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小林由美子、「野原しんのすけ」受け継いだ覚悟と“運命”のバトン

 昨年7月よりテレビアニメ『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役を引き継いだ声優・小林由美子。19日に公開されるシリーズ27作目『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』で劇場版に初出演する。2児の母として、「家族」がテーマの今作で「みさえに励まされる」と作品に共感する部分を熱弁。さらに、小林の前にしんのすけ役を担当していた矢島晶子に対しては「デビュー当時、声を死ぬほど聴いて学んだ」というほど、自身の原点として尊敬の言葉があふれた。「野原しんのすけ」のバトンを託された当時から今に至るまで、心境の変化を語ってもらった。

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■任されて10ヶ月…「子どもたちの耳に残る」大役への責任

――しんちゃんを演じて10ヶ月近く経ちました。当時と今の心境に変化はありますか。

 国民的な作品に出演し、誰もが知っている役を務めることは声優として夢。子どもたちの耳に残るような役を任されたい想いがずっとありました。任されて、まだまだ緊張はしていますし、大役を務める「責任」は常に感じています。そんな中、初回の収録の時からキャストやスタッフの方々が温かく出迎えてくれて、演じやすい環境を作ってくださいました。

 特にデビュー当時からお世話になっている、ひまわり役のこおろぎさとみさんが「ようこそ!」とギュッと抱きしめてくれた時は涙が出てしまい…(笑)こんなに、やりやすい環境を作ってくださるなんて本当にありがたい気持ちでいっぱいです。今では現場での野原一家やカスカベ防衛隊との掛け合いを楽しみにしている自分がいて、『クレヨンしんちゃん』という笑いあふれる作品に助けられています。

――小林さんは他作品で男の子役を担当する機会が多いと思います。その中でしんちゃん役を務めることに、特別な想いはありましたか。

 私自身、熱血でとにかく声を出す元気な男の子役を担当する機会が多く、しんちゃんのような“ひょうひょう”“マイペース”な男の子をあまり演じたことがありませんでした。ただデビュー当時、男の子役を「どう演じればいいのか」と勉強する際、アニメだけではなく外画(洋画)でも通用する男の子の声を目指すため、色んな声を聴いて研究していました。

 そこで「子役の声には敵わないな。それでも通用する男の子の声を出せる方は誰だろう」と考えていた時、矢島晶子さんの『ホーム・アローン』シリーズのケビンの声に出会って。「男の子の声にしか聴こえない」と衝撃的で、デビュー当時は死ぬほど聴いて、自分で何度も声を出していました。その時は20年後、矢島さんから同じ役のバトンをもらう形になるとは夢にも思いませんでした。

 自身の教科書にして目標であった方でしたので、しんちゃんの声を出す練習をした時に、デビュー当時を思い出しました。なので、役のお話をいただいた時は「恐れ多い」と思いながらも「やらせてください!」と即答してしまっていました(笑)。身体が反応して口から自然と言葉が出たように思います。声優としての原点、尊敬している矢島さんと同じ役を担当することになり、点と点が繋がったと、運命を感じています。

■しんちゃん“らしさ”学び「新たな一面を見せていけたら」 役作りに娘の辛口意見も

――思い入れの深い役を担当する形となり、改めて自身にとっての“しんちゃん”とは。 矢島さんが26年間演じてきたイメージは、ファンの中に残り続けると思います。矢島さんのしんちゃんで育った方の思い出は超えることはできないと思っています。でもいつか、お茶の間に“小林しんちゃん”が浸透して、しんちゃん=小林由美子になれるように日々勉強中で、これから『クレヨンしんちゃん』を見てくれる方の思い出の一部になれたらと思っています。

 「クレヨンしんちゃん」の過去の映像で勉強していると、「声を張っているのに、ひょうひょうとしている」「どんな場面でも深刻な雰囲気にならない」といったさじ加減が絶妙。劇場版だと特に感動シーンが多いので、私の場合は過去のキャリアの影響もありついつい熱血感が出てしまうのですが、私には到底思いつかない表現をされていて、「なんでこのような芝居ができるのか」と自身に足りない部分を見せられて、改めて天才的で偉大な方だと感じます。

