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木村拓哉とのび太の共通点 「あきらめない心」とは 『映画ドラえもん のび太の新恐竜』インタビュー

 2020年は「ドラえもん」のまんが連載開始から50周年、さらに1980年に公開された『映画ドラえもん』シリーズ第1作から、40作目『映画ドラえもん のび太の新恐竜』が7日より公開される。『のび太の新恐竜』は、のび太が双子の恐竜キューとミューに出会うことから始まる、全く新しいオリジナルストーリー。キューとミューの仲間の恐竜たちを探して、6600万年前の白亜紀を舞台に、のび太たちが大冒険を繰り広げる。

木村拓哉が声の出演『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(8月7日公開)(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

木村拓哉が声の出演『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(8月7日公開)(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

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 メモリアルな作品に華を添えるのが、ゲスト声優の一人、木村拓哉。音楽活動やドラマ・映画での俳優としての活躍ぶりは日本の誰もが知るところ。その中で、アニメ映画は2004年にスタジオジブリ『ハウルの動く城』(宮崎駿監督)のハウル役、10年『REDLINE』(小池健監督)に続き、10年ぶり3作目となる。

 本作で木村が演じるジルは、白亜紀という時代に存在するはずのない“猿”の姿をした、怪しい男。のび太たちの行動を監視する、物語のカギを握る大切な役どころだ。「ドッキリ企画かと思ったほど、驚きました」という木村に、自身と「ドラえもん」との出会いや子ども時代の話、『のび太の新恐竜』の見どころについて聞いた。

■あきらめない心を育んだのは剣道

――『映画ドラえもん』の出演依頼にとても驚かれたそうですね。

【木村】最初、ドッキリ企画を疑いました(笑)。でも、「ガチ」ということで、台本をいただいたら一つの仕事として、ほかの作品と同じように向き合っていくだけだったんですけど…。台本を読んで、自分の役のせりふにマーカーで印をつけて、といういつもの作業ですらご法度のような気もして。もしもドラえもんがいてくれたら…と想像していた世界に、ジルというキャラクターとして入ってしまったら、もう“もしも”ではなくなるっていうこともあって、「入っちゃっていいの?」というのもありました。

――アフレコはいかがでしたか?

【木村】声の演技では監督の「OK」を信じるしかないのですが、今回はドラえもんやのび太たち、声優の方々の声に引っ張ってもらえた気がします。また、絵のクオリティがすごくて、未完成にも関わらず感動しました。とにかく完成が楽しみです。

――そもそも「ドラえもん」との出会いは?

【木村】最初はテレビアニメだったと思います。小学生の頃は『コロコロコミック』でも読んでいました。頼りないのび太はまさに僕たちの代弁者で、その傍らにはいつもドラえもんが居て、「いいなぁ」って思っていましたね。幼稚園の頃から恐竜も好きだったので、『のび太の恐竜』も観に行ってました。なので、『のび太の新恐竜』に参加できるというのが本当にうれしかったです。

――恐竜も好きだったんですね。

【木村】恐竜図鑑が好きでよく見ていましたし、『のび太の新恐竜』の舞台である白亜紀の世界を想像し、のび太のように化石の発掘をした事もあります。好きな恐竜といったらT.レックス(ティラノサウルス)といいたいところですけど、空を飛べるプテラノドンが好きです。草食で最大クラスのブラキオサウルスやトリケラトプスもいいですよね。

――どんなお子さんでしたか?

【木村】外でよく遊んでいました。トム・ソーヤーにすごく憧れていて。冒険とおもしろいことに目がない子どもでした。「ドラえもん」でいうとモチベーション的に近いのはジャイアンかもしれないですね。「お前のものは俺のもの」という感覚はなかったですけど(笑)。

――『のび太の新恐竜』にはさまざまなメッセージが内包されていますが、その中の一つに、「あきらめない心」というのがあります。子どもの頃に、あきらめずに頑張った思い出はありますか?

【木村】水泳があんまり得意じゃなくて。でもスイミングスクールに通っているクラスメートが50メートルを軽々と泳いでいるのを見ると、泳げない自分が情けなくて、すごく悔しくて。それで、学校のプールの授業とは別に、市民プールで練習した覚えがありますね。大人も利用する深いプールで50メートル泳げるようになった時に達成感があったことを覚えています。

――そのあきらめない心を育んだものって…。

【木村】たぶん剣道だと思います。小学生の頃から剣道の道場に通っていたんですけど、稽古はかなり厳しかったので(笑)。でも、勝ちたいと思うなら稽古をするしかない。今になって思い返せば、あきらめない心を鍛えてもらっていたと思いますね。

■ドラえもん」は作風としては非常にパンクだと思う

――「ドラえもん」のどんなところに魅力を感じますか?

【木村】50周年ということで、ずっと人々の傍らに居続けることのすごさ。僕ら日本人のDNAの中に深く刻まれて当然だなって思います。そして、藤子・F・不二雄先生の先見性のある視点がすごいと思います

 ドラえもんのひみつ道具の中に「糸なし糸電話」(お互いにこれを持っていれば、糸でつないでなくてもお話しができる)というのがあって、それっていまでいう携帯電話。僕が子どもだった頃、漫画やアニメの『ドラえもん』を見て、あったらいいな、できたらいいな、と思っていたひみつ道具を具現化しようと研究や開発を頑張ってきた人が、この50年の間にたくさんいて、いままさに頑張っている人も、これからの人もたくさんいると思うと本当にすごい。

 一方で、ドラえもんはロボットなのに、喜怒哀楽があって、のび太が「助けて〜」と言ってきても、「ダメ」「イヤだ」と意外と拒むんですよ。ドラえもん自身が失敗することもある。そういうロボットらしからぬところもあって、作風としては非常にパンクだと思います。

――『のび太の新恐竜』の見どころは?

【木村】「のび太」は相変わらず「のび太」なところですかね。のび太って映画になると、急にカッコよくなると思っている人もいると思うけど、僕はテレビシリーズでも映画の中でも、のび太はのび太なりのエゴ、わがままを貫き通す。その点においては一貫していると思う。エゴのスケールが尋常じゃなく壮大だったり、カット割りやカメラワークの違いだったりで、美しく見えてしまうのが『映画ドラえもん』なんじゃないかなぁ。

 その映画も40作目ということで、親子で共有できる作品として『映画ドラえもん』は外せない存在になっている。自分の子どもが『映画ドラえもん』を観たらどう思うか、子どもたちの目にどう映るか、子どもの頃に『映画ドラえもん』を観てきたお父さん、お母さんなら自分も通ってきた道だからわかる。ひょっとしたら、人生経験をしてきた分、子どもより感動したり、今まで考えもしなかったような事に気づかされたりすると思います。

関連写真

  • 木村拓哉が声の出演『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(8月7日公開)(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020
  • ジル(声:木村拓哉)(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020
  • 『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(8月7日公開)(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

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