『M-1グランプリ』『R-1グランプリ』『キングオブコント』等の賞レースに対し、視聴者がSNSなどで活発に議論・論評することがよくある風景となった昨今。もっと新たな笑いを求める声に応え、テレビ界でもお笑い芸人のネタ披露を主軸とした特番が組まれることが増えてきた。そんななかオーディション＆エンタメ情報サイト「デビュー」が、バラエティー界に新風を吹き込むことが期待される次世代芸人をリサーチした『2022年度ネクストブレイクランキング』お笑い芸人編を発表。第1位にはネタ・キャラクターの面白さ共にネクストブレイクの資質を備えたザ・マミィが選ばれた。

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■酒井のクズキャラと林田の巧みなコントが武器

　ネクストブレイク芸人1位に輝いたのはザ・マミィ。多くのコント師を生んだプロダクション人力舎の所属で、2021年『キングオブコント2021』にて決勝に初出場。男性ブランコと同点で並び同率準優勝を果たした。『キングオブコント』が名付けたキャッチフレーズは「激情型コント職人」。ネタよってボケとツッコミの役割も入れ替わり、予想外の展開を迎える構成も巧み。さらに酒井貴士が演じる独特なキャラクターも大きな笑いを生み出している。

　たばこ、酒、ギャンブル、女好き、そして多額の借金と“クズキャラ”が定着している酒井と、イケメン高学歴でネタの多くを書いている林田洋平の理想的なバランスのコンビ。「コントも面白いが、酒井のキャラクターも面白いのでブレイクする要素は多いと思うから」（北海道/40代/男性）「クズキャラの酒井の方が目立っているけど、コボちゃんに似た方の書いているネタが好きなので」（神奈川/50代/男性）と、両者の才能を評価する声があり、今後もネタ番組のみならず、コンビでの仕事も増えそうな勢いだ。

　一方で、『芸能人が本気で考えた！ドッキリGP』（CX）、『水曜日のダウンタウン』（TBS）や今年1月の特番『ドッキリ・ザ・ワールド！』（TBS）で見せた、ドッキリを仕掛けられた酒井のリアクションにも注目が集まった。「年始の番組で、宝くじ当選のウソの企画の時、かなり笑えたから」（茨城/40代/男性）「ドッキリで需要がありそうだから」（奈良/40代/女性）と、リアクション芸の才能も開花（？）。思わぬブレイクの可能性も秘めていそうだ。

◆2位は…リズミカルでシュールなフリップネタが超進化

　2位にランクインしたのは『R-1グランプリ』にて2021年（第19回）、2022年（第20回）の2年連続準優勝となったZAZY。「ようやく知名度も上がってきて、ネタの面白さも知れてきたと思う。今年はブレイクして欲しいという期待を込めて」（東京/40代/男性）と、金髪長髪にピンクの衣装でキワモノ視されがちな姿に隠れた実力が今、多くの人が認めるところとなった。

　「きぬえにパンパン」に代表されるような、リズミカルなフレーズが記憶に残るシュールなフリップネタを得意とする。しかし、2022年の『R-1グランプリ』ではPCとモニターを大胆に導入しネタをバージョンアップ（衣装もゴージャスに）。「ネタが新しくなったので」（埼玉/30代/男性）「今までは単にシュールとしか思っていなかったが、『R-1』のネタがめちゃくちゃ面白かった」（福井/50代/男性）と、このリニューアルは吉と出たようだ。

　耳に残って離れないネタの印象が強烈であるものの、「異質だが面白いし悪口は言わないし。いい人だと思うから」（兵庫/30代/男性）「ネタだけでなくロケなども面白いので」（埼玉/30代/男性）と、人物そのものにも目が向き始めている様子。「きっとそろそろ毎日テレビで見かけるようになる気がする」（愛知/30代/女性）と、本格的なブレイクも近いのかも知れない。

◆3位は…安定感のあるネタに加えフリートークの才能も開花

　3位に選ばれたのは、『M-1グランプリ2020』で決勝進出を果たしている漫才コンビ・東京ホテイソン。ショーゴの冷静なボケに、たけるが伝統芸能調の大仰な口調と手振りで例えツッコミを入れるスタイルが特徴。「ツッコミが今までになく面白いから」（東京/20代/女性）「独自のスタイルを確立しており『M-1グランプリ』でもチャンピオンを狙えると思う」（愛知/50代/男性）と、確かな漫才の腕が魅力だ。

　ネタの面白さは以前から定評があるが、最近ではトークの面白さにも注目が集まる。「テレビでバラエティに出演されるのを見る限りだが、話す内容がわかりにくかったり、面白くなかったり、下品だったりする人は嫌なので、万人受けでわかりやすい芸人さんだと思う。見ていて不快感が無いし楽しい」（大阪/50代/女性）「『ラヴィット！』（TBS）での川島さんとのやり取りが面白いです」（広島/20代/女性）「バラエティでも活躍しそうだから」（神奈川/30代/女性）と、ネタ番組以外でも見られる機会が増えそうな期待大だ。

◆独特の世界観の芸人たちが虎視眈々とブレイクを狙う

　ここからはベスト10にランクインした芸人たちをチェック。4位にランクしたのは女性芸人のAマッソ。『女芸人No.1決定戦 THE W』では2021年に2位を獲得しているが、女芸人にありがちな「ブスいじり」や「モテないネタ」「女性あるある」などには手を出さず、漫才、コント、そして映像漫才まで多彩な表現に挑戦している。「さすがにそろそろ世間にもバレるでしょう、加納と村上の面白さが」（東京/20代/男性）と、以前から注目しているファンはほくそ笑み、新たに触れるファンは「数少ない頭の切れる女芸人だと感じるため」（石川/30代/男性）「強いツッコミの感じに面白さを感じて今後ブレイクしそうだと感じたから」（滋賀/10代/女性）とその可能性に期待。20代では2位、30代では1位と若い層からの支持も熱く、エッセイや小説も手掛ける加納の才能はブレイクの匂いをプンプンとさせている。

　5位にランクインしたのは、浦井のりひろと平井まさあきのW眼鏡のコンビ・男性ブランコ。「『キングオブコント2021』では準優勝し、すでにテレビでよく見かける存在となっている。やかましさを感じない上品な物腰が万人受けすると思う。ネタ・トーク共にボケの平井のワードセンスが光っており、癖になる。単独ライブは即完売になるなど、劇場での人気は確立されているし、テレビの世界でも割と長く愛されるオールラウンダーな芸人になりそう」（埼玉/10代/女性）「昨年漫才もコントも腕がある事を示した。霜降り明星とコロコロチキチキペッパーズと同期にチャンピオンがおり、関係性も深く、遅れてきた第7世代の秘密兵器の様な印象。パワーではなく、緻密に計算された作品性の高い面白いネタが凄く印象に残ります」（三重/20代/男性）と、熱く語られた分析コメントが示すがごとく、完成度の高いネタ、そしてお笑いIQの高さも人気の秘密か。

【調査概要】
集計期間：2022年3月10日（木）〜3月16日（水）
調査対象：合計1000名（自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代〜50代 並びに、デビューLINE友達会員）
調査地域：全国
調査方法：インターネット調査
調査機関：オリコン・モニターリサーチ
※現在、全国ネットの冠番組を持っていない芸人から選出。
※過去5年（ORICON NEW・デビュー調べ）のブレイクランキングTOP10内、ネクストブレイクランキング1位に、それぞれランクインしたことのない芸人が対象。