女優の杏が、23日発売の女性ファッション誌『SPUR』8月号（集英社）の表紙にイラストを描き下ろした。真っすぐに前を見つめる一人の女性のイラストで、誌面ではこの絵に込めた想いついてコメントを寄せている。

　今年4月、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令されるなど、国民が大きな不安を抱えていた時期に、杏はフォークシンガー加川良さんの名曲「教訓1」のギターの弾き語り動画をアップ。それを見た同号の五十嵐真奈編集長は「行動が制限される状況化であろうとも自分の思考はミュートさせてはいけない、それを気付かせてくれたのが、杏さんが勇気をもって発信したであろうあの歌であり、行動でした」と感銘を受けた。

　そして、「不透明な日々だからこそ、沈黙するのではなく声を発すること大切にしていきたい」という思いから、同号では100人の声を届ける“VOICE”特集を企画。100人の著名人に、自粛期間に考えたこと、これからのことついてインタビューを敢行した。

　杏は表紙のイラストについて「娘が大きくなったら、こんな感じかなという女性像です。彼女たちが大きくなったときに、きちんとものが言える世の中になっているか、ものが言えるような人格に育てていけるか、そういう想いでこの絵を描きました」と思いを打ち明けている。

　そのほか、俳優・吉沢亮、画家・ヒグチユウコ氏、お笑い芸人・バービー、ジャーナリスト・伊藤詩織氏、お笑いコンビ・EXIT、ミュージシャン・SUGIZO、Sexy Zone・マリウス葉、デザイナー・トム・フォード、ヴァージル・アブロー、K POPグループ・ASTROなど、さまざまなジャンルで活躍する100人が、声を届ける。

　五十嵐編集長は「一つの号で、これだけ多くの人たちにインタビューを試みたことはありません」と振り返りながら、「でも、この号はまだ未完成です。さまざまな“ボイス”があなたに届き、化学反応を起こし、もしくは醸成され、はたまたクラッシュとなり、新たな声となって何らかのかたちで外界に放たれたとき、誰かと共有されたときに、完成するものだと信じています。沈黙を破り、声を届けてくださった皆様の勇気へ、感謝を」と読者へ呼びかけている。