大阪を拠点に活動するOSK日本歌劇団が30日、大阪松竹座で『創立百周年記念式典』を行い、“満開の桜”とともに新たな第一歩を踏み出した。代々受け継がれてきた「桜咲く国」の合唱では、トップスター・楊琳をはじめ劇団員らが桜色のパラソルを手に華麗な歌声を披露し、前が見えなくなるほどの桜吹雪が舞った。

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　楊は「こうして100周年の記念すべき日を迎えることができ、劇団員一同大変感激しております」と感無量。コロナ禍にふれ「エンタテインメントをめぐる環境は厳しいが、この困難に力を合わせて正面から立ち向かってきた、その生命力こそが、先輩たちから受け継いできた伝統の一つ」と言い、「感謝を忘れず、さらなる発展のため一同力を合わせていくことを誓います」と力をこめた。

　伝統の大阪松竹座で、卒業生250名以上を含む関係者約700人が見守ったこの日の式典。男役がそろった凛々しい百周年記念舞踊「さくら」の披露にはじまり、劇団イメージソング「虹色の彼方へ」、そして「桜咲く国」を披露した。劇団の魂とも言える「桜咲く国」では、桜色のパラソルを新調し、観客もミニパラソルを持って場内が“満開”に。歌い始めると、無数の桜吹雪や紙テープが舞い散り、一足早く春が訪れた。

　楊は「こんな花びらの中で歌ったことはなかった。感動して、とてもうれしかった」と笑顔がはじけ、劇団を長く支えてきた特別専科の桐生麻耶は「お客さんを見ようとしたら、まったく見えなくて…。幸せでした」と感極まった。さらに、桐生が「十何年と歌ってきて、景色がいつもと違った」と語ると、先輩卒業生らに見守れた歌唱を、楊は「せーの！　皆で大合唱しましょうという気持ちでした」としみじみ振り返った。

　OSK日本歌劇団は、1922年に大阪松竹座の開場にあわせ、松竹創業者の白井松次郎の発案で「松竹楽劇団」として創設。姉妹劇団の松竹歌劇団（SKD）や宝塚歌劇団とともに日本三大少女歌劇の一つに数えられ、笠置シヅ子、京マチ子、秋月恵美子らを輩出するなど、大正、昭和、平成、令和の歴史を紡いできた。

　一方で、2003年には解散の危機に直面し、劇団員が「OSK存続の会」を立ち上げ、街頭での署名活動に励んで市民劇団として再生するなど、苦難も経験。ファンの後押しを受け、04年には大阪松竹座で『春のおどり』を復活させ、ついに100周年を迎えた。

　2月5日〜20日に大阪松竹座で100周年公演『レビュー 春のおどり』を行い、次の100年へのスタートを切る。同公演は東京・新橋歌劇場でも3月25日〜27日に開催し、京都・南座では7月9日〜18日に『レビュー in Kyoto』で100周年を祝う。