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GAO、名曲「サヨナラ」30年目の気づき モノクロスタイルで『紅白』出場エピソードも

 今年でデビュー30周年を迎えたシンガー・GAO。1990年、NHK「全日本勝ち抜きロック選手権 BSヤングバトル」にバンド・GAOとして出場し優勝したのをきっかけに、翌年、ソロでメジャーデビュー。力強くハスキーな歌声と性別不詳のルックスで注目を集め、セカンドシングル「サヨナラ」(92年)がミリオンヒットを記録して、NHK紅白歌合戦にも出場するなど大きな話題を呼んだ。そんなGAOが、NHK・BS4K&BSプレミアムで16日に放送される『歌える! J POP 黄金のヒットパレード決定版!』(後9:00〜10:59)に出演。今、あらためて「サヨナラ」を歌唱して思うこととは?

「サヨナラ」を披露するGAO=『歌える! J-PO 黄金のヒットパレード決定版!』10月16日、BS4K、BSプレミアム同時放送 (C)NHK

「サヨナラ」を披露するGAO=『歌える! J-PO 黄金のヒットパレード決定版!』10月16日、BS4K、BSプレミアム同時放送 (C)NHK

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――昨年12月に『有吉の壁』(日本テレビ)に出演されて、チョコレートプラネットの長田さんと共演したのには驚きましたが、NHKの番組で久しぶりに「サヨナラ」を歌っていかがでしたか? 

【GAO】デビュー30周年という節目の年に、デビューのきっかけとなったNHKの番組で歌える機会をいただいてうれしかったです。昔、よく聴いていた曲を聴くと瞬間的にその頃に帰ることができる。確かに音楽にはタイムマシンのようなところがある思いますが、シンガーとしては常に新しい気持ちで歌っています。今の自分が理想とする最高のパフォーマンスを見せたいと思ってステージに立ちました。

――名曲は、何年経っても名曲なんだな、と思いました。

【GAO】作った当初はリアルな物語というよりはフィクションとして作ったつもりだったんですが、長い時間を経て改めて歌詞の内容を見てみると、これはあの頃の自分そのものだな、と思いましたね。

 この歌は、「名前のない時の中で」という歌詞の「名前のない」というのがキーワードなんですけど、その曲ができた当時というのは、私は音楽で身を立てることを目指していたけれども、まだデビューできるかどうかもわからなかった。学生ですか? どこかにお勤めですか?と聞かれてもどちらでもない。肩書きが何もなかったんですよね。「名前のない時の中で」「夢を抱きしめていた」のは自分自身。それがこの曲のテーマだったんだな、と改めて思いました。

 学生時代を過ぎたら、“肩書きがない”“名前のつけようのない”時期というのは誰にでもあると思うんですよ。進路に悩んでいたり、やりたいことを見失っていたり、ゴールが見えなかったり。それでも、大小問わず夢はあったりする。それで、多くの人の心に響いたのかな、と思います。

――GAOさんがデビュー当時、年齢性別不詳のアーティストとして、世代も性別も問わない支持を獲得していったのもリアルタイムで見ていましたが、とても印象的でした。

【GAO】いまでこそジェンダーレス、個性の多様化が取り沙汰されていますけどね、当時は異色だったと思います。ただ、私は幼い頃から、男の子に間違えられることが多くて、それがそんなに嫌じゃなかったんです。好きで短髪にしていたところもありましたし。「ヤングバトル」を通じて、年齢性別不詳なアーティストを探していた音楽関係者と出会い、意気投合してデビューすることができたことを考えると、そういう運命だったのかな、と思います。私自身、音楽に年齢も性別もいらない、すべての固定観念から解放してくれるものが音楽なんだと思っています。音楽を聴いている間はどんな人でも自由な気持ちになっていいんだ。そういう気持ちを込めて音楽制作をしています。

――白シャツにブラックデニムのモノクロスタイルも素敵でした。

【GAO】メジャーデビューする時に、スタッフの皆さんと考え抜いて、一番シンプルなあのスタイルになったんです。もともとデニムが大好きなので、デニムははきたいと思っていたんですが、上が白いシャツだけになるとは思っていなかった(笑)。家のクローゼットを開けると同じメーカーの同じ白シャツと白Tシャツが何枚も並んでいて、それしかない状態の時期もありましたね。

