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鈴木福×白倉P、これから先のヒーローに思うこと「一つひとつ絶対性を持って」 オーディション秘話も

 昭和・平成・令和と移り変わる時代に合わせ、放送されてきた「仮面ライダー」シリーズと「スーパー戦隊」シリーズ。1971年4月3日に放送開始した『仮面ライダー』から50年、1975年4月5日に放送開始した1作目となる『秘密戦隊ゴレンジャー』の放送から今年の『機界戦隊ゼンカイジャー』で45作品目。2大ヒーローが2021年にWアニバーサリーイヤーを迎え、シリーズの垣根を超えて共闘する『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』が22日に公開される。ORICON NEWSでは、同作のプロデューサーである東映の白倉伸一郎氏、大の「仮面ライダー」&「スーパー戦隊」ファンで謎の少年役で出演する俳優の鈴木福にインタビューを実施。深く作品を知る2人が愛を惜しみなく披露する対談を行った。

『スーパーヒーロー戦記』特別インタビューに参加した(左から)鈴木福、白倉伸一郎P (C)ORICON NewS inc.

『スーパーヒーロー戦記』特別インタビューに参加した(左から)鈴木福、白倉伸一郎P (C)ORICON NewS inc.

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■憧れのヒーローたちと共演 白倉P「泣けてきますね」

――まずは、福さんの「仮面ライダー」シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズとの出会いを教えてください。
【鈴木】3歳か4歳のころに最初にスーパー戦隊を先に見始めたと思うんです。そして、バイクが好きなこともあって、仮面ライダーも見始めました。もともと好きになった経緯はバイクや変身しているシーン、戦うシーンがカッコいいとかだと思うんですけど、それだけじゃなくてベルトや武器といったおもちゃだったり、いろいろなところに面白いところがあるんだなと思います。最近ではドラマとして楽しんだり、そういうところが僕が仮面ライダーを好きになった理由だと思います。

【白倉P】泣けてきますね。でも、3歳、4歳のころって、まだそんなに前じゃないんですよね(笑)。私みたいな年だと、ついこの間のことなんですけど(笑)。そもそもバイクが好きだったのは、なんでですか? その年だと自分で運転することもないですし。

【鈴木】あのフォルムですかね。タイヤが二輪あって走る。車には、そんなに興味がなかったんです。バイクの方が自分には楽しかったです。

【白倉P】今の一般の子どもは車とか新幹線や飛行機とかに行くんだけど、まず先にバイクだったんですか? 仮面ライダーに引き寄せられる運命だったんですね(笑)。

【鈴木】あとは、プラレールとか持っていたころに、ちょうど『仮面ライダー電王』が始まって(笑)。電車からバイクが出てきて、当時の僕には衝撃でした。

【白倉P】電車からバイクを出してみるもんだ(笑)。

――福さんにとって白倉Pは、どういう存在ですか?
【鈴木】後から知ったことですが、僕の1番最初に好きになった『仮面ライダー電王』でチーフプロデューサーをされていた方。僕に夢を与えてくれた存在。神的な存在です!

【白倉P】天下の鈴木福に、そんなことを言われると返す言葉もないですね(笑)。

――「ヒーロー一筋、50年」と、多くの世代に夢を与えます。作品を作り続けることに対する思いは
【白倉】できているか、どうかは自信がないんですが、我々自身も「製作者」ですが、もともとは「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」を視聴者として見てきた。たまさか、造り手側に回ってきただけ。バトンは先達、大先輩から受け継いできたもの。それを握って走っているに過ぎない。バトンを大事に離さずにいて、福くんに代表されるような新しい世代に、どういう形で渡せるのか。そういう責任感はひしひしと感じています。

■大好き『仮面ライダー電王』裏話に大興奮

――福さんにとって思い出深いシーンはありますか?
【鈴木】『仮面ライダー電王』オープニングで「Climax Jump」で電車からバイクが出てくるシーンは今でも覚えてますし、印象的でした。映画とかだと、全スーパー戦隊や全仮面ライダーが出てきたり…。あとは『仮面ライダーディケイド』で、仮面ライダーが仮面ライダーの世界を旅するというのも面白いなと思っていました。

