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ポケモン公式、「進化」と「しんか」の違い説明で話題 世界観を古生物学で解説「なるほどね!」「知見が得られた」

 『ポケットモンスター』に登場するカセキから復元されたポケモン(以後「カセキポケモン」と呼ぶ)と現実世界で発掘された「化石」を比較しながら、楽しく古生物学を学べる企画展『ポケモン化石博物館』が、15日より東京・国立科学博物館で開幕した。展示コーナーではポケモン世界の「しんか」と、現実世界の「進化」の違いを説明し、「そうだったのか!」「なるほどね!」などと話題になっている。

巡回展『ポケモン化石博物館』のキービジュアル

巡回展『ポケモン化石博物館』のキービジュアル

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 国立科学博物館史上初となる官民連携による地域振興を目的とした同巡回展は、人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズに登場する「カセキ」「カセキポケモン」と現実世界で見つかる「化石」「古生物」がテーマ。「観察・比較」という科学の基本的な手法を体験しながら、これらの形や生態、それぞれの世界の化石研究の共通点・違いを発見し、楽しみながら古生物学を学ぶことができる。

 ビジュアル画像の一枚では、カセキポケモンと古生物の骨格図を公開。オーロラポケモン・アマルルガの骨格想像図や、竜脚類の恐竜・アマルガサウルスの骨格図を公開し、巡回展の目的でもある「観察・比較」ができる仕組みに。

 展示の見どころとしては、各博物館の化石コレクションを集結させ、カセキポケモンに似た古生物の実物・複製・模型を展示。「もしも、ポケモンの世界の博物館でカセキポケモンの骨格模型が展示されていたら?」をテーマに「ガチゴラス」「トリデプス」2体の骨格イメージ模型のほか、「かいのカセキ」や復元された「オムナイト」など、カセキポケモンの骨格をイメージした実物大模型を数点展示している。

 その展示スポットの一部では、ポケモン世界の「しんか」と現実世界の「進化」の違いを説明するパネルが。同じ言葉だが、現象は異なるとし、「ポケモン世界での『しんか』は同一個体内で起きる現象です。例えばオーキド博士にもらったヒトカゲに『セパルトラ』というニックネームをつけるとします。バトルなどで経験を積んだ『セパルトラ』は、やがて『リザード』に、最終的には翼の生えた『リザードン』になります。別の種類のポケモンになり、姿が大きく変わりますが、個体としてはオーキド博士からもらったあの『セパルトラ』です。一見、私たちの世界でいう『成長』にも近いように思えますが、『成長』以上の変化が起きていそうですし、月日などともそれほど関係がなさそうです」と分析。

 さらに「私たちの世界での『進化』は同一個体内では起きず、集団レベルで、何世代にもわたる長い時間を経て起きる現象です。例えば『魚から両生類になり陸で生活するようになった』というのは進化の例です」と違いを説明した。

 加えて「私たちの世界の日常生活では『進歩』というような意味合いで『進化』が使用されることもあります。『進化』の語源を考えると、これも間違いではありません。『進化』という言葉には多くの意味が含まれるんですね」と、画像付きでわかりやすく伝えた。

 ポケモン世界と現実世界の違いや、古生物学のわかりやすい解説に、来場者・見学者はネット上で「度々ネットで論議される“進化の違い”我々の常識と捉えている『進化』とポケットモンスターの世界の『しんか』 否定せず、同一視せず、同じ言葉でも現象は異なると研究されていてこれとても感動した…そう、ポケモンはふしぎなふしぎな生き物なんです」。

 「ポケモンの世界と我々の世界の比較展示がとても丁寧で濃密! 化石ポケモンたちの進化の特徴(水棲→陸上など)も解説されていてポケモンの博物館としても知見が得られた」、「ポケモンと、近い生物の化石を並列展示してるのが楽しかった。ポケモンの「進化」との違い説明も重要ね。個人的にはトリデプスの骨格想像図がツボった」などと絶賛の声をあげている。

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