大阪・毎日放送(MBS)は11日、今年1月1日に同局テレビで放送した『東野&吉田のほっとけない人』に、橋下徹氏、日本維新の会代表の松井一郎大阪市長、日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事の3人がそろってゲスト出演し、「維新に偏っている」「政治的に中立でない」などと意見を受けた件について、番組審議会の調査報告概要を発表した。
制作サイドの意図が「関西の視聴者の関心が高いゲストをお招きして、その方々の素顔を引き出すトークバラエティ番組」だったとした上で、「問題はその先で、面白さを狙って演出した飾り気のないトークが、『視聴者には政治的に偏っていると映るのではないか?』と制作部門や編成部門で、想像し、意見し、議論しなかったということにある」と分析。
続けて「視聴者の大きな関心事について、当事者の本心を聞き出し伝えることは、放送の重要な役割であり、政治家も例外ではないが、その前に、設定、演出、配慮を十分に検討しなければならないことは、また言うまでもない。今回『番組編集の自由』を裏打ちする番組内容の多角的な精査や組織的な検討が圧倒的に不足していたことは、組織の課題として率直に反省するものである」とまとめた。
同件については、1月5日に社長はじめ全役員と局長が出席する役員局長会で番組内容について疑義が呈されて担当部局でヒアリングを開始。同17日には専務をリーダーとする調査チームを立ち上げ、各部局からも事情を聞いたという。
番組制作を担当した「制作スポーツ局」については、「3人のキャスティングについては、制作側が高視聴率も意識し、積極的に行ったことがうかがえた。そして番組制作の過程で、担当者の政治的公平性に対する認識が甘く、番組内でのバランスのとり方が極めて不十分であったこと、また、管理職が現場と十分な情報共有をできずにいたこと、が大きな問題点として浮かび上がった」とし、さらに「番組内容をチェックする役割を担うアドバイザリー制度が、実態としては表現や用語のチェックに留まり、制作過程など番組全体の問題点まで網羅する機能を果たしていなかったことも認められた」とした。
編成担当の「総合編成部」については、「管理職やチーフは政治的公平性についての意識は十分あったものの、現場に途中経過の報告を求めるなどの注意喚起が足りていなかったこと、番組担当者も、収録には立ち会ったものの、編集には関与せず、内容について本来の調整機能を十分に果たせていなかったことがわかった」と説明。
また、松井氏と吉村氏の出演依頼を受託した「報道情報局」に対して「直接制作を担当したわけではない」としながら、「番組の内容に疑問は感じたものの、当事者意識が持てず、制作・編成現場が期待する、ニュースの視点から番組を見る、という役割に応えられていなかったことが、調査からうかがえる」と報告した。
今後の取り組みとして、「それぞれの番組の担当局、担当者が、責任をもって民放連や自社の放送基準を順守した番組制作を実現していくことが基本であり、このことをあらためて全社で共有する」とし、円滑なコミュニケーションがとれる組織運営の再確認などを行うとともに、「全社研修の実施」「アドバイザリーの強化」を明記した。
制作サイドの意図が「関西の視聴者の関心が高いゲストをお招きして、その方々の素顔を引き出すトークバラエティ番組」だったとした上で、「問題はその先で、面白さを狙って演出した飾り気のないトークが、『視聴者には政治的に偏っていると映るのではないか?』と制作部門や編成部門で、想像し、意見し、議論しなかったということにある」と分析。
続けて「視聴者の大きな関心事について、当事者の本心を聞き出し伝えることは、放送の重要な役割であり、政治家も例外ではないが、その前に、設定、演出、配慮を十分に検討しなければならないことは、また言うまでもない。今回『番組編集の自由』を裏打ちする番組内容の多角的な精査や組織的な検討が圧倒的に不足していたことは、組織の課題として率直に反省するものである」とまとめた。
同件については、1月5日に社長はじめ全役員と局長が出席する役員局長会で番組内容について疑義が呈されて担当部局でヒアリングを開始。同17日には専務をリーダーとする調査チームを立ち上げ、各部局からも事情を聞いたという。
番組制作を担当した「制作スポーツ局」については、「3人のキャスティングについては、制作側が高視聴率も意識し、積極的に行ったことがうかがえた。そして番組制作の過程で、担当者の政治的公平性に対する認識が甘く、番組内でのバランスのとり方が極めて不十分であったこと、また、管理職が現場と十分な情報共有をできずにいたこと、が大きな問題点として浮かび上がった」とし、さらに「番組内容をチェックする役割を担うアドバイザリー制度が、実態としては表現や用語のチェックに留まり、制作過程など番組全体の問題点まで網羅する機能を果たしていなかったことも認められた」とした。
編成担当の「総合編成部」については、「管理職やチーフは政治的公平性についての意識は十分あったものの、現場に途中経過の報告を求めるなどの注意喚起が足りていなかったこと、番組担当者も、収録には立ち会ったものの、編集には関与せず、内容について本来の調整機能を十分に果たせていなかったことがわかった」と説明。
また、松井氏と吉村氏の出演依頼を受託した「報道情報局」に対して「直接制作を担当したわけではない」としながら、「番組の内容に疑問は感じたものの、当事者意識が持てず、制作・編成現場が期待する、ニュースの視点から番組を見る、という役割に応えられていなかったことが、調査からうかがえる」と報告した。
今後の取り組みとして、「それぞれの番組の担当局、担当者が、責任をもって民放連や自社の放送基準を順守した番組制作を実現していくことが基本であり、このことをあらためて全社で共有する」とし、円滑なコミュニケーションがとれる組織運営の再確認などを行うとともに、「全社研修の実施」「アドバイザリーの強化」を明記した。
コメントする・見る
2022/03/11