 思い出深いのは『NHK紅白歌合戦』に初出場した時。憧れの『紅白』に出るということで、白いシャツを3枚オーダーメイドしたんですよ。それぞれ微妙に素材や細かいディテールの異なる3枚だったんですけど、出番に合わせて、途中で2回着替えたんですが、言ってしまえば全部白いシャツだったので、誰にも気づかれなかったという思い出がありますね(笑)。

――その後、音楽プロデューサーとして活動していた時期もありましたし、2009年に自身のレーベル「SOHO REX」を設立してGAOとしての活動を再開させて12年。コンスタントにライブを開催し、作品リリースを続けてきましたが、コロナ禍でどんな風に音楽と向き合っていましたか?

【GAO】プロデュースワークを勉強するために渡米したり、ヒップホップの世界にいったり、思いたったらすぐにやりたい質なんですよね。そうやって経験したことはすべて自分の血や肉になっていると思います。誰でも時間の経過の中で変わっていくものだと思いますし、自分がやってみたい、と思ったことをやってみたいと思った時にすぐにやれる自由さは、いつも自分に与えておきたいと思っていました。コロナ禍になって、有観客でのライブができないとなった時に、すぐに無観客のオンラインライブに切り替えることができたのもそのおかげだと思うんですね。グッズをネットで買えるようにECサイトを立ち上げるとか、意外と新しいことにチャレンジできた1年半でしたね。

――GAOさんにとって30年は長かったですか? 短かったですか?

【GAO】長くもあり、あっという間でもあり、でも立ち止まって振り返ってみるとやっぱりすごく長いかな(笑)。私は、最新の活動に目を向けていただきたいと思っているので、先を見て、今やるべきことをやっているという感覚なんですけど、こうしてインタビューで改めて質問されて、振り返ってみると、随分長いことやっているな、と感心しますね(笑)。CDがストリーミングになり、サブスクリプションで楽しむようになって、というのをずっと活動を止めずに見てきましたから、なおさら今後、音楽をどう届けたいのかを考えますね。

――現在進行形のものやその先の活動について教えてください。

【GAO】近年、「Black Carpet」のボーカルとして活動しているのすが、デビュー30周年の記念に、Black Carpetからのソロプロジェクト「On The Carpet」として、書き下ろした楽曲をアコースティックギターで一曲ずつ弾き語りし、メッセージや制作過程などのトークを交えながら楽しんでもらうオンラインライブを始めました。もうしばらく、ライブ配信に注力することになるのかな。常に時代ともに音楽を作り出していく、それを続けてきましたし、これからも続けていきたいし、続けていくでしょう。自分だけでなく、ほかのアーティストの活動や作品に関わるようなことも含めて、自分が届けたい音楽を探し続けて行くと思います。

――最後に一つ、GAOさんにとって音楽って何ですか?

【GAO】音楽と向き合うことが、私の人生。ライフスタイルなんです。

■放送情報
『歌える!J-POP 黄金のヒットパレード決定版!』
10月16日(土)後9:00〜10:59(BS4K、BSプレミアム同時放送)

 音楽は、「存在する唯一のタイムマシン!」。1980年代から2000年代にデビューし、いまも音楽シーンの第一線で活躍するレジェンドアーティストたちが一堂に会し、「誰もが歌える!」名曲・ヒット曲を熱唱する特番の第4弾。音楽の「黄金時代であった30年」を再現する。今回の大きな目玉は、80年代に爆発的な大ヒットを記録した「シンデレラ サマー」「ふたりの愛ランド」を石川優子Chageとテレビでは約30年ぶりに生歌唱。中島美嘉が、久保田早紀の「異邦人」と中森明菜の「DESIRE−情熱−」のカバーをハラミちゃんとのコラボで披露する。そして、「耳に障害を持つ方たちにも音楽を楽しんで欲しい!」活動をしているユニット・HANDSIGNが女優でタレントの足立梨花とNHKでは初ライブパフォーマンス。MCは、平野ノラDJ KOO、廣瀬智美アナウンサー。

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  1. 1. 石川優子&Chage、テレビは30年ぶりに「ふたりの愛ランド」を熱唱
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