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声優、新型コロナに感染 “三密”避けられない現場や収録中止に不安の声

 青二プロダクションは10日、所属声優の山下まみが新型コロナウイルスに感染したことを発表。山下も自身のツイッターで「無症状の潜伏期間に誰かに感染させてしまったのではないかと、不安な気持ちは拭えません」と思い明かした。感染経路、場所などは公表されていないが、声優の主な仕事である声の収録現場は『三密が避けられない』と現役声優より以前から言われていた。続々とアニメや映画の延期が発表される中、制作現場の環境はどうなっているのか? 声優たちが明かした声を改めて紹介する。

収録現場の環境や今後の仕事に不安を抱く声優たちの声

収録現場の環境や今後の仕事に不安を抱く声優たちの声

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 まず、青二プロダクションが発表した内容によると「山下まみが4月6日に実施したPCR検査の結果、昨日4月9日に新型コロナウイルス陽性であることが判明されました」「現在、本人に熱、咳などの症状はなく当初は異常を感じていた味覚、臭覚も徐々に回復してきておりますが、保健所の指導に従い自宅にて病気療養中でございます」と報告。

 続けて「弊社といたしましては、引き続き行政のご協力を仰ぎながらお客様、関係各位、所属俳優、弊社社員の安全確保を最優先に考え、感染拡大防止に全力を尽くして参ります」としている。

 また、山下も「現在、味覚と嗅覚以外は特に問題なく過ごしております。体調の変化を感じてからは、一切外に出ず、自宅待機をしておりました」とし「だからこそ、どうか皆様も、感染しないよう、そして、感染させないようにと、今強く願っております」と思いを伝えた。

 同じ事務所の古川登志夫も「青二プロは、事務所への立ち入り制限を早々に発令していた為、社内での拡散は無いようですが、周囲の方への安全確保の為に公表を決断されたとのこと。頑張れ!」「一刻も早い周知、拡散が求められる案件、事務所の対応の速さに頭が下がります」と公表を決断した本人の気持ちを汲み取った。

 これまで、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの声優たちは不安の声をあげていた。厚生労働省や各都道府県の知事などは、感染拡大を防止するために「密閉空間」「密集場所」「密接場面」の3つの「密」を避けるよう呼びかけている。しかし、声優の収録現場は広い場所もあるが、1つのマイクに対して複数人が使うこともあり、密集、密接は避けることが難しい現状がある。

 そんな現状に対して本名陽子は自身のツイッターで「わたしの職業の場合、収録時はエアコンも換気扇も止め、マスクを外し、大声を出したり泣き喚いたり、役によってさまざまです」「外画と呼ばれる吹き替え作品の場合、原音を聞くためのレシーバーもイヤホンも共有。(イヤホンは自身で持参することも有)マイクも入れ替わり立ち替わりになります。何と言ってもスタジオ内の人口密度の濃さと言ったら。休憩を多く取り、随時除菌や換気をしながらなんとか踏ん張ってますが…」(3日)と現場の厳しい現状を説明。

 続けて「声優だけでなく、スタッフも状況は同じで、密室の中で指示を出さねばなりません。声優との接触を避けたとしてもスタッフ間での接触は避けられない。納期などの問題もあるのは承知の上ですが、今はできるならばある一定期間、収録の延期を願いたいところです。クラスター発生しかねない仕事場だけに。本当にこわい。多くの声優たちがそう感じています」と訴えた。

 神谷明も「私たちの仕事場、スタジオは密閉空間です。また、アニメなどは、多人数が集って収録します。当たり前だったことなのですが、今はとても怖いです。なんとかならないものだろうかと、個人的に考えています」(3月30日)に打ち明けている。

 現場の動きは少しずつ変わっているそうで本名は「ありがたいことに、現場は少人数での収録に切り替わりつつあります」(3日)とし、神谷も「明日収録のアニメーション、制作スタッフのご厚意により、年配のキャストは全て抜き録りにしてくださいました。ご自分たちのリスクよりも我々の健康にお気遣いいただき、心より感謝いたします」(1日)と報告した。

 声優が感染しない対応として、大人数で行われる収録は「個別でやればいいのでは?」という意見がある。実際、あるアニメの現場関係者に対応を聞くと「例えば3人同時に収録するものであれば、一人ずつブースに入れて収録しています」と密集しないよう気を付けているが、「ただ、3人1回で済む収録が、3回になるわけですから、収録時間が延びるわけで…。スタッフも同じ空間にいるわけですから、演者さん含めて大変です」と話す。榎本温子も「まぁでも実際のところ一人一人とるとかはコスト的に無理だからやめるしかないんだよねアフレコ」(3月27日)と負担があることを伝えている。

 それでも彼女は、現在出演中のアニメ『カードファイト!! ヴァンガード』(先導エミ役)の現場で、役者側の意見をまとめたものを伝えたところ「少人数でのアフレコに変更してもらいました。急遽対応して頂いたスタッフさんには大変感謝です。また今後の収録に関しても役者が安心して作品作りができるように考えてくれるそうです。めちゃくちゃほっとした」(3月31日)とし「そんな風に役者側から意見を出せたのも、ヴァンガードスタッフさんなら話に耳を傾けてくれるだろう、寄り添ってくれるだろうという信頼があったからです」と感謝の言葉とともに制作に関わる全員で対策に取り組める方法を示した。

 しかし、“三密”の収録がなくなれば声優の不安がなくなるわけではない。松本梨香は「コロナで、アニメ収録が2週とびました。今まで、こんな事なかった…。見えない敵との戦い」(3月31日)と、新型コロナウイルスの影響で収録の仕事がなくなったことを説明。ほかの声優も同様にアフレコが中止&延期になったことを報告している。

 制作に影響が出てアニメの放送延期も発表される中、AbemaTVの声優バラエティー番組『声優と夜あそび』(3月13日放送)に急きょゲスト出演した置鮎龍太郎は「最近、暇じゃないですか、いろいろと中止になって。ちょっとでも一本でも多く仕事をね」と話すと、MCの関智一も「確かに! 我々もイベントが軒並みなくなってしまって。今はいいのですが、何ヶ月後のギャラが心配。やばいですよね」と生活を心配していた。

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