ABCテレビ・テレビ朝日系で29日放送の『大改造!!劇的ビフォーアフター　ポツンと一軒家を匠がリフォームスペシャル!!』（後6：57〜8：56）、レギュラー放送している『ポツンと一軒家』との初のコラボスペシャル。“ポツンと一軒家をビフォーアフターする”という企画で、両番組でMCを務める所ジョージと、ゲストに『ポツンと一軒家』のパネラー・林修、さらに女優の菜々緒とともに、築150年、問題山積みの古民家「物置になった家」の劇的な大改造を見守る。

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　今や日曜夜の看板番組の『ポツンと一軒家』と、かつてレギュラー放送していた『大改造!!劇的ビフォーアフター』。この2つの番組を制作しているのは同じスタッフで、いわば姉妹番組みたいなもの。今回のコラボスペシャルで紹介されるのは、『ポツンと一軒家』で昨年9月22日に放送され、大きな反響を呼んだ築150年の古民家。静岡県の北部、山を切り開いた中に広がる、美しい茶畑を見下ろす高台に、その家は建っている。

　この“ポツンと一軒家”は、番組史上最も危険ともいえる過酷な道中を経てたどりついた。その道のりは「命がけだよ！　この車じゃ絶対に無理！」「相当危険な道なので、車を停めて歩いて向かってください」と捜索隊が地元の人から忠告されるほど、断崖絶壁の山道だった…。その模様は『大改造！！劇的ビフォーアフター　ポツンと一軒家を匠がリフォームスペシャル！！』の直前に『ポツンと一軒家特別編』（後6：30〜6：57）として放送する。

　山で茶畑を営む、家の持ち主のSさん（55歳／依頼者）も今は家族（妻54歳、父80歳、母76歳、ほか）と麓に住んで、この家はずっと物置状態。『ポツンと一軒家』の捜索隊である加藤翔輝ディレクターが、昨年の取材で訪れた際、Sさんは彼がビフォーアフターのディレクターでもあることを知り、「うちもビフォーアフターでリフォームしてもらえたらなあ」と冗談がてらに相談。これをきっかけに、まさかのコラボが実現したのだ。

　依頼人は「『ポツンと一軒家』に出て、いろんな人が来てくれるようになったので、家族で手塩にかけて育てた“黄色いお茶”をたくさんの人に味わってほしい」と話す（この茶畑では、珍しい黄色いお茶が評判）。築150年のポツンと一軒家を再生し、おもてなしをするための場所へとリフォームしたい。そんなS家の願いをかなえるため、立ち上がったのが、同じ静岡が地元のリフォームの匠、松永務。4年前、加藤ディレクターがビフォーアフターで担当した波照間島の物件（2016年3月6日放送「雨も土も降る家」）も手がけた匠。自然素材を活用し、伝統的な文化の情緒を残しながら家族が心地よく暮らせる家に生まれ変わらせる。人は彼を「森の木の代弁者」と呼ぶ。

　数々の難問物件を手掛けてきた匠だが、“ポツンと一軒家”のリフォームは初めて。事実、番組で紹介されたように、家にたどり着くまでで、早くも苦労の連続。家への道のりは尋常ではない険しさだ。“番組史上最も危険”といわれた、細くて急な山道を車で上る。軽トラがなんとか一台通れる道幅で、ガードレールも柵もなく、運転を誤れば、すぐ横の崖に転落してしまう。これではリフォーム用の資材を運ぶだけでも命がけ。

　この道をクリアしても、今度は急こう配の坂道を20分以上歩かねばならない。匠は今でもフルマラソンに出場するほどの体力自慢の持ち主だが、さすがに途中で息が上がってしまう。匠は「ポツンと一軒家をビフォーアフターするっていうこと自体が、ハードルが高いです」と動揺を隠せない。しかも、やっとの思いでたどり着いた家の中は廃墟同然。一家がこの家に住んでいたのは、Sさんが小学3年生の頃まで。人が住まなくなってすでに約50年が経つ。物置と化した家の中は、老朽化が進んで荒れ放題だった。

　特に玄関を入ってすぐの居間は傷みが激しく、床が完全に腐って抜け落ている。北側の壁も崩れて、風が吹き込み、ほぼ外と変わらない有様だ。しかし家の建具を見た匠は「こういう建具はない。この建具を見た瞬間にいい建物だなって」と目を輝かせる。柱や梁が、森の木の代弁者、松永が感心するほど太くて立派な木が使われていたのだ。Sさんによると、この家はかつて林の中から木を切り出して作ったという。他にも、先ほど歩いた急こう配の道が、Sさんの父親の手作りだったなど、驚くべき事実が次々と判明する。

　匠が、半世紀近くもの間、閉ざされたままだった縁側の雨戸を開け放つと、美しい茶畑と、はるかかなたまで幾重にも連なる山々が広がる。その絶景を眺めた匠は、がぜん闘志がわいてくる。この朽ちていく家をなんとかしたい。そして次の世代に引き継がせたい。逆境になればなるほど燃えるのが匠のさが。今回、なんとか400万円までにリフォーム予算を抑えたいというSさんのリクエストをかなえるためにも、匠は持てるアイデアを駆使する。

　まずは築150年の家の構造補強から開始。腐った柱の補強では、別の角材で根元に接ぎ木をして耐震性を高めるなど、伝統的な技法を駆使する。また、解体で出たコンクリートの廃材を細かく砕き、砕石代わりにして地面いっぱいに敷き詰めるなど、匠は大量に出た廃材を徹底的に再利用し、奇跡のリフォームを実現していく。

　ほかにも、茶畑よりもさらに山の奥で栽培しているわさび畑で採れたてのわさびをその場ですり下ろして食べるわさび丼に、養殖しているイワナの卵をしょうゆと酢に2日間つけた“イワナのいくら”をたっぷりと乗せた、絶品の郷土料理を、Sさんが、自慢の黄色いお茶と共に、匠と職人たちに振舞うなど、リフォームを通した、ポツンと一軒家での触れ合いも紹介。

　クライマックスのアフターでは、古民家のあまりの劇的な変化に、「すごい！なにこれ！」とSさんはもちろん家族も大感激。お母さんは感極まって涙ぐむなど、熱い感動に包まれる。

　スタジオでも、MCの所は、匠の次々と繰り出される超絶的なリフォーム・テクニックに「えーっ！」と驚きの声を上げ、想像を超える感動のクライマックスに「すごいですね」と興奮。林は「こんなに素敵に仕上がるとは思っていなかったですね」と感心し、菜々緒も「感動ですね。神回ですね」と目を輝かせた。“ポツンと一軒家をビフォーアフターする”という前代未聞の挑戦は、人気番組の魅力をぎゅっと凝縮したような、濃密で、見ごたえのある初コラボ2時間スペシャルとなっている。