BANDAI SPIRITSは21日、「ガンプラ」（「ガンダム」シリーズのプラモデル）40周年の集大成の1つとして、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の劇中において、ガンダムの装甲材などに使用されている「ガンダリウム合金」を、アニメ設定にならい地球上で精製し、パーツに落とし込んだガンプラ『ガンダリウム合金モデル 1/144 RX-78-2 ガンダム』の予約受付を公式オンラインショップの「プレミアムバンダイ」内で開始。期間限定販売となり、今年12月より順次発送予定となる。

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　『ガンダリウム合金モデル 1/144 RX-78-2 ガンダム』は、ガンプラ40周年プロジェクト「GUNPLA LINK PROJECT」の1つである40周年の集大成となる商品を展開する“LINK THE FUTURE”より「素材の集大成」として発売するガンプラ。『機動戦士ガンダム』の劇中で、ガンダムの装甲材などに使用されている「ガンダリウム合金」を、アニメの設定にならい、チタニウム、アルミニウム、希土類イットリアを混ぜ、最新の金属成形技術で精製した。プラスチック製の内部フレームに、地球製ガンダリウム合金を装甲としてはめ込み、組み立てることができる。

　設定上のガンダリウム合金（ルナ・チタニウム合金）は、月面で精製されたチタン系合金。耐熱・耐蝕・放射能絶縁性に優れているだけでなく、ジオン公国軍モビルスーツの装甲材に採用された超硬スチール（鉄）合金に比べて4割も軽量かつ高硬度で、機動性・航続距離などに革命的な進化をもたらした。加工が難しいうえに高コストのため量産化のハードルが高いという問題もあったが、「RX-78-2 ガンダム」の初出撃で、120mmザク・マシンガンの直撃にも耐えながら、ザクIIを2機撃破したという記録が残されている。以降もガンダムが多大な戦果を上げたことで、有用性は証明され、終戦後、ガンダムの活躍から、「ルナ・チタニウム合金」は「ガンダリウム合金」と呼ばれるようになった。

　本商品では、本物への探求の第一歩として、まず「ガンダリウム合金」の定義を検証。設定上の合金は当初の名に「ルナ」が入っていたことから月で採掘された、高純度のチタンを用いたチタン合金とされており、その素材を低重力下である月面で還元精錬することでガンダリウム合金が完成する（諸説あり）。そのような特殊環境下で精製されたと考えられるガンダリウム合金を地球上で再現するためにはどうしたらよいのか。素材を精製している高純度チタンとイットリウムは地球上でも入手可能だが、精製の必須条件である月面同様の低重力下での溶解・鋳造を地球上で再現することは不可能だった。

　溶解・鋳造して合金を製造することは、地球上でも可能だが、細かいディテールやシャープさを出すのは困難だった。また、月面と同じ低重力下での精製は現実的に不可能。そこで、それらの条件をクリアするために発想を転換し、着目したのが“Metal Injection Molding（MIM）”法。MIM法とは、粉末材料を金型で成形したのち、拡散焼結することで一体化させて部品を得る技術で、拡散焼結のため1000度超に加熱はするものの溶解までは至らないので、重力による比重分離が起こらない。粉体を出発原料とするため、各種材料の複合設計が可能で、つまりチタンの粉末にナノサイズのイットリウム酸化物粉末を均一分散させ、焼結することができれば、月面のような低重力下での溶解精錬と同じ効果を得ることが期待でき、「ガンダリウム合金」を実現できるのではないかという考えに至ったという。

　その結果、初めて製品の精度と造形のバランスを取ることができ、月面上での条件に近い製法でガンダリウム合金を再現するということをMIM法という新しい技術で実現させた。こうして、唯一無二の配合により、地球製「ガンダリウム合金」が誕生した。

　パーツ数は合金パーツ47を含み、71個に。全高125ミリメートル。価格は22万円（税込、送料・手数料別）。