シンガー・ソングライターのmiletが、18日放送の日本テレビ系『MUSIC BLOOD』（毎週金曜　後11：00）に出演した。MC千葉雄大の代役を務めた谷中敦（東京SKY-HIパラダイスオーケストラ）と親交のあるmiletはトークに花を咲かせ、大ファンのくるりについても熱く語った。

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　miletにとって谷中は、同じ事務所の大先輩。昨年行われた『東京オリンピック』の閉会式でコラボレーションしたことを振り返ったmiletは「ものすごく緊張していたのですが、谷中さんを筆頭に、ステージでは東京スカパラダイスオーケストラさんが一緒にいていただき、本当に助かりました」と感謝した。

　これを受けて谷中は、日本語とフランス語をミックスして「愛の讃歌」を歌ったmiletのパフォーマンスについて「あれはmiletちゃんだからこそできたこと。すごいよ」と絶賛。「歌がきれいなことはもちろんだけど、特に低音部の美しさにはやられました。情感をのせて歌う独特の表現にはいつも驚かされます」と舌を巻いた。

　miletは自身の独特な声質について「人の耳に残る歌声じゃないとシンガーとしてやっていけないと思い、昔から自分の声を研究しながら歌ってきました」と告白。これまで聴いてきた音楽遍歴の話では「Salyuさんや財津和夫さんが好きでよく聴いていました。でも、大好きだったからこそ、歌い方や声の特徴をまねないようにしました」とも明かしていた。

　そして、miletの愛してやまないアーティストは、くるり。「とにかく大好きなのです。どうしてもくるりさんの夢が見たくて、ファンになって最初の頃、寝るときは枕の下にくるりさんのバンドスコア（楽譜）を敷いて眠っていました。昔はよく夢を見ましたが、最近はそうでもないです。ただ敷いて寝ると安心しているのか、よく眠れるので、いまだに実践しています。昨年のフジロックで初めてお会いしたのですが、そのときにお話しもさせていただき、うれしすぎて言葉にならなかったです」と感激した。

　くるりのファンになった経緯も明かし、「くるりのことが大好きな親友がいまして、その友達はすごくいい人なので、そんないい人の人生に影響を与えているアーティストって、どんな音楽を作るのかなと気になり始めたのが最初です。ある日、その友人からライブに誘われて曲を聴いたらハマってしまいました。その中でも特に強烈だったのが『温泉』という曲です。日本的なサウンドが耳に残るんです」と説明した。

　さらに、“くるり愛”の深さを物語る過去のエピソードも。「ファンになってから毎年、くるりが主催している『京都音博』（京都音楽博覧会）という音楽フェスに行っているのですが、必ず前乗りして、ライブのリハーサルをチェックするんです。外で聴いていると音が漏れてくるので『あ、あの曲だ！』とか言いながら、友達と一緒に楽しんでいます。ただあまり聴き込んでしまうと次の日の本番が楽しめなくなるから、泣く泣く切り上げたりして」と笑顔を見せた。

　くるりの楽曲に出会ったことで、自身の曲作りにも大きな影響を与えたという。「岸田（繁）さんが創る幅広い世界観と、繊細な言葉遣いに刺激を受けました。自分が幼い頃よりクラシックを好んで聴いていたせいか、それまでは無意識に、言葉よりもメロディーに重きを置いていたところがありましたが、岸田さんの嘘偽りのない言葉が刺さり、ちゃんと人に伝わって意味のある歌詞を書こうと思うようになりました」と語った。

　特に好きなくるりの楽曲として、「Baby I Love You」「のぞみ１号」「その線は水平線」の３曲をあげた。「『Baby I Love You』は、デビュー前に代々木公園で弾き語りをしていた思い出の曲です。自分のことがあまり好きではなかったのですが、この曲が好きになってからは、自分のことが好きになりました。『のぞみ１号』は、全ての言葉に無駄がないんです。“教え”のような歌詞で、聴くと“もう少し頑張ろう”って思わせてくれる曲です。そして『その線は水平線』には何度も背中を押してもらいました。“岸田さんが背中を押してくれている！”と思うと、より一層頑張れました（笑）」とそれぞれの楽曲への思い入れを明かした。

　miletの“BLOOD SONG”は、前出の「Baby I Love You」。「私のアーティスト人生の原点ともいえる楽曲」といい、「今までおそれ多くて歌ってこなかったのですが、今回初めてテレビで歌わせていただきます。かなり緊張していますが、デビュー前のことを思い浮かべながら一生懸命歌わせていただきます」と語った。

　スタジオライブを前に、「よろしくお願いします」と、スタッフに丁寧にあいさつをして立ち位置についたmiletは、まずは映画『鹿の王 ユナと約束の旅』の主題歌で、ONE OK ROCKのToruがプロデュースを手がけた新曲「One Reason」を披露。壮大なメロディーと美しくも力強い歌唱が相まって、スタジオは荘厳な雰囲気に包まれた。

　続いて、BLOOD SONGの「Baby I Love You」は、アコースティックギターの調べに合わせて、リラックスした雰囲気の中、椅子に座ったままで歌唱した。

　縦型＆短尺映像配信アプリ「smash.」では、地上波番組の放送終了直後より撮り下ろしライブ映像を配信。UNCUT映像では１つのカメラを使って密着撮影したため、miletが「ベタ付きで撮っていただいたので緊張しました」と照れ笑いしたほど、かなりリアルな映像となっている。未公開トークも配信される。