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『ジャンプ』売上減も覚悟で新連載表紙の理由 完結の人気作を特集せず…次のヒット生み出す作家に期待

 漫画アプリ『少年ジャンプ+』の今後を語るトークイベント「ジャンプのミライ2022」が29日開催され、少年ジャンプ+編集長・細野修平、少年ジャンプ+副編集長の籾山悠太ら出席し、ジャンプのWEBサービスの「これまで」と「これから」などを語った。

ジャンプ+オンラインイベント『ジャンプのミライ』より (C)ORICON NewS inc.

ジャンプ+オンラインイベント『ジャンプのミライ』より (C)ORICON NewS inc.

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 2014年9月よりサービスがスタートした『少年ジャンプ+』は、「ジャンプを超える」というコンセプトでスタート。ジャンプを超えるという意味は、『ONE PIECE』などを超える新しいヒット作品を作ることで、さらに、『週刊少年ジャンプ』のアンケート・システムに代わるヒットに繋がる「仕組み」を作ることを目標にしていた。

 『ジャンプ』には数多くのヒット作品があるが、ヒット作創出の仕組みについて籾山副編集長は主に「1・作家の発掘、2・作家の成長、3・作品のチューニング、4・作品の人気拡大」とあげた。

 作家の発掘については、「いろんな編集部でもかつてはそうだったと思いますが、漫画雑誌には、「漫画賞」そして、「持ち込み」という仕組みを持っているところがほとんどです。ここにジャンプは非常に大きなリソースをかけています」とし、「漫画賞というのは作品を募集するコンテスト企画。新人作家にとっての登竜門のような役割を果たしています。関東に住んでいる人は持ちこみが多いですね。いまも集英社の1階には、たくさんの新人の持ち込みを受ける机、ブースがあり、常にたくさんの新人作家とジャンプ編集者でにぎわっています」と説明した。

 ジャンプでは1968年の創刊当初から漫画賞を実施しており、「読者はどんどん変化し、進歩していきます。作者も、編集部も、読者より先に進んで、新鮮な話題を提供しなければなりません」と話しながら、「持ち込みや漫画賞に作家が集まり、ジャンプを目指してくれるためには、作家がジャンプで描きたいと思える場所作りも併せて重要となります」。

 「たとえば、ジャンプでは等しく新連載は表紙とします、たとえ雑誌の売り上げがさがったとしても表紙にします。どれだけ人気があっても、完結済の作品を大きく特集したり押し出すことはありません。ジャンプ+も同じ精神で編集していますので、ほかの漫画アプリでは過去の名作に大きな宣伝費をかけて読者を集めてマネタイズしますが、ジャンプ+は、基本的にはほとんどしません。それもそんな理由が大きいです」と話した。

 ジャンプでは人気作品の連載が最終回を迎える際、表紙にしないことが多い。2020年5月に『鬼滅の刃』の最終話が掲載された『週刊少年ジャンプ』は、新連載『タイムパラドクスゴーストライター』が表紙を飾っていた。今回のトークイベントでは、新たな人気作品を生み出すための覚悟を、表紙に込めていることを伝えた。

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  1. 1. ジャンプ+、来年以降の新連載はすべて英訳 世界同時連載で世界規模のヒット生み出す狙い
  2. 2. ジャンプ+編集長、本誌は「まだ、超えていない」 課題は変わらず『ONE PIECE』『鬼滅の刃』を超えるヒット作り
  3. 3. 『ジャンプ』売上減も覚悟で新連載表紙の理由 完結の人気作を特集せず…次のヒット生み出す作家に期待

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