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ロック声優・谷山紀章、“異端児”異名を楽しむ 歌を嫌がる同業者へ愛の一喝「辞めちまえよ」

 アニメ『進撃の巨人』ジャン役、『文豪ストレイドッグス』中原中也役などで知られる声優・谷山紀章。そんな彼が全米の人気アニメ『ルーニー・テューンズ』の新シリーズで、世界的なロックミュージシャンのアクセル・ローズ(ガンズ・アンド・ローゼズ)本人役を担当する。「『せりふ』(声優)だけの仕事じゃたどり着けなかった世界があった」「嫌々歌う声優が居るのですが、『だったら辞めちまえよ』と思う」など、男性声優初の日本武道館単独ライブを成功させたロックユニット・GRANRODEO(グランロデオ)のボーカルとしても活動し“声優界の異端児”と呼ばれる彼に、「音楽」と「声優」について熱く語ってもらった。

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――数々のアニメや洋画の吹き替えを担当してきた谷山さんですが、本人を演じることは珍しいと思います。お話をいただいた時の心境はどのようなものだったのでしょうか。

 まず、「アクセル・ローズって、こういう仕事やるんだ」と思いましたね(笑)小さいころから『ルーニー・テューンズ』は、日本でもすごい認知度でしたし、好きで見ていたというより生活の一部にあったので、そのような作品に参加できることがうれしかった。今回は、日本だと『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』など国民的アニメにアクセル・ローズが出演するような感じ。僕も本人役で出演してみたい気持ちになりましたね。

 アニメの吹き替えをするのですが、ほかの作品と違い実在する“本人”の声を担当するということは大変貴重でした。洋画だと俳優さんが演じている役(キャラ)の声を担当するわけで、結局は第3の人物を演じる。今回はアクセル・ローズ本人をストレートに演じることになって、「俺、アクセル・ローズを吹き替えたよ!」と珍しく周りに言いたくなった。

 演技の仕方は洋画の吹き替えに近かったと思います。本人が「俺の曲を聴いてくれ」と静かなテンションで言っているところを、「ロック、しようぜ!」みたいな感じで自身の味を出すため張らせていただいた。誇張することは、声優として勝負みたいなのがある。ただ、ここまで誇張することは普段なく、海外アニメ特有のテンポがあったからだと思います。

――アクセル・ローズは“破天荒な問題児”と呼ばれていました。谷山さんもソロデビュー時には“声優界の異端児”というキャッチコピーがありました。

 当時は声優さんの中で本格的に歌う方が珍しかったということもあり、周りの大人たちが「異端児にしよう」的な感じで勝手につけられましたね〜(笑)。僕自身は破天荒、異端児だという意識はなくて、至って普通。そのキャッチコピーが独り歩きして「谷山紀章って破天荒なんだ…」と思われるのは、「別にいいけどさ…」くらいの心境でした。

 ただ、そういう環境を自身も面白がっている節はありますね。「周りから面白がられてなんぼの世界」だと思っているので、「こういう人間なんです!」と訴えるよりかは、受け身を取り「僕、破天荒じゃないんですよ〜!」と言ったりするのが楽しい自分が居る。

 ライブパフォーマンスにおいても、アクセル・ローズから強く影響を受けたわけではありませんが、色んなロックボーカリストを見て「この立ち振る舞いはカッコいいな」などと、ファンではなく歌手としての見方をするようになりました。

――50歳を過ぎてもロックな活動をしているアクセル・ローズ。谷山さんもGRANRODEOとしてアーティスト活動をしていますが、歌手活動のおかげで元気に声優業を続けられているモチベーションなどがあるのでしょうか。

 「二刀流」など適切な言葉がわかりませんが、歌手活動があり声優業のモチベーションは確かにあります。生涯プレイヤーとして活動していく想いがある中、自身は「歌」(歌手)と「せりふ」(声優)をわけて考えていて、「せりふ」だけの仕事じゃたどり着けなかった世界があった。2つの表現方法は違うものですが、相乗効果が生まれていると実感しています。

 今の声優さんの中で「私、歌が苦手なんだけど…」と嫌々やるスタンスの人が居るのですが、望んで歌手活動を始めた僕からしたら厳しい言い方ですが「だったら、辞めちゃえよ!」と思ってしまいますね。歌に失礼だと。

 声優さんが歌うことは珍しくない時代になりましたが、僕が歌手デビューした時代(2005年)だとまだ珍しかった。「声優なのになぜ歌うのか?」みたいな業界の中で戸惑いの雰囲気はありましたが、僕は歌いたくて仕方がなかった。逆に「やっと来たか! ついに俺を見つけてくれたか!」と、意気揚々に「世の中よ、俺を知れ!」と戸惑いなく取り組みました(笑)。

■『新ルーニー・テューンズ』作品概要
 イタズラ好きなバッグス・バニーが、ワイリー・コヨーテなどのキャラクターたちとともに、機転の早さと陽気さを武器に、新たな敵に対してイタズラを仕掛けていくストーリー。アクセル・ローズ出演エピソードは、dTVチャンネルのアニメ専門チャンネル『ブーメラン』で7月28日に配信される。

関連写真

  • (左から)音楽ライターの増田勇一氏と声優の谷山紀章 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ルーニー・テューンズ』新シリーズの場面カット (C)A Looney Tunes Production.  Copyright 2019 Warner Bros. Entertainment Inc.  All rights reserved.
  • 『ルーニー・テューンズ』新シリーズの場面カット (C)A Looney Tunes Production.  Copyright 2019 Warner Bros. Entertainment Inc.  All rights reserved.

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