新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの人が自宅待機を余儀なくされていることから、人気声優たちが“声”で支援する動きが広がっている。梶裕貴、悠木碧のWEBを通した“朗読”支援に声優仲間たちも共感し、アニメ『僕のヒーローアカデミア』に出演していることもあって「ガチのヒーロー支援だ」「これぞ、我々が求めていたヒーロー」とファンから称賛の声があがっている。

　まず、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』鹿目まどか役、『ヒーリングっど◆プリキュア（◆＝ハート）』花寺のどか／キュアグレース役などで知られる声優・悠木碧が、自宅待機を余儀なくされている親子に向けに、絵本＆児童書の読み聞かせ企画を8日にスタートし、音声データ共有サービス「soundcloud」を通じて、第一弾『手袋を買いに』を公開した。

　これは、自身のツイッターにて7日、「ニュースで、自宅待機をがんばる親子の為に、絵本の読み聞かせを配信している大統領さんがいらっしゃる事をしり、すごくすてきだと思ったので私もチャレンジしてみようと思います」と呼びかけていた。この発端は、リモートワークと育児の両立をする親の負担を減らすために、イスラエルのリブリン大統領が、絵本の読み聞かせをテレビを通して行ったもので、世界中で話題となっていた。

　リブリン大統領の行動に共感した悠木は「著作権フリーの青空文庫さんから何か…と思っているんだけどオススメ教えてくれませんか！」と呼びかけると、ファンはもちろん、同業の人気声優・梶裕貴、竹達彩奈、高橋李依らから「実は、青空文庫さん作品の朗読、俺もずっと考えてたんだ！　いつごろ実現できるかわからないけど…今、自分たちにやれることやってかなくちゃね！」「こういう時だからこそ、私も何かできないかな、って考えてた！」「私もその活動、一緒にチャレンジさせて下さい！します!!」などと称賛や応援のコメントが相次いだ。（8日午前11時半現在、3.7万リツイート、10.8万いいね）

　そして『＃せいゆうろうどくかい』として、「こちらのタグで公開していければと思いますので、読み聞かせを楽しみにしてくださっている皆さんも、参加してくださる声優さんも、ぜひご利用ください！」とし、きょう8日に企画を本格的にスタート。

　午前10時に公開した第1弾『手袋を買いに』は、手袋を買いに人間の町に行く子狐の物語で、国語の教科書にもなるほどの名作。悠木が語り、キツネ親子を演じ分けている。人気声優による“声”の支援に「耳が幸せでめちゃくちゃ癒されました…ありがとうございます」「この素晴らしい朗読が全国の子供に届いて欲しいです」などと感謝の気持ちが寄せられている。（8日午前11時半現在1.2万リツイート、2.1万いいね）

　一方、『進撃の巨人』エレン役、『七つの大罪』メリオダス役などで知られる梶は7日にYouTubeチャンネルを開設し、政府から緊急事態宣言が発令され外出自粛が呼びかけられる中で、声優として“今、できること”として朗読を配信していくと発表。

　8日に自身のツイッターで「今、自分にできることを。僕はYouTubeチャンネルを設立し、Twitterと並行して朗読をしていこうと思います」とYouTubeチャンネル開設を報告し「声優仲間と話し合い、行動を起こしました」「不自由な時間を、少しでもあたたかく、楽しく過ごしていただけますように」と経緯を説明するとともに思いを込めた。

　配信した初動画では「今、自分に何ができるか、何をしていきたいかを考え、この度YouTubeチャンネルを設立しました」とあいさつ。「いろいろと不安な状況の中、自宅で過ごさざるを得ない小さなお子さんたちが、少しでも不自由さから解放され、楽しく、前向きになれるような何かができればなと思い、せっかく声優という職業に就いているのならば、ということで、ここで朗読をしようと決めました」と説明した。

　続けて「朗読はとても素敵な文化です。僕はまだまだ未熟の身ですが、ここでその魅力を僕自身が再確認しつつ、学んでいけたら」と展望を語り、「心を込めて読んでいきますので、お子さんたちはもちろん、おとなの皆さんも楽しんでくれたらうれしいです」と伝えた。朗読については「鋭意製作中ですので、今しばらくお待ちください」と呼びかけている。

　この発表にファンからは「緊急事態宣言が出た県なので、とても励まされました！　絶対見ます!!」「このような状況下で梶くんの心遣いとっても励みになります」といった反響を呼んでいる。