タレントの中居正広（47）が21日、都内で会見を行い、3月いっぱいで退所し、個人事務所『のんびりな会』を設立したことを発表した。この日、一番のサプライズは会見場に入るとすでに中居が先に入場していたカメラマンに囲まれ、なぜかすでに大量のフラッシュを浴びていたことだ。会見定刻より15分早く、中居は『フラッシュの点滅にご注意ください』のプラカードを手に報道陣を待ち構えていた。丸二時間に渡る会見にいたのは、これまでテレビの中にいた国民的スター“中居クン”そのものだった。

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　報道陣の質問にもNGというNGはほぼなく、結婚の可能性はきっぱり「無理ですね」と否定。SMAPのメンバーとのことや、解散騒動のことも包み隠さず自らの言葉で伝えた。なかでもテレビ朝日の草薙和輝アナウンサーが質問すると目を伏せ「NGで…」と芝居がかったと思えば、先に報告していたという東山紀之のモノマネを挟んだり、逆に報告しそびれたという城島茂にカメラ越しに謝ったりと完全なる独壇場、中居劇場を展開した。

　今から3年前、2016年1月18日に放送された『SMAP×SMAP』では5人が解散騒動を生放送で謝罪。これまでに見たことのない5人の姿はお茶の間にどんよりとした雰囲気をもたらしたことは否定できない。中居はこの件に「VTRも見ていませんし、どんなコメントをしたかも覚えていない。あれ以上でもあれ以下でもない。あの時あの瞬間がすべて。僕らの気持ちもくみ取ってもらいああなった。整理はできないところはもちろんあったし、騒動を抑えなければいけないというのはあった」と率直な言葉を交えて説明。

　解散についても「30年やっているなかで、夫婦も友達も家族もいくら仲良くたって噛み合うところ、噛み合わないところもある。5人5様あってその積み重ねでそうなった」と振り返り、メンバー間の“不仲説”については「なんで知ってるんだろうとは思いました！　よくご存知で！」と茶化しつつ、「当時の報道も見ていないですし全然わからないですけど、不仲でいいんじゃないですか？　本人たちがわかってればいいんです。自分たちがわかっていればいいこと。なにが出ていてもなんとも思わない。どうぞどうぞ、不仲でいいんじゃないですか？」とその言葉からは強い意志も感じられた。

　中盤では、写真週刊誌の記者からSMAP解散直後に「焼き肉屋で話し合った」と一部報道について内容を聞かれると「絶対に言わない！」とニヤリ。「言うわけないでしょ、飯を食べた時の話の内容。あなたには絶対に言わない、誰だか知りませんが！」と突っぱねてさらには「うちによく来るね〜、本当にしつこいよ、まじで！　去年、おととしか？　すごくなかった？　あのさ…買い物についてくるのはやめてもらえる？　恥ずかしいからさ。（社内に）言っておいてよ」と一喝してみせた。

　また、懐に忍ばせたジャニー喜多川氏の遺骨の入った小瓶を取り出して「当時の滝沢（秀明）くんに、僕（お別れ会に）行けなかったので、骨をかっぱらってくれと」と恩師への想いを覗かせ、その場をしんみりとさせながらも「今の（話題）じゃないですか？　サビは？」としっかりオチをつけていた。

　この一連の流れから2015年の5月に中居が『コカ・コーラ ゼロ』フルリニューアル発売記念イベントに登壇した際、3ヶ月前に亡くなった実父について囲み取材で対応した事を思い出した。その時も中居は「テレビで見ていて、『あんなこと聞かれてタレントさんかわいそうだな』と思ってたけど、自分になってみると、そんなにかわいそうじゃない。『オヤジの話は絶対聞けよ！』って言われてるの？」と記者をイジってすっかり自分のペースに巻き込んでいたのだ。

　きょうもその姿は顕在だった。「解散して3年、自分のメッキが剥がれているのもバレてきてる。SMAPや会社のブランドで好きにやってきましたけど、人より努力をかさねてきたわけではない」と謙そんする中居だが、3年経っても確かなトーク力は不変。時に立ち上がって素人である記者をイジってみせたり、“見せ場”を作ったり。その場を盛り上げる力はピカイチだけど、どこか人間くさい言葉ものぞかせる。これまで幾多の芸能会見に参加してきたが、まるで中居がMCの番組を見学しているかのような気分になった。そんなタレントは他にはいるだろうか。退社後、中居が“のんびり”しながらも活躍していくことを願ってやまない。