今月20日、自身初のパーソナルブック『やぎら本』を発売した俳優・柳楽優弥。構想から約2年。ORICON NEWSでは、制作過程において断続的に取材を敢行。デビュー当時から応援してくれている人、近年ファンになったという人、そして、これから先の未来で“俳優・柳楽優弥”に注目して『やぎら本』を手に取る人に、届けたい思いを聞いた。
■コロナ禍で実現した同世代の俳優たちとの鼎談
――2004年カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の『誰も知らない』で、史上最年少(当時14歳)かつ日本人初の最優秀主演男優賞を受賞し、国内外から注目を浴びた柳楽さん。2020年3月26日に30歳の誕生日を迎えた節目にパーソナルブックを出版することになった経緯は?
【柳楽】20代後半のあたりから、個人的にも何か作品を出せたらと思っていたところ、ちょうど2年前くらいに、たまたま出版のスタッフさんから「本を出しませんか?」というお話をいただいたのをきっかけに、自然な流れで制作が進められていったという感じです。
実は、僕、10代の頃からジョニー・デップやレオナルド・ディカプリオら映画スターの写真集や本を買い集めていて。それを見たり読んだりするのが好きだったんです。部屋にジェームス・ディーンのポスターも飾っていました。エンターテインメントの世界で自分がやってきたことを振り返ることができるものを、形として残したいという夢がひそかにあっりました。だから、ようやく夢がかなった(笑)、というような喜びがありますね。
――同世代の俳優たちといえば、『ゆとりですがなにか』(2016年、日本テレビ)で共演した松坂桃李さん、岡田将生さんとの鼎談企画も『やぎら本』に収録されていますね。
【柳楽】そうなんですよ。新型コロナウイルスの影響で、写真集の発売が6月から9月に延期されて、楽しみにしてくれているファンの皆さんを待たせることになって、残念だな、と思っていたんですが、そのおかげで、一度はあきらめていた3人のスケジュールを奇跡的に調整することができて、実現したんです!
『ゆとりですがなにか』は、自分にとって大切な作品の一つですし、初めて宮藤官九郎さんの脚本の面白さを芝居しながら感じられたし、いい作品をつくりたいと思っている同世代の俳優さんたちと共演できたことが“宝”だと思っています。いい出会いをくれた作品です。
――ロングインタビューでは、過去の自分と向き合って、今の自分を語っていますよね。自分をさらけ出すのは勇気のいることだったのでは?
【柳楽】そう…ですね。生まれてから30年、仕事をはじめてからは15年ちょっとですが、振り返ってみると、僕自身としては、その時々で後悔しないようにやってきたつもりで、大きな後悔はそんなにないんですが、若干の恥ずかしさはありました。ちょっと太ってしまった時期や、芸能の仕事から距離を置いた時期もあって。いろいろなことがありましたけど、その分いろんな方との出会いもあって、自分のアイデンティティーが少しずつでき上っていったとも思うんです。そういう自分を出していっても大丈夫という自信がついたというか。
■俳優としていい景色を見せたい
――『誰も知らない』のイメージをずっとお持ちの方も多いと思いますが、『銀魂』から入った昔の作品を知らない若いファンにとっては“面白い”が勝るかも。『ディストラクション・ベイビーズ』のようなバイオレンスな作品に出ると武闘派のイメージを持たれたりしますよね。多種多様なキャラクターを自在に演じてきたからこそ、つかみどころがない。
【柳楽】そう、つかみどころがわからないってよく言われます。いままで素の自分を表に出すことをあまりせず、いい意味での無名性は強みだとも思っていたから。でも、12、13歳からこの業界にいて、20代も後半に入って、もう隠す必要もないな、と感じるようになったんです。素をオープンにした方が、つかみどころがない、と思われているより、監督や共演者とももっと良いコミュニケーションができるんじゃないか、お芝居もやりやすくなるんじゃないかと思うようになりました。
――『やぎら本』は柳楽さんの取扱説明書としても活用できそうですね。
【柳楽】僕のデビュー作『誰も知らない』の監督であり、自分の運命が大きく変わることとなった作品を手がけた是枝裕和監督とも対談させてもらって、自身の転機となった作品の話や、自分自身のこれまでを振り返った話、そして、これからどういう気持ちで俳優を続けていくべきなのかという未来についても、初めてしっかり話をさせていただいきました。いままで出してこなかったことなので、興味を持っていただけたらうれしいです。柳楽優弥の新しい一面を見て、ぜひ応援していただきたいです!
