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ACT ONE AGE藤家和依が問う“勝者”の意味 3ヶ月連続リリース第2弾

 2018年の12月からオリコンミュージックストア独占3ヶ月連続配信シングルを企画中の藤家和依のソロプロジェクトACT ONE AGE。今回のインタビューでは1月27日に配信となった第2弾作品「WINNER」について語ってもらった。“勝者”という意味を持つこの曲は、強い同期音から幕を開ける戦闘的なヘヴィ・ロック。自らの弱さを克服し、前へと進むことを選んだ決意を感じさせる藤家の未来へと向かう叫びと重なり合う高い温度を放つコーラスは、聴き手にライブの光景を鮮明に描かせることだろう。「WINNER」に込められた真意とは―?

ACT ONE AGE藤家和依

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――今作「WINNER」を作る上で考えたこととは?
「今作はライブで盛り上がる曲というのを前提に作りましたね。お客さんとライブで盛り上がって一緒に叫ぶことが出来るというのを一番にイメージしながら作っていったんです。コーラス部分とかガヤの部分はライブでみんな一緒に叫んでほしいとこでもあるんですよね。敢えてミックスもライブっぽくしたという工夫もあって。」

――ギターの音色もそうだよね。
「ですね。よりライブを意識してるかも。」

――最近作った曲なの?
「いや、原曲は2、3年前に作ってて、その時のタイトルは『Memories』だったんですよ。全く原形ないんだけどね(笑)。でも、その時のギター音をそのまま使ってる感じではあって。素材的にはね」

――なるほど。でも、タイトルからいって「Memories」は柔らかい感じを受けるけど、「WINNER」は逆に力強い印象じゃない?
「たしかにね(笑)。『Memories』を作った頃に、ちょっと頑張ってる感が出ちゃったっていうか、自分の中で納得いってなくてずっとライブでもやってなかったんですよ。」

――それは音的に? 歌詞的に?
「全部かな。その当時の自分にとっては、憧れじゃないけど、英語を歌詞の中に入れようと必要以上に思っちゃったんです。そういう意味でちょっと背伸びしちゃってたというか。自分が本来やろうとしていた音楽とは違う方向性になっちゃったんです。そうしたことで、自分的にも気づけたところがあって。改めてちゃんと“日本語”を伝えたいなって思ったんです。そういう意味で自分の中で『Memories』は、封印したんです。でも、今の自分だったら書けそうな気がしたんで、もう一回蘇らせたんです。ガッツリ編曲しちゃったんで、原形ないし、全く違う曲なんだけど。」

――でも、そこに原曲に託した魂があるかどうかで、随分変わってくるんじゃない?
「うん。それはあると思う。それもあって【WINNER】は、レコーディングの前日までメロも変わってたからね。前日で本当に全部を変えた勢い。ほんと今回、直前までずっとバタバタしてた感じ。歌詞もずっと書けなくて悩んでたんだけど、筆を走らせたらサラサラって書けたんですよ。1週間もかからなかった。」

――「Memories」の歌詞はどういう心境を歌った歌詞だったの?
「反骨精神って感じかな。ん〜、反骨精神ならいいんだけど、自分的に反骨精神にも至っていない愚痴を並べているだけな気がしちゃったんです。でも、最後は希望を与えるような曲ではあったんですけどね。

アーティストの形にもいろいろとあって、年に何回シングルとアルバムを出してっていうのが決まっていて、年間30曲作ろうというアーティストもいれば、1曲入魂で1年に1、2曲しか出さないっていうアーティストもいて。僕は確実に後者の方なんですね。ストックはたくさんあるし、どんどん新しい曲も作っていってるんですけど、大量生産型ではなくて。納得いかないと外に形として出したくはないから、ずっとストックしちゃうんです。『Memories』を作った時の手応えとしては、行けると思ったんですけど、やっぱ自分の中で背伸びしている感が否めなくて。感覚的にね。らしくないっていうか。らしいんだけど、らしくないみたいな。もっともっと自分らしいものが書ける気がして封印したんです。自分の中ではずっと『Memories』の感覚で曲と歌詞を作りたいと思っていたので。『WINNER』自体は1年くらいかけて作っていたんです。」

――大事な曲だったんだね、藤家くんの中で。
「そう。すごく大切にしたい感覚だった。で、今回復活させるのに、タイトルの『WINNER』だけは最初に決めてたんです。今回の歌詞のテーマの意味はタイトルのごとく“勝者”っていう意味なんだけど、自分の中では“勝者”そのものではなく、“勝っていないけど、負けたくない人”に届けたいなと思って書いていったんです。」

――なるほど。まだ勝てていない人に向けたメッセージね。
「そう。I’m a Loserって言葉が歌詞にも出てくるんだけど、勝ててる人ってそんなにいないと思うんですよね。それに、勝ち組だって言ってる人でも、やっぱりどこかに不安を抱えていたりとか、嫌なことはあったりするだろうし。だから、今回のタイトル『WINNER』は、“勝者” と言うより“革命”って感じなのかなって。実は今回のジャケット写真もそんなイメージだったりするんです。“登りつめてやろうぜ!”的な。負けてる時の気持ちもすごく素直に詰め込んだというか。今の自分だし、聴いてくれる人へのメッセージだしって感じですね。背中を押せるようなメッセージというか。一語一句に熱い思いが詰め込まれているんです。」

