F-BLOOD、こんな時だからこそ「ポジティブ」に 全国ツアーは中止

 ミュージシャンの藤井フミヤ藤井尚之の兄弟ユニット・F-BLOODが3年ぶりにオリジナルアルバム『Positive』をリリース。このアルバムのレコーディングメンバーと今月25日から全国ツアー『F-BLOOD LIVE TOUR 2020』を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全日程の開催中止が決定(3月30日付で発表ずみ)。「芸歴37年で全国ツアーの中止は初めて」(フミヤ)という。

 自分や家族、大切な人の健康を守るため、感染症拡大防止のため、「STAY HOME」が求められている中、「ライブはできないけれど、家で聴くことができる新しいアルバムを届けられてよかった」(フミヤ)と、“ポジティブ”にインタビューに応えてくれた。新アルバムは、タイトル通りの明るく前向きな世界観を、スタンダードなバンドサウンドで表現した10曲を収録。全曲、作詞をフミヤ、作曲を尚之が手がけている。

――まさか世界中がこんな状況になるとは…。

【フミヤ】芸歴37年で全国ツアーの中止は初めて。体調不良で2回くらい公演中止はあったけど、こんなことになるとは誰も予想していなかったよね。タイトルは昨年のうちに決まっていたんだけど、いまとなっては『Positive』にして本当によかった、と思っている。

――3年ぶりのF-BLOODですが、再始動の理由はあるのですか?

【フミヤ】反省したのよ(笑)。1枚目『F-BLOOD』(1998年)から2枚目『Ants』(2008年)まで10年、さらに3枚目『POP ’N’ ROLL』(2017年)まで9年。このペースじゃ、あと2枚くらいしか出せない、って(笑)。これからは3年に1枚くらいは作っていきたい。

【尚之】この3年もあっという間だったよね。

――タイトルを『Positive』とした理由は?

【フミヤ】F-BLOODの「未来列車」をテーマソングとして3年間使ってくれていた『旅サラダ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)から、新しいテーマソングの依頼を受けたのがきっかけ。

【尚之】候補曲の中から番組側に選んでもらおうと思って、土曜の朝にふさわしい、明るく、前向きなイメージの曲をいくつか作りました。

【フミヤ】それにいい意味で引っ張られて、「ポジティブ」というキーワードが浮かんで、それがアルバムのコンセプトになった。歌詞も全曲、明るく前向きにいこう、と。マイナー系の曲で別れを歌っていてもどこか前向き。人生ドン底みたいな歌はゼロだね。こんな時代だけど、まぁ頑張っていこうか、みたいな感じで。

――1曲目から10曲目まですごく聴きやすくて、単純に上手いバンドが聴きたい人にもおすすめしたいですね。

【フミヤ】1曲あたり、3分ちょっと、と短いからね(笑)。全体的に奇をてらったアレンジもなく、新しくも古くもないスタンダードポップ。完全生音のバンドサウンドで“藤井兄弟の音楽”を楽しんでもらえると思う。

【尚之】私は歌とギターとサックスを担当しました(笑)。ライブとセットで考えてきたんですが、こうなったらアルバム推しで!

【フミヤ】ライブが中止になった代わりに、インターネット配信で何かできたらいいね。俺たちの音楽は、3人いればなんとかなる。

【尚之】できますね。ギター1本あれば。それで曲を作ってますからね。

【フミヤ】外出自粛の中でもとりあえず、『Positive』を聴いてもらって、気分だけでも明るくしてもらいたいね。

■全曲ミニ解説

1. 君を探しに

【フミヤ】これはもう前向き以外の何ものでもない。歌詞は『旅サラダ』のテーマソングに決まってから書いたんだけど、テーマは「人生は君を探す旅」ですね。
【尚之】こういうシンプルな曲が好きですね。

2. 君は太陽

【フミヤ】同じメロディの繰り返しって、「君を探して」もそうなんだけど、作詞家泣かせなんだよね(笑)。
【尚之】50‘sぽいシンプルなポップ。ちょっとロックンロール要素も入っている。そういう音楽を聴いて育ってきたので、自然に自分の中から出てきちゃう。

3. 遠い昔の話

【フミヤ】これはもう、若い人向きの歌じゃないよね。冒頭のメロディを聴いて、「それは遠い昔の話 君と僕だけしか知らない」って歌詞が出てきちゃったので。続く「もしもどちらかが失くしたとしたら それはひとりぼっちの話」というのがすべてだね。
【尚之】今の人は、まずこんな曲調は書かないですね(笑)。

4. 全速力

【フミヤ】この曲はAメロが尚之、サビが俺というF-BLOODならではの歌い分け。
【尚之】今回、デモで私は歌ってないんです。自分で歌うと音域が限られるじゃないですか、楽器だとそれが関係ないから。それで、キーが高すぎて私ではサビが歌えない、という(笑)。

5. ファイト!

【フミヤ】尚之のボーカル曲は今回、この「ファイト!」と「君は太陽」の2曲。
【尚之】歌唱力のレベルが兄とは違いすぎるので、歌唱力が求められる歌はもちろんとてもじゃないけど、私は歌えませんし、お断りしますけど、勢いよく元気に歌えるものだったらいけるかなって(笑)。
【フミヤ】完全に働く男性の応援歌的な歌ですね。「頑張れファイト!」からはじまって、「やればできる」って。笑えるくらい直球な歌。

6. 最後の晩餐

【フミヤ】これもいまどきない歌詞(笑)。サビの歌詞で「背中の開いたドレス」が出てくるけど、そういうドレスを着てレストランに行かないでしょ(笑)。バブルの頃のイメージだね。
【尚之】曲に関しては歌謡哀愁ポップスですね。

7. 二十六夜の朧月

【フミヤ】尚之が作ったメロディがどう聴いても、別れの歌にしかならなかった。それでも暗くしない(笑)。こういうマイナーの曲って、俺たちに似合うんだよね、チェッカーズ時代から。
【尚之】そうかもしれないですね。

8. One by One

【フミヤ】マイナーの曲が2曲続いた後、一気に明るく戻っていく。タイアップの候補曲の一つで、歌詞はちょっと気恥ずかしいくらい初々しい歌になったね。

9. さりげない唄

【尚之】これもすごくシンプルな曲ですね。
【フミヤ】これは夫婦のように、一緒に生きている二人の歌。

10. ポジティブR&R

【尚之】最後にこの曲入れようか、ってなった。
【フミヤ】すでにタイトルは『Positive』に決めていたので、「ポジティブ」を象徴するような曲がほしいな、と思ってこのめちゃくちゃ明るいロックンロールを入れました。いろんなことを皮肉りつつ、「だって人間なんだもん」って、ポジティブでしょ(笑)。

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関連写真

  • 藤井フミヤ(右)、藤井尚之(左)の兄弟ユニット・F-BLOOD (C)ORICON NewS inc.
  • F-BLOOD『Positive』(4月8日発売)

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