――今年5月より公開予定だった映画『HOKUSAI』が来年公開となり、7月より放送予定だった主演ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ)も来年に延期となり、新型コロナウイルスの影響を受けてしまいましたが、改めて30代を生きる意気込みを聞かせてください。
【柳楽】30歳の誕生日を迎え、新たなスタートを切った気分です。これからも才能あるいろいろな方と出会いたいと思っていますし、僕自身も俳優としてレベルアップしていく姿をファンの方に楽しんでいただけるような存在になりたい。是枝監督と対談した中で、「30代は俳優にとって、とても大事な時期。楽しく、面白い30代を過ごして」と言っていただいたので、頑張るのはもちろんなんですが、力み過ぎないように、いい感じで肩の力を抜いて、30代も一歩ずつ頑張っていきたいと思います。
感染症への警戒はしばらく続くと思うし、エンターテインメントの世界もコロナ前とコロナ後で変わってしまうこともあると思うんです。たとえどんな状況になっても、気持ちを強くもって、乗り越えていかないといけないな、って思っています。応援してくださっている人たちに、いい景色(作品)を見せられるように頑張りたいです。みんなで乗り越えていきましょう!
――是枝監督との対談の中で、「もう一度、三大映画祭に行きたい」と語っていた柳楽さん。世界中の映画ファンの喝采を浴び、祝福されている“いい景色”をぜひ、見せてもらいたい。“あなたの知らない”柳楽優弥が必ず見つかる『やぎら本』(2200円+税)は全国書店およびネット書店にて発売中。
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
■コロナ禍で実現した同世代の俳優たちとの鼎談
――2004年カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の『誰も知らない』で、史上最年少(当時14歳)かつ日本人初の最優秀主演男優賞を受賞し、国内外から注目を浴びた柳楽さん。2020年3月26日に30歳の誕生日を迎えた節目にパーソナルブックを出版することになった経緯は?
【柳楽】20代後半のあたりから、個人的にも何か作品を出せたらと思っていたところ、ちょうど2年前くらいに、たまたま出版のスタッフさんから「本を出しませんか?」というお話をいただいたのをきっかけに、自然な流れで制作が進められていったという感じです。
実は、僕、10代の頃からジョニー・デップやレオナルド・ディカプリオら映画スターの写真集や本を買い集めていて。それを見たり読んだりするのが好きだったんです。部屋にジェームス・ディーンのポスターも飾っていました。エンターテインメントの世界で自分がやってきたことを振り返ることができるものを、形として残したいという夢がひそかにあっりました。だから、ようやく夢がかなった(笑)、というような喜びがありますね。
――同世代の俳優たちといえば、『ゆとりですがなにか』(2016年、日本テレビ)で共演した松坂桃李さん、岡田将生さんとの鼎談企画も『やぎら本』に収録されていますね。
【柳楽】そうなんですよ。新型コロナウイルスの影響で、写真集の発売が6月から9月に延期されて、楽しみにしてくれているファンの皆さんを待たせることになって、残念だな、と思っていたんですが、そのおかげで、一度はあきらめていた3人のスケジュールを奇跡的に調整することができて、実現したんです!
