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「絶望しながらも気持ちを押し殺していた」小学生で経験した震災の記憶、「風化させない」東北発YouTuberの思い

 東日本大震災が起こった時は、まだ小学生だったという人気YouTuber「ほーみーず」。そんな2人が本日、「震災の記憶を風化させないために」「東北出身、宮城出身としてできることはないか」と、ある1曲のミュージックビデオをアップした。絶望しながらも、より被害が深刻な地域を思うと言い出せなかった当時の気持ち、10年が経って前へ向かって歩もうとする決意。2人の現在の思いを聞いた。

「ほーみーず」ちばしん(左)るか(右)

「ほーみーず」ちばしん(左)るか(右)

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■「電気、ガス、水道も全部止まり……」震災の記憶を風化させないため経験を曲に

 東北・宮城県発の人気YouTuber「ほーみーず」は、「るか」と「ちばしん」の元同級生2人組によるユニット。学校生活の“あるある”や、替え歌動画で若い世代を中心に人気を集め、いまやチャンネル登録者数は45万人を突破している。そんな彼らが本日3月11日、復興への希望を歌うオリジナルMV「もういちど」をYouTubeにアップした。

――2人は“東北No.1 YouTuber”を目指しているそうですね。

【ちばしん】 はい。ヒップホップの“レペゼン”(地域の代表)と同じように、宮城、東北を盛り上げたいという気持ちが強いので。人は温かいし、食べ物は美味しいし……。

【るか】 いいところなんですよ。地元での活動も率先してやっていきたいと思ってます。

【ちばしん】 いまは東京に住んでるんですけど、ここでいろんなことに挑戦して、学んだことを地元に返したいんですよね。

――そして3月11日には、初のオリジナル曲「もういちど」のMVが公開されます。この曲は、東北復興プロジェクトとして制作されたそうですね。

【ちばしん】 震災から10年目を迎えて、東北出身、宮城出身のYouTuberとしてできることはないか?と思って。ほーみーずの視聴者は音楽好きの学生が多くて、震災当時はまだ小さかった人もかなりいると思うんですよ。僕らは当時、小学校6年生だったんですけど、震災の記憶を風化させないためにも、僕たちの経験を曲にして伝えたいなと。

――震災のときのことは、はっきり覚えていますか?

【ちばしん】 鮮明に覚えてますね。クラスの帰りの会をやっていて、その後、卒業制作の作業をする予定だったんです。(震災が起きて)電気、ガス、水道も全部止まってしまって。僕たちが住んでたのは内陸だったんですけど、次の日の新聞で、沿岸部の津波のことを知ったんです。

【るか】 僕が覚えてるのはラジオのニュースですね。10mを超える津波という言葉が聞こえて、すごく怖くて。その後、スーパーの方が冷凍食品を配ってくださったり、いろいろな情報をまとめたチラシを作ってくれたり。たくさんの大人に助けられたという印象が強いです。

――「もういちど」の歌詞は、ちばしんさん、るかさんが自ら担当。制作にあたっては、どんなテーマがありましたか?

【ちばしん】 まずトラックは高校のときからお世話になっているトラックメイカーの方に作っていただいたんですが、「震災から10年経って、これからも前に進んでいく気持や希望、“いつも通りを取り戻す”という力強い曲にしたいです」とお願いしました。あと、東北楽天イーグルスのことも意識してましたね。2013年にイーグルスが優勝したとき、田中将大投手の登場曲がFUNKY MONKEY BABYSの「あとひとつ」だったんです。優勝を決めた試合を球場で観たんですけど、あの曲が聴こえてきたときに鳥肌が立ったことを覚えていて。すごく真っ直ぐだし、たくさんの勇気を与えてもらって……。「もういちど」もそういう曲にしたかったんですよね。

【るか】 楽天が優勝したときは、宮城、東北にすごい一体感があって。僕は中学の時バスケをやっていて、野球のことは良く知らなかったんですけど、それでもテレビに釘付けでしたね。

――初めての作詞はいかがでした?

【るか】 「こんな感じにしたい」というものはあるんですけど、なかなか言葉が出てこなくて。ちばしんは作詞の経験があるので、相談しながら時間をかけて書きました。

【ちばしん】 最初は「ポエムが出来た」って、恥ずかしそうに見せてくれました(笑)。自分のパートは自分で書こうと話していたし、いい歌詞になったと思います。

――グッと心に残るフレーズが散りばめられてますよね。まずは、るかさんの書いた「徐々に高く見える 不安の壁/肌で感じ 押し殺した声」。

【るか】 震災が起きたばかりのときは、僕も子どもながら絶望していて。でも、もっと被害が深刻だった地域のことを思うと、自分の気持ちを口に出せなかったんですよね。胸の内側に押し殺していたというか。そのときの思いを歌詞にしました。

■「大丈夫」と言い聞かせながらも、明けない夜が続いた……若い世代へ向けたエールとしても聴いてもらいたい

――ちばしんさんの「誰かの大丈夫に何度裏切られてだろう」も印象的でした。

【ちばしん】 震災の当時は全国からたくさん応援してもらえたし、自分でも「大丈夫」と言い聞かせていたんですが、なかなか夜が明けない状態が続いて。そのときのもどかしさ、苦しさを表現した歌詞ですね。震災のことだけではなくて、学生のみなさんには、部活だったり勉強だったり、いろんな壁を乗り越える力にしてもらえたらなと。

――10代の若い人たちにエールを送りたいという気持ちも?

【ちばしん】 はい。YouTubeのコメント欄に自分のことを書いてくれる人も多くて、ときどき悩み相談掲示板みたいなってるんですよ。そういう人たちの心の支えになれたらなって。

――ミュージックビデオは、いわき市の四倉海岸、郡山市の安積歴史博物館などで撮影。現在の東北の風景を見られるのも、素晴らしいなと。

【ちばしん】 1番は海、2番は学校の教室で撮りました。視聴者それぞれの状況によって、いろいろな思いを重ねられる映像になったと思いますね。

【るか】 撮影してくれた方がその場で編集してくれて、その映像が既にすごくきれいで。たくさんの方に観てほしいです。

【ちばしん】 YouTubeのオープニング映像を作ってくれた福島在住のクリエイターにお願いしたんですよ。“チーム東北”としてMVを作れたのも嬉しいですね。

――「もういちど」によって、アーティストとしての活動が本格的にスタート。ファンの方の反応も楽しみですね。

【ちばしん】 ふだんはこの髪色で学生服を着て替え歌を歌ってるので(笑)、最初はギャップがあると思うんですよ。でも、「もういちど」はすごくいい曲になったと思うし、繰り返し聞いてもらいたいなと。

【るか】 1年後、10年後も再生してもらえたらいいなと。ずっと聴いてもらえる曲にしたいですね。

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