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続々シーンに登場するUKニューカマー!ブレイク寸前!?

 
 フランツ・フェルディナンドの武道館公演成功やアークティック・モンキーズの本誌トップ10ヒットなど、今年はUKロックが本格的に活況を取り戻す年になりそうだ。遡れば2〜3年前あたりから、各社から揃ってUKロックアーティストのデビューが相次いでいたが、すぐにヒットに結びつかなかった。その芽はようやく花開きそうだ。

有望アーティストが続々と登場するもヒット感に比例しないセールス状況

 次々に新しいバンドが、絶えることなくフレッシュな才能が出つづけている。ここ3〜4年のUKロック・シーンは本当にそういった状態なのだ。日本の音楽ファンでも、その熱気を多分に感じている人は、おそらく相当数いるのではないかと思う。

 世間一般に知られるレベルまでのブレイクを果たしたフランツ・フェルディナンド。インディーからの急先鋒で「オアシス以来の新人」と言われる恐るべき若者たち=アークティック・モンキーズ。こちらも平均年齢が20歳と若いザ・クークスは本国でデビューアルバムがヒット中だ。去年インパクトのある動きをしたブロック・パーティーやカイザー・チーフス、サブウェイズやハード・ファイは今後のアクションにも大いに期待したいし、エディターズやエル・プレジデンテは、この日本でも大きなブレイクを狙っている。こうした若手たちの活躍の一方で、近年はオアシスやコールドプレイといった中堅どころ、ニュー・オーダー、モリッシー、ポール・ウェラーといったベテラン勢も充実作を重ねているし、レディオヘッドも新作が待たれるところだ。
 もはやUKロックは百花繚乱の好況期を迎えている。この事態は作品のリリース点数のみならず、来日公演を行うUKバンドの数が減らないことからも理解していただけるだろう。

完璧なるロックンロールを聴かせるプライマル・スクリーム


NME誌の2005年ベストシングルにも選ばれたザ・フューチャーヘッズ


2005年に大ブレイクしたルースター

今もっともホットなシェフィールド出身バンド、リトル・マン・テイト


平均年齢20歳、ツアーは完売するザ・クークス

ノイジーなギターが持ち味スノウ・パトロール


 しかしこうした盛り上がりに対し、日本国内、ひいては世界全体の音楽マーケット比率から見てみると、UKロックがさほど大きなセールスを残しているわけではないのも現状だ。ヒットチャートを占拠しているのはどの国でもほとんどがヒップホップやR&B、もしくはその影響下にあるアイドル・ポップスで、いわゆるロックと称されるものの訴求力は徐々に減退しつつある。ことUKロックに限れば、この傾向はさらに強まる。そしてこうした状況はここ何年もの間、ずっと変わっていない。

 シーンは活発なのに、なかなか数字として上がっていかない現実は不幸だと思うフシもある。ただ、UKの若手バンドの音楽に日々接している中で、彼らが世界レベルでの成功をどのぐらい視野に入れているのかを思うと、さほど積極的ではないだろうなという印象を受けるものが多いのも事実だ。本国とヨーロッパ、あとは日本の、ほんとにUKロックが好きなファンにウケること、それが彼らの第一義になっている……というのは言いすぎだろうか。そして、それを送り出す側、つまりレコード会社のスタッフからショップまで含めて、彼らを売りに出そうという人間も、そうした前提の前で足踏みさせられてはいないだろうか。

 もっとも、僕自身があるバンドのファンだとしたら、まずは彼らの音の魅力をちゃんと理解してくれる支持層が付くことを願うし、それはバンド側もスタッフ側も同じ気持ちだと思う。ただ、そうした風潮が全体に行きすぎると馴れ合いのような雰囲気が起こり、そこに甘んじるばかりだと結果的にシーン全体の首を絞めてしまう危険性があるのも忘れてはいけない。そういう意味でもUKロック・シーンにはもっとポジティブな異化作用が起こっていいと思う。シーンの中だけで元気なのではなく、狭い枠組みを打ち破る動きがあるべきなのだ。
 レコード会社各社が連帯し、UKロックを盛り上げていくためのキャンペーンが企画されるなど、次の展開が生み出されていけばと思う。(文/青木優)



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