『ゆとりですがなにか』は、自分にとって大切な作品の一つですし、初めて宮藤官九郎さんの脚本の面白さを芝居しながら感じられたし、いい作品をつくりたいと思っている同世代の俳優さんたちと共演できたことが“宝”だと思っています。いい出会いをくれた作品です。
――ロングインタビューでは、過去の自分と向き合って、今の自分を語っていますよね。自分をさらけ出すのは勇気のいることだったのでは?
【柳楽】そう…ですね。生まれてから30年、仕事をはじめてからは15年ちょっとですが、振り返ってみると、僕自身としては、その時々で後悔しないようにやってきたつもりで、大きな後悔はそんなにないんですが、若干の恥ずかしさはありました。ちょっと太ってしまった時期や、芸能の仕事から距離を置いた時期もあって。いろいろなことがありましたけど、その分いろんな方との出会いもあって、自分のアイデンティティーが少しずつでき上っていったとも思うんです。そういう自分を出していっても大丈夫という自信がついたというか。
■俳優としていい景色を見せたい
――『誰も知らない』のイメージをずっとお持ちの方も多いと思いますが、『銀魂』から入った昔の作品を知らない若いファンにとっては“面白い”が勝るかも。『ディストラクション・ベイビーズ』のようなバイオレンスな作品に出ると武闘派のイメージを持たれたりしますよね。多種多様なキャラクターを自在に演じてきたからこそ、つかみどころがない。
【柳楽】そう、つかみどころがわからないってよく言われます。いままで素の自分を表に出すことをあまりせず、いい意味での無名性は強みだとも思っていたから。でも、12、13歳からこの業界にいて、20代も後半に入って、もう隠す必要もないな、と感じるようになったんです。素をオープンにした方が、つかみどころがない、と思われているより、監督や共演者とももっと良いコミュニケーションができるんじゃないか、お芝居もやりやすくなるんじゃないかと思うようになりました。
――『やぎら本』は柳楽さんの取扱説明書としても活用できそうですね。
【柳楽】僕のデビュー作『誰も知らない』の監督であり、自分の運命が大きく変わることとなった作品を手がけた是枝裕和監督とも対談させてもらって、自身の転機となった作品の話や、自分自身のこれまでを振り返った話、そして、これからどういう気持ちで俳優を続けていくべきなのかという未来についても、初めてしっかり話をさせていただいきました。いままで出してこなかったことなので、興味を持っていただけたらうれしいです。柳楽優弥の新しい一面を見て、ぜひ応援していただきたいです!
――今年5月より公開予定だった映画『HOKUSAI』が来年公開となり、7月より放送予定だった主演ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ)も来年に延期となり、新型コロナウイルスの影響を受けてしまいましたが、改めて30代を生きる意気込みを聞かせてください。
【柳楽】30歳の誕生日を迎え、新たなスタートを切った気分です。これからも才能あるいろいろな方と出会いたいと思っていますし、僕自身も俳優としてレベルアップしていく姿をファンの方に楽しんでいただけるような存在になりたい。是枝監督と対談した中で、「30代は俳優にとって、とても大事な時期。楽しく、面白い30代を過ごして」と言っていただいたので、頑張るのはもちろんなんですが、力み過ぎないように、いい感じで肩の力を抜いて、30代も一歩ずつ頑張っていきたいと思います。
感染症への警戒はしばらく続くと思うし、エンターテインメントの世界もコロナ前とコロナ後で変わってしまうこともあると思うんです。たとえどんな状況になっても、気持ちを強くもって、乗り越えていかないといけないな、って思っています。応援してくださっている人たちに、いい景色(作品)を見せられるように頑張りたいです。みんなで乗り越えていきましょう!
――是枝監督との対談の中で、「もう一度、三大映画祭に行きたい」と語っていた柳楽さん。世界中の映画ファンの喝采を浴び、祝福されている“いい景色”をぜひ、見せてもらいたい。“あなたの知らない”柳楽優弥が必ず見つかる『やぎら本』(2200円+税)は全国書店およびネット書店にて発売中。
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2020/09/26