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大林宣彦さんの妻・恭子氏が追悼コメント「彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった」

 今月10日に肺がんのため82歳で亡くなった、映画作家・大林宣彦さんの妻でPSC代表取締役の映画プロデューサー・大林恭子氏が追悼のコメントを発表した。

大林夫妻(左が妻の恭子氏)

大林夫妻(左が妻の恭子氏)

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 大林恭子氏は「私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は『眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない』と本当に眠りませんでした」と思い出の日々を振り返った。「まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の『ありがとう』をお伝えしたく存じます」としのぶとともに、ファンに感謝の思いを伝えた。

 2016年8月、末期の肺がんで余命3ヶ月と宣告された大林さん。“尾道三部作”と称される『転校生』(1982年)、『時をかける少女』(83年)、『さびしんぼう』(85年)などで知られ、新型コロナウィルスの影響により公開延期が決まったものの、最新作『海辺の映画館−キネマの玉手箱』の公開予定日に亡くなった。

■大林恭子氏コメント全文
この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました。
連日連夜、映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で「ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、お疲れさん、ありがとう」。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし「お疲れさま、ありがとう」と答えていました。数日前、真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中「岩井くん、手塚くん、犬童くん、塚本くんたちが映画をつないで平和な世の中に……」と、とぎれとぎれ聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉「ありがとう」。そして、監督が繰り返した「皆さん、ありがとう」を監督の遺言としてお伝えいたします。
私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は「眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」と本当に眠りませんでした。今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います。まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の「ありがとう」をお伝えしたく存じます。
「ありがとう」の言葉に、毎晩、私からも監督に「ありがとう、愛してる」と真夜中の涙。すると「お休み……」と返事が…。今頃ロケハンで未知なる道を見つけてくれていることと思います。

関連写真

  • 大林夫妻(左が妻の恭子氏)
  • 大林宣彦監督の最新作であり、遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC
  • 大林宣彦監督の最新作であり、遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC

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