 これまで作り上げられてきた“しんちゃんらしさ”を大切にしながら、“野原しんのすけ”というものを自身の中にうまく取り込んで、新たな一面を見せていけたらと思っています。「俺に付いて来い!」といった熱血&元気な少年役を多く務めてきた私ですが、しんちゃんは「付いて来れば〜?」という感じで今まで演じてきたことのないタイプ。まだまだ声優として演技の幅を広げられる挑戦で、とてもやりがいがあります。

――しんちゃんの役作りは、他作品での少年役ともアプローチが違うと思います。

 自然な声を目指すため、家庭の日常会話をしんちゃんの声でしたりしています。子どもたちは困惑していました(笑)。娘の方は私の職業を何となく理解していて、最も身近な評論家です。娘は2話のアニメを見ていた時「ママさ〜、ちょっとしつこい」「ここ早口!」とか言ってくれる辛口ご意見番(笑)。「クレヨンしんちゃん」を実際に見ている子どもたちと同じくらいの年齢なので、いち視聴者の意見という感じでありがたいです。

■2児の母としてみさえに共感 ママ“あるある”に快感と救われる部分も

――初の劇場版出演。アニメ版は“笑い”、劇場版は“感動”要素が強い『クレヨンしんちゃん』ですが、作品の面白さや演じる側で意識したことは。 私自身、過去の劇場版を観ていて、どの作品も笑えて泣けて、考えさせられてハズレなし。今回は勉強のために改めて観直したのですが、途中から「次は、どれを観ようかな〜♪」と仕事を忘れてしまいました(笑)。個人的には『ヘンダーランドの大冒険』などが好き。劇中に出てくるせりふ「なんかちょっと変だよ」が、一時、私の家庭の中で流行しまして、会話の中で何に対しても「〇〇、変だよ〜」と付けていました。昔観た作品も改めて観ると、面白さの感じ方が違ったりして、長年愛され続けている作品の偉大さを感じました。

 アニメと映画では関わるスタッフも違うので、最初はとても緊張していましたし、「いつも以上に頑張るぞ!」と肩に力が入っていました。ですが、監督から「いつも通りの『ひょうひょう』としたしんちゃんが、少し飛び出る感じでいい」と言われまして、緊張もほぐれ、テレビアニメのしんのすけをそのままを演じることが出来ました。

 ただ、みさえ母ちゃんに普段は言わない一言があったりなど、今作が「家族」がテーマなのでいつも以上に「絆」は意識したと思います。舞台もオーストラリアでスケールが大きく、映画ならではの感動と笑いもたくさん詰まった作品なので子どもはもちろん大人も絶対に楽しんで頂けると思います。

――小林さん自身も2人の子どもを育てる母親です。作品に対して共感した部分や特別な想いはありましたか。

 みさえ母ちゃんの荷物が多いところは「わかる!」と共感しました。旅行に出掛ける時、世の中のママさんのリュックはすごく重い。自分が使う物だけではなく、子どものおもちゃやオムツなどあるので、2泊3日の国内旅行でも一般の方がヨーロッパへ10泊くらい行くほど荷物になる(笑)。子どもが「トイレに行きたい!」と言うタイミングの悪さなど、細かいところが劇中で描かれているので、ママの「あるある」ボタンを押したくなる快感がありました。

 あとは、みさえ母ちゃんに励まされます。子どもは成長の過程でどうしても生意気なことを言ったりするので、現実だと深刻に悩んでしまう場面がありますが、彼女は持ち前のパワフルさ、明るさ、ガッツでそれを笑いに変える。その姿を見て「これくらいのことで悩んでいてもしょうがないよな〜」と母親視点で助けられている部分があります。アニメや映画を見終わると、ちょっと子どもに優しく接する自分が居たりします(笑)。家族とともに見て、それぞれに楽しめたり共感できるシーンがあり、そして一緒に笑える。本当に素敵な作品だなと思いますし、そんな作品に携われていることを日々幸せに感じています。

【映画あらすじ】
舞台はオーストラリア。結婚後、新婚旅行に行っていなかったひろし&みさえだが、ある日、みさえが家族で“参加OK”の激安新婚旅行ツアーを見つけ、野原家一家全員で参加することに。しかし、旅先で待っていたのはラブラブファイヤーなハッピーハネムーンではなく…モーレツデンジャラスな大冒険だった…!

(取材・文/櫻井偉明)

関連写真

  • アニメ『クレヨンしんちゃん』で野原しんのすけ役を担当している声優・小林由美子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
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  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』の場面カット(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019
  • 『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』のメインカット (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

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