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イラストに見えるガンダムプラモ、「Zガンダム」と「百式」を“80年代風アニメ塗り”で制作

 今年40周年を迎えた『機動戦士ガンダム』シリーズ。世界的にも人気な強力IPだが、その礎となったのは1980年代前半のガンプラブームだ。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの“匠の技術”について、トップモデラー・今日氏にインタビュー。まるでイラストにしか見えない『イラスト風ガンプラ』について、技術の習得方法や、モビルスーツ・百式&Zガンダムへの想いを聞いた。

“80年代風アニメ塗り”で「百式」と「Zガンダム」を再現/制作:今日 (C)創通・サンライズ

“80年代風アニメ塗り”で「百式」と「Zガンダム」を再現/制作:今日 (C)創通・サンライズ

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■百式はワカメ影がよく映えるため、アニメ塗りの練習に最適

 「イラスト風模型」の第一人者である今日氏に、この技法にはどれ位の種類があるのかを聞いた。

「イラストと一口に言っても、写実系や抽象画、デフォルメして簡略化したもの等多岐に渡ります。このイラスト風塗装は絵の技法をそのまま持ってきてるので、絵の塗り方の種類がそのまま挙げられると思います。アニメ塗り、厚塗り、絵画風、ボックスアート風、マンガ風、水彩風、色鉛筆塗り、鉛筆スケッチ・デッサン風、点描画風など…。個人名の画風はいくらでもあるので、挙げればキリがないですね」

 よくプラモの塗装で使われるウェザリングも、汚れやサビ・傷跡等を描き込んだり、パステルでホコリを入れたりしてリアリティを出したものでイラストを描くのと一緒。そういった意味では写実系、リアル寄りの技法だと今日氏は説明した。

 イラスト風模型に挑戦するにあたっては、アニメーターやイラストレーターの画集、ロボ絵師のイラスト、アニメ作画…など、資料を見ながら作るというのはとても大事だと強調する。「イラスト風塗装の塗り方がわからなければイラスト畑の方の作品を見て参考にするのが一番の早道だと思います」

 これまでさまざまな画風にトライしてきた今日氏だが、今回紹介している百式(機動戦士Zガンダムに登場)は、過去作の中でも思い入れは強いとのこと。

「百式は80年代風アニメ塗り…俗に言うワカメ影が映えるので、ワカメ影塗装の練習にもピッタリでした。この作品を公開した際、SNSで話題にしてもらえましたが、百式人気の高さも実感しました。金色という衝撃的なカラーリングやシャープなデザイン、そしてクワトロ(シャア・アズナブル)が乗った期間が長かったのもあるのではないでしょうか」

■アニメ塗りZガンダムは、「イラスト風模型」を定義づけした草分け的存在

 今日氏が制作した「アニメ塗りガンプラ」作品の中で、百式と同様Zガンダムも高い評価を受けている。本作に対する想い入れについても詳しく聞いた。

「アニメ塗りを最初に始めたのが2016年の頭頃で、このZガンダムは2年目の作品。制作した作品数では大体30作目くらいだと思います。当時は「イラスト風模型」というジャンルすら定義されていなくて、こういう作り方もある、くらいにしか思っていませんでした。これは名前を付けて広めるべきって話が出て、このZガンダムを制作して1ヵ月くらいしてからだったと思いますが、その時に「イラスト風模型」と名付けました」

 つまり、このZガンダムが「イラスト風模型」のジャンルを定義する草分け的な作品なのだという。とはいえ、プラモにワカメ影を塗ったらどうなるか…という実験的意味合いの強い作品だったため苦労した部分も多かったようだ。

「僕は以前、メカのイラストも趣味で描いていて、その時にこのワカメ影を塗ったりもしていたので少しは経験がありましたが、それでもどのような影のパターンにするか、まして立体に塗るにはどのように塗ればいいのか試行錯誤しました」と、当時を述懐する今日氏。ワカメ影は80年代の塗り方のため資料も少なく、習作だと割り切って気軽にノリと勢いで仕上げることで、本作を完成させたのだそう。ちなみに、このワカメ影Zガンダムは現在「池袋ヤマダ電機」の7Fに展示されており、現物を直に見ることが可能だ。

 最後に、「イラスト風模型」を成功させるためのアドバイスをもらった。

「数をこなして経験を積むのが一番だと思っています。僕自身も現時点で100体近く作っています。『イラスト風模型』にチャレンジする方で、いきなりプラモに直接塗られる方が多いのですが、元々が絵の技法ですからまずは設定画などの塗り絵で試しに塗ってみて、イメージを固めた方が塗りやすいと思います。角度限定でカラーの資料の影をそのまま見て写して塗るのも練習にはいいでしょう」

(C)創通・サンライズ

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