮太】 1作目の時、演出の末満さんから「みんなが亮太を見て共感するから。みんなお前のことを見るから」と言われた言葉が今でも残っています。一緒に作品を作っていくキャスト、スタッフと話したり芝居をさせてもらったりを経て、なるべくしてなったものがこの舞台に関しては多い。「大変だな」と思うことも「頑張ればできる」と思えるようになる経験など、ポジティブなものを得られたと思います。
【矢崎広】 マンガやアニメならではの表現や展開はありますが、人として共感できるようなキャラクターばかりなので、素直に「煉獄杏寿郎はどういう人なのだろう」と考えながら役に向き合っていますね。
――原作のある舞台版“ならでは”の総合的な役作りと言えるのかもしれませんね。
【小林亮太】 多くの人が作品を知っているからこそ、いろんな解釈や意見があり、僕らはその印象を知ることもでき、そういう角度から役を見られるのが面白い。そうしたことを踏まえると、実は役作りを1人でしている感覚があまりないというか。皆さんに助けてもらっている部分もあるなと思っています。
■お互いの「炭治郎っぽい」「煉獄さんっぽい」部分とは?
――お互いから見て、「炭治郎っぽい」「煉獄さんっぽい」と感じるところはありますか。
【矢崎広】 彼の真面目さとストイックさは見ていて尊敬します。自分より先に周りの心配をするところも座長として素晴らしい。炭治郎を地で行く人だなと思うし、彼のファンといっても過言ではないぐらい信頼しています。煉獄と炭治郎の関係じゃないですけど、近いような感覚はあるかもしれません。
【小林亮太】 煉獄さんを演じている矢崎さんの背中には、矢崎さんが生きてきた中で培ってきたものがにじみ出ていると思っています。前作で見ていて、その背中についていきたいと感じ大きく見えたところですかね。
――お互いから見ても役のイメージにぴったりということなのですね。では、それぞれが演じるキャラクターから感銘を受けた点があれば教えてください。
【小林亮太】 生身の人間なので頑張ってもどうにもできないこともありますが、炭治郎は頑張る限界を持たない印象で、その姿から限界を決めちゃいけないことを学びました。口にはできても、特にこういう物語で役を生きるというのはすごく難しいこと。まだまだ道のりの途中なので今回も深めたいです。
【矢崎広】 煉獄は名ゼリフが多く、全てのセリフから感銘を受けていて選べません。(猗窩座との闘いの)煉獄のセリフは、「お前は煉獄杏寿郎なんだ」「責務を果たすんだ」「前を見て最後まであきらめるな」という心意気が詰まっていると感じました。その言葉を心の中で唱え、つらいときも負けないぞと鼓舞していきたいです。
■「期待されるからこそ応えたいし、乗り越えなきゃいけない」
――それぞれが炭治郎と煉獄に思い入れが強いと思いますが、2人以外で気になるキャラクターはいますか。
【矢崎広】 このあとの公演の内容に響かないかな(笑)。映画館で『無限列車編』を見たとき伊之助にとても引かれました。普段のキャラクターと、猪突猛進な姿、人に対しても猪突猛進でぶつかっていくハートといったギャップにやられてしまいました。
【小林亮太】 僕は一人っ子なので、“兄から妹への愛”を表現するのが、なかなか難しい部分もありました。1作目からいろいろと試行錯誤してきましたが、その関係値がすごく大事なので兄妹の絆を改めて今回の舞台で探りたいですし、そういった意味も含めて禰豆子かな。
――最後に、公演に向けて意気込みをお願いします。
【矢崎広】 煉獄杏寿郎を演じることは、自分の役者経験を詰め込んでも足りないほどの大きな役かもしれません。負けないぐらいの精神と、いろんな人の力を借りながら、それは観に来てくださる方もそうですし、多くの人のパワーをもらって煉獄杏寿郎という大きな男を演じたい。ついに僕たちは無限列車に乗り込みます。自分たちも楽しみな物語であり、皆さまも楽しみにしていると思います。その期待に負けないよう出演者・スタッフ一同、心を燃やして挑んでまいります。
【小林亮太】 みんなが自分だけで抱えることなく共有して、何でも言い合える座組にしていきたい。個人的な目標としては、水の呼吸やヒノカミ神楽の表現は難しいですが、期待されるからこそ応えたいし、僕らも乗り越えなきゃいけないと思っています。キャスト、スタッフみんなでこの物語を愛して精一杯作っていきますので、その物語を劇場で目の当たりにして共有してほしいです。
撮影:平野敬久/取材・文:遠藤政樹
ヘアメイク:齊藤沙織/スタイリスト:中村美保
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2022/07/16