【白倉P】『仮面ライダー電王』は、もともと電車だけの予定だったんです。『仮面ライダー』がバイクに乗るのは、さらにその前にスーパーヒーローが乗っていた馬の代わり。つまり『鞍馬天狗』の馬がバイクになったということです。それもありつつ、当時は自転車ブームもあった。もしかしたら手が届くというところにあった憧れの乗り物として自転車があって、それのスーパーヒーローバージョンがオートバイだった。

『仮面ライダー電王』当時は自転車に対する憧れもなくなって、じゃあ憧れの乗り物といえば、で通勤電車は乗れるけど、ジェットコースターや新幹線はイベントの時でしか乗れない電車。もしかしたら初期の仮面ライダーにおけるバイクのような位置付けになるのかもしれない、と。でも、電車に振り切ったら仮面“ライダー”と言えるのか、と。ひよって、中に小さくバイクを入れとくか、と(笑)。「これ、バイクで運転してますから」と。電車で駆けつけて、バイクが飛び出して、さらに駆けつけるという謎のシーンが生まれました(笑)。

【鈴木】田崎監督(※崎はたつさき)が、そのシーンを作ったというお話を撮影中に聞いて、めちゃくちゃ驚きました!

【白倉P】田崎監督のすごいところは、電車の操縦席にバイクがあって、バイクを運転すると電車が動くということを言い出した。めちゃくちゃだな、と。どういう仕組みなのか、と(笑)。

【鈴木】自転車で動かしてましたよね(笑)。車輪が回れば動くんでしょうね(笑)。

【白倉P】(セットの)コックピットは鉄骨でバイクの後輪を、ちょっとだけ浮かせている。だから、バイクのアクセルをふかしたら後輪がちゃんと回転するようにできている。その後輪が回る意味はいったいなんなのか、まったく分からない(笑)。でも、理屈を超えたシーンではあるんですよね。

【鈴木】スーパー戦隊だと『獣拳戦隊ゲキレンジャー 』『炎神戦隊ゴーオンジャー』の記憶がありますね。好きだったのは『侍戦隊シンケンジャー』です。お仕事の撮影の時に確か「きょう頑張ったら、ごほうびでショドウフォンを買ってあげる」と言われていた。その時に「これは2人の内緒だからね」とお母さんに言われていたのに言っちゃって、買ってもらえなかった(笑)。小さいころから楽しくてお仕事をやっていたけど、買ってもらえるうれしさもあったから、言っちゃったんでしょうね。

 あとは、お仕事でダブルスタンバイで2人用意されて、片方が採用されるということがあるんです。僕は“もう1人の方”だったんです。最初の子でOKが出ちゃって「やらなくていいよ」となった。「やる! なんでやらせてくれないの、俺だってできるのに!」って泣いちゃって…。ちょうど『仮面ライダーディケイド』の時で、「ライドブッカー」を買って、なぐさめてくれました(笑)。

――白倉プロデューサーは子どもの時のおもちゃのエピソードはあるんですか?
【白倉P】仮面ライダー1号の変身ベルトを買ってもらえなかったというよりは、子どものころからへそ曲がりで周りの子がもっているのを「うらやましくない。自分はほしくない」と(笑)。『マジンガーZ』のでっかい人形やウルトラ隊員のヘルメットもはやっていたけど「いらない」って。あえて人の持っていないものをほしがっていましたね。理屈で言うと「被ってたら意味がないけど、被っていなかったら貸しあえるでしょ」と言って、本当にほしいものをぐっとこらえていた。なんで、もうちょっと素直じゃなかったんだろうと痛切に反省しています(笑)。

――聞きたい裏話などありますか?
【鈴木】この映画に出させていただくことが決まって、もう1回いろいろ見直したんです。『劇場版 さらば仮面ライダー電王』の時に、なんで主役が野上良太郎じゃなくて、野上幸太郎の桜田通さんになったんですか?

