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今年は女優ではなくスヌーピー起用、ガーナが母の日に「ありがとう」言わなくなった理由とは

 『母の日は、真っ赤なガーナでありがとう』。お決まりのキャッチコピーで、長らく母の日需要を訴求してきたガーナ。これまでのCMでは、上戸彩長澤まさみ広瀬すずなどが、カーネーションや赤いチョコレートを持って「ありがとう」と伝えるスタイルが代々受け継がれてきた。しかし今年起用されたのは、スヌーピー。加えて、キャッチコピーは『母の日は、ママといっしょに。』。同CMがアニメキャラクターを起用し、「ありがとう」と言わなくなった理由とは。ロッテ・ガーナブランド課の成田彩子さんに聞いた。

■「母の日ガーナ」プロモーションの始まりは約20年前、きっかけは?

――ガーナチョコレートが母の日プロモーションを始めたきっかけを教えてください。

【成田彩子さん】食べて美味しいという商品訴求だけでなく、ガーナチョコレートを通じてお客様一人ひとりの思い出になる取り組みを作ろうと考えていました。最初はとても単純なことで、赤いカーネーションと赤いチョコレートの親和性が高く、『母の日は真っ赤なガーナでありがとう』をコンセプトに、ガーナチョコレートを通して普段は言いづらいお母さんへの感謝の気持ちを伝えるお手伝いをしようと、2001年より「母の日ガーナ」をスタートさせました。“ガーナチョコレートで日本中のお母さんに笑顔になってほしい”という想いをこめ、さらには、小さなお子様でも100円でできる母の日のプレゼントとして、今では多くの方に共感される取り組みができていると思っております。

――当初から、去年まで受け継がれていた女優の方々がお母さんに感謝を伝えるスタンスだったのでしょうか。

【成田彩子さん】母の日に赤いカーネーションと一緒に真っ赤なガーナチョコレートをプレゼントし、普段は言いづらい感謝の気持ちをお母さんに伝える姿をタレントさんに体現して頂き、「母の日は真っ赤なガーナでありがとう」というコンセプトを当初から続けて訴求してきました。

――2年前の浜辺美波さんら出演CMでは「ありがとう」という言葉が出てきませんでした。なぜでしょうか。

【成田彩子さん】2018年春より『愛だナ。ガーナ』という母子の絆を伝えるコミュニケーションに変更し、そのタイミングから浜辺美波さん、山田杏奈さん、久間田琳加さんの3人にキャラクターとして勤めてもらいました。母子の関係性は今までと変わってきており、母子の絆を伝える上で、「母の日はガーナにメッセージを添えて感謝を伝えよう」ではなく、いつも母子には絆があり、そのことを再確認できるような内容に変更いたしました。

■“母子関係の変化”に着目、子世代の人気タレントから親世代にも訴求できるアニメ起用

――今年のキャッチコピー『母の日は、ママといっしょに。』に込められた思いを教えてください。

【成田彩子さん】今の親子の距離感を大切に制作しました。一昔に比べ、“友達親子”という言葉があるように、「母親の言うことは絶対」という関係性から子どもの意志がより慎重されてきたり、ラインなどのコミュニケーションツールも増えてより距離感が近くなったり、親子の関係性や距離感は変化していると思います。検討を進めている中で、母親も子どもも本当に求めているものは「一緒に過ごすこと」であると気づき、今回のコピーとなりました。距離が近くなったといっても、まだお互いが話したいことは沢山あって、お互いがもっと相手の話を聞きたいと思っていると考えました。今までの母の日ガーナは、お母さんに普段言えない「ありがとう」を伝えようというコンセプトでしたが、今年はもう少し長い時間、お互いの話をする、そんな過ごし方をしてもらえればと考えております。

――今年のキャッチコピーは、春に実施されたアンケート調査も参考にされたんですよね。

【成田彩子さん】そうですね。今まで、母の日に感謝の気持ちを伝えるように促す役割や、普段お母さんに「ありがとう」を言えない子どもたちを応援する役割を担ってきましたが、今年は、子どもと母親の両者の目線に立ち、より母の日を楽しんでもらうことをプロモーションの目的に据えました。そこで、子どもと母親それぞれが「母の日」や母子関係をどう捉えているかを狙いとし、調査を実施しました。調査では母も子も、9 割以上が 「母子の仲がよい」 と答える一方で、6割以上の母親が、普段の生活において子どもと過ごす時間を増やしたいと答えました。調査結果を見て、昨今の母子の仲の良さに大変驚きました。普段から仲が良いにも関わらず、母親はもっと子どもと一緒にいたいと思っていることも意外でしたが、仲が良いからこそそう思うのかもしれないと納得の結果でした。

――ガーナの母の日CMといえば女優複数名を起用されるイメージが定着していたかと思いますが、今年一新されたのはなぜですか。

【成田彩子さん】今回の「母の日ガーナ」は、子どもと母親の両者の目線に立つことを目的としたため、どちらの世代にも広くガーナの想いが伝わるよう、あえてタレントを起用せず全世代に人気のあるPEANUTSキャラクターを起用しました。

■お母さんが求めているのはプレゼントじゃない?母の日も“モノ”から“コト”贈る時代へ

――バレンタインであれば“義理チョコ”、“友チョコ”、“自分チョコ”と時代によって新たなトレンドが生まれている気がしますが、母の日において近年の傾向やトレンドについて感じていることがありましたら教えてください。

【成田彩子さん】今まで、「母の日」には子どもからお母さんに何かプレゼントを渡すことが主流でしたが、最近では、モノではなく、一緒に何かをする「コト」をプレゼントする傾向も見られます。それは、前述の通り、昔に比べ母子の関係性がより親密になったからだと思います。なので、これからも時代と共に母子の関係性が変化していくにつれ、「母の日」の捉え方も変わっていき、様々なスタイルが誕生するのではないでしょうか。


 ロッテ以外でも、各社実施の母の日調査によると、子どもは「母の日にしたいこと」として「プレゼント」「外食」「旅行」などを挙げているが、母親の「子どもにしてほしいこと」の回答を見てみると、「一緒に過ごす」「電話やメール」という何とも謙虚な結果が共通して出ている。

子どもたちは“母の日は何か特別なことをしなければいけない”という意識があるのに対し、母親たちは“ただ一緒に過ごしたい”、“連絡くれるだけでうれしい”と思っている差の表れだろう。今年は外出自粛により旅行も帰省もできず、特別なことができない…と思っている人たちも、ガーナのキャッチコピー通り、直接「ありがとう」を言えなくとも、久しぶりに連絡をしたり、テレビ電話等で一緒の時間を過ごしたりするだけでお母さんたちは十分なのかもしれない。

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