アニメ&ゲーム カテゴリ
ORICON NEWS

楳図かずお氏の27年ぶり新作初公開 漫画ではなく原画101点の連作絵画

 漫画家・楳図かずお氏(85)の世界を体感できる展覧会『楳図かずお大美術展』(28日〜3月25日)のオープニングセレモニーが27日、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催された。目玉となる楳図氏が制作に4年の期間を費やした、27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』が初公開された。「漫画」ではなく、原画101点の連作絵画となっている。

『楳図かずお大美術展』より (C)ORICON NewS inc.

『楳図かずお大美術展』より (C)ORICON NewS inc.

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 同展は、楳図かずおの「比類なき芸術性」に焦点を当て、代表作を通じて、気鋭のアーティストらとともに「楳図かずおの世界」を表現する、今までにない展覧会。その中で見どころとなる、1990年代の『14歳』以来、楳図氏にとって実に27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』を展示した。1980年代に描かれた『わたしは真悟』の続編であり、同時に時空を超えたパラレル・ビジョン(並行世界)となる。

 制作に4年の期間を費やし、完成した同作は、アクリル絵画による101点の連作という方式に。生き生きとして目を見張らされる筆触や、きらびやかで吸い込まれるような色彩で表現されており、時系列に沿って展開される物語性を持つ点では漫画に近い部分もあるが、漫画と違ってコマ割りはなく、一枚一枚が独立して鑑賞できるものになる。

 セレモニーイベントに出席した楳図氏は、久々の新作のお披露目に「うれしいですよね! 27年間、ブランクがありますし、(数年前に)『やらなきゃ!』という瞬間がありました。そこから4年間、耐えて、耐えて、喋りたいのも我慢して…。やっと、この日のために4年間があったという感慨です」と喜び。

 新作発表については「自信もありました! 自信がないとやってられないですよ〜。自信の塊で『絶対に大丈夫だ』と丁寧に描き上げていきました」とし、「創作は新しくないとダメだと思います。漫画と絵画、両方の良いところを足すとこうなるという目標でやりました。漫画は繋ぎの芸術。絵画は、クライマックスしかない。なので、クライマックスの中に繋ぎがあるドラマ性を感じられるような絵を描きました」と創作の狙いを伝えた。

 展覧会のチケット料金は一般2200円、高校・大学生1500円、子ども4歳〜中学生900円。

■楳図かずお氏プロフィール
1936年、和歌山県高野山に生まれ、奈良県で育つ。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時、『別世界』『森の兄妹』をトモブック社から単行本で出版し、デビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる。『漂流教室』で小学館漫画賞受賞。一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮。作中のギャグ、“グワシ”は社会現象となった。

 このほか、『おろち』『洗礼』『わたしは真悟』『神の左手悪魔の右手』『14歳』など、数多くのヒット作を生み出す。そのほか、タレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、様々なジャンルで活躍中。2018年、『わたしは真悟』で仏・アングレーム国際漫画祭「遺産賞」受賞。また同年度、文化庁長官表彰受賞。

(c)楳図かずお(c)エキソニモ(c)楳図かずお/小学館

関連写真

  • 『楳図かずお大美術展』より (C)ORICON NewS inc.
  • 27年ぶりの新作『ZOKU- SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』 (C)ORICON NewS inc.

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

 を検索