ORICON NEWS

SNSで拡散の感動投稿「妻が願った最期の『七日間』」を楽曲化 クミコ&酒井政利氏がタッグ

 昨年3月、朝日新聞の投稿欄「声」に掲載されSNSで大きな話題を呼んだ「妻が願った最期の『七日間』」が、歌手・クミコと音楽プロデューサー・酒井政利氏のタッグで楽曲化され6月5日に発売(タイトル同じ)されることが24日、わかった。作詞はジブリ映画『千と千尋の神隠し』の主題歌「いつも何度でも」で知られる覚和歌子。作曲はAI「Story」やLittle Glee Monster「はじまりのうた」などを生み出したヒットメーカー・KEN for 2SOUL MUSICが手がける。

(左から)クミコ、酒井政利氏

(左から)クミコ、酒井政利氏

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 楽曲の元になったのは、妻をがんで亡くした男性・宮本英司さんが、病室の枕元のノートに妻の容子さんが「七日間」という詩を遺したことをつづった投書。詩は、命が尽きる前に“七日間”元気な時間がほしいと神様にお願いし、七日間でやっておきたいことが切々とつづられている。投書はSNSでも紹介され、瞬く間に19万もの「いいね」が付くなど多くの人の感動を呼んだ。後日、サンマーク出版より書籍化され、ロングセラーを続けている。

 今回の楽曲は、英司さんがクミコに直接依頼し、実現したもの。クミコが昨年リリースした「最後だとわかっていたなら」をテレビで知った英司さんは、妻の最期の想いを歌としても残せないかと願い、手紙と書籍をクミコに送った。朝日新聞の投稿を知っていたクミコは、投稿者である英司さん自らの連絡に驚き戸惑いもしたそうだが、新曲の制作を進めていた酒井政利氏に提案。酒井氏も共感を示し「妻が願った最期の『七日間』」を新元号最初のプロデュース作品として制作することを決めた。

 クミコは「私はこれまで人の生死を扱った歌をたくさん歌ってきました。自分から選んだというより、歌の方から集まって来てくれたと思えるようなこともありました。ですから、著者の宮本さんから、いつかこの話を歌にしてくれたらというメッセージをいただいた時には、背筋の伸びるような使命感を覚えました」と今作への思いを明かす。「今は、より広い世代へ届く愛の歌になることを、ただ願うばかりです」と、多くの人に届くことを望んでいる。

 昭和から平成にかけ数々のヒット曲を手がけてきた酒井氏だが、初めてレコード大賞を受賞した青山和子「愛と死をみつめて」(1964年)も、当時大学生だった河野(マコ)と軟骨肉腫で21歳の生涯をおえた大島(ミコ)の3年に及ぶ往復書簡をもとにした書籍がモデルであり、運命的な巡り合わせを感じたという。

 今回の「七日間」に関しては「書籍を初めて読んだとき、さりげない文章なのですが、それが逆に心に強く刺さり、感動しました。人を想う心、相手を思いやる愛情の深さが見事に伝わる本でした」と絶賛。「新元号の『令和』には『人を思いあう気持ち』という意味が強く含まれています。しかし今の時代、お互いに想い合うことが生活の中で欠けてしまっているように感じるので、生きる上で最も大事なことをこの歌に託しました」と語っている。

関連写真

  • (左から)クミコ、酒井政利氏
  • 「妻が願った最期の『七日間』」ジャケット
タグ

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索