【白倉P】包み隠ずいうと佐藤健さんが映画の仕事が決まって、スケジュールが4日間しか取れなかった。でも、映画を作る。『さらば』と銘打ってるのは少なくとも健くんが主役を務める最後の作品であるであろうというのがわかっていたから。その中で、もし『仮面ライダー電王』というものを続けたいと思うのであれば、ニュージェネレーションが『仮面ライダー電王』の世界を受け継いでいくというのが美しい姿だと思った。『さらば』と言いつつ良太郎から幸太郎へのバトンタッチという企画だった。あの映画だけ青いデンライナーが出たりとか、「『仮面ライダー電王』の世界を塗り替える」というつもりだった。その後、すぐに気が変わるんだけどね(笑)。

■これから先のヒーローは? 歴代オーディションの秘話も明かす

――これから先のヒーロー像は
【鈴木】最近になって、令和ライダーという言葉もできた。『仮面ライダーゼロワン』と『仮面ライダーセイバー』は最終フォームがシンプルという形もできあがったり。この先も続いていって、もっともっと面白くなればいいなって思います。後は、いつか自分が出て変身することができれば…。

――白倉プロデューサーは、オーディションする立場ですが…
【白倉P】選ぶなんて、そんな(笑)。でも、オーディションってテストじゃない。「試験官です」って上から目線で行くのとは違う。まず作品ごとに役というのがあって、それが役者さんという生きている肉体とマッチしないと机上の空論にしかならない。演じてくださる生身の人間とのマッチングがオーディションなんですね。逆にキャスティングとなると、現実の俳優さんがいて、当て込んで合う役を描く。その違いでしかない。選ぶんじゃなくて、ただのマッチング。選ばれた人が優れていたり、そうでない人が劣っているという話でもないんですよね。だから、福くんをオーディションにお呼びして、役にマッチングするかの目線で見る度胸は誰も持ち合わせてないですね(笑)。

――奇跡的なオーディションだったと思う経験はありますか?
【白倉P】だいたい、どのオーディションも奇跡的です。でも、腰を抜かしたのは水嶋ヒロさんと佐藤健さん。駒木根葵汰くんもそうだけど「よくこんな人がいたな」と思わされましたね。佐藤健さんは「こんな役を新人で演じられる人がいるんだ」って思いました。未だに、その衝撃は覚えてますから。オーディションはよく「1万人の中から」とか「3万人の中から」とか言いますけど、人数じゃなくて、そういう1人が世の中にはいるんだなって思いました。

【鈴木】今でこそ、登竜門を言われてますけど、そうやって輝く人と輝く作品が合うからこそ、いい作品になるんだなって思います。

――白倉プロデューサーは、この先のヒーローへ思うことは
【白倉P】どうなっていくかはわからないです。昭和ライダー、平成ライダー、令和ライダーが、どういうものだったかっていうのは今の我々は持っていますが「振り返るとこうだった」という後説なんです。1歩1歩、目の前を踏み固めながら“全力全開”で自分の持てる力を出し切って、その延長線で振り返って「こうだったね」と語れるようになると思う。

だから時代時代の理想は趨勢によっても違いますけど、とにかく真摯にヒーローと向き合って、今できる理想のヒーローを目指し続ける。その結果として、今から言うところの未来ができていくと思う。いい意味での行き当たりばったり。計画性を持って「東映のヒーローはこうしていく」って言うのがビジネス的には正しい。ロードマップは作るけど、個々の作品では計画を組まない。相対的ではなく、一つひとつが絶対性を持ってヒーローを追求していきたいんですよね。

【鈴木】出演者として、この物語に入らせていただいて、現場で作っている方たちとやらせていただいて学ぶところや初めて知るところがいろいろありました。さらに、こういうふうにお話を聞いた。今まで僕が入らせてきてもらった現場とは、また違う。いろいろな思いを持って、やられている方々がたくさんいる。楽しいなって思いながら聞かせていただきました!

――最後に『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』の見どころを

【鈴木】全員集合というところですかね。50周年と45作品という記念作品すべき作品です。ヒーローって、こうだよなとか、仮面ライダーやスーパー戦隊って偉大だなと改めて思わされた作品です。後は、このヒーローたち、製作者だちの思いが詰まっている。これは僕が感じたことですけどスタッフさんたちの愛があるからこそ、こういう作品が生まれているということを、画面を通じて感じていただけたら。ファンとしての見どころです。

【白倉P】今、福くんにうまいまとめをしてもらいましたけど、そういった製作者たちの思いやキャラクターたちの魅力を一身に背負って表現してくれているのが鈴木福という俳優さんです。私にとっては最大の見どころが鈴木福さんだと思っています。

【鈴木】恐れ多いです…。でも、そう言っていただけたことを糧に、これからも頑張っていこうと思います。

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  • 映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』ビジュアル 「スーパーヒーロー戦記」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (C)2021 テレビ朝日・東映AG・東映

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