――なるほどね。そんな中で個人的にハッとさせられたのは、“もう嘘かどうか分からなくていい”っていうところ。
「あ〜、良かった」

――あははは。良かったって?
「全部1行1行が大切なんだけど、そこは俺的にもすごく大事に思っている歌詞だったりするから。それまでの歌詞は、“そのまま変わらなくていいよ”とか“自分を隠し着飾り生きていく意味はあるのか?”とか、人に対して言ってる言葉だったりするんだけど、“もう嘘かどうか分からなくていい”っていうとこだけは、自分に対しても奮起したい気持ちもあるんですよね。自分もまだまだLoser。負け組なんで。

この歌詞書いてる時ね、負けてる奴らは、勝者に対して、どうやって上がっていくのかなって思ったんです。俺は今、仲間がいるし、1人じゃないって思っているけど、孤独を感じる時もやっぱりあるし。目標に対してみんな頑張ってると思うけど、その目標に手が届きそうになった時に、人を信じられなくなったりしたら、その目標に手が届かなくなっちゃうと思うんですよ。それって哀しいことだなって思うんですよね。周りがなんと言おうと、自分が信じられたらそれでいいのかなって思えるようになったというか。それが一番大事なことなのかもしれないなって。疑う気持ちももちろん大事だけど、それ以上に人を信じていたいなって思ったんです。嘘つかれても、自分が信じる強い気持ちを持てていたら、それでいいのかなって。」

――強くなれたね。信じることができるって、すごく強いと思う。信じられないからこそ不安になるし、弱くなってしまうと思うからね。
「そうだね。人に期待するより、自分が信じられる強い心を持った方がいいと思う。例えばね、恋人への嫉妬もそうだと思うんだよね。」

――例えてみて(笑)。
「嫉妬とかヤキモチって、相手のことが信じられないから、つらいんでしょ。信じられていたらつらくないと思うの。お互いのことを信じ合えていたらそもそも疑いもしないと思うんだよね。信じてくれていたら抑止力が働くと思う。」

――たとえ相手にだまされていたとしてもね。
「そう。それならだまされ続けたらいい。それで自分が信じられているなら、信じていた方が幸せだから。」

――極論だね。でも、すごく分かる気はする。
「でしょ。あくまでも主観ね。」

――優しい嘘だね。
「そうそうそう(笑)。優しい嘘ってやっぱりあると思うからね。俺はね、魔法がかかっていた場所で生きてきて、魔法が解けた今、いろんなことを思うよね。なんか、ちょっと寂しいけど、人に期待しないことも大事なのかなって。」

――そうだね。藤家くんはすごく人に期待が大きかったと思うからね。
「うん。してたね、期待。憧れもあったんだろうね。裏切る裏切らないの次元じゃなく、っていうか、裏切られてもいいって感じ。今、一緒に居てくれる仲間との絆は、20年弱一緒にいるけど、それくらい強い自信がある。将来は全員でマンション買って、同じ棟に住むんだって言ってるくらい(笑)。なんていうのかな、コイツらにだったら裏切られてもいいやっていう感じ。だって、俺が好きなんだから。俺の中でそれくらい仲間って大事な存在だし、それがあったから、この曲が出来たんだよね。」

――素敵な話だね。
「うん。みんな強く見える人でも、弱いところってあると思うんだよね。色々背負ってるから人に見せないだけで。でも、それだからこそ強くいられるんだと思う。俺、昔、UVERworldTAKUYA∞くんに憧れてバンドで生きていきたいって思って、TAKUYA∞くんとずっと一緒にいて思ったのが、この人、すごく強い人だけど、すごく寂しがりやなんだなって。俺、そん時ね、憧れた人なのに、この人が頑張れる理由になりたいって思ったんだよね。でもね、TAKUYA∞くんにはすごく素敵な仲間も居るし、俺がちゃんとボーカリストとしてやっていくには、TAKUYA∞くんの背中だけ追ってちゃ前には進めないなって思ったんだよね。TAKUYA∞くんにとっての大事な仲間のように俺にとっての大事な仲間を大切にしなきゃいけないんだって思ったんだよね。」

――TAKUYA∞はよくMCでもそう言ってるよね。“お前らも、俺みたいに大事な仲間を作って”よって。本当にTAKUYA∞は藤家くんが言うように寂しがりやなのかも。だからこそ、何にも代えがたい仲間を本当に大切にしていて、その存在のおかげで強くなれて居るんだと思う。そして、そんなTAKUYA∞が望む様に藤家くんは今、自分の進む道と大切な仲間を手に入れたんだと思う。
「本当にそうだね。本当に心から大切だと思える仲間に出会えたから。それは、20年一緒にいて何周も回った今だからこそだと思う。いっぱい傷ついて、いっぱいいろんなことがあったけど、今、いろんな経験をした上でしか手にできなかった幸せなのかもなって思ってる。友情も恋愛もそうだけど、その思いこそが、“もう嘘かどうか分からなくていい”って言う1行かな。

バンドってお客さんと生きていくものだから、お客さんと一緒に叫びたかったんだよね。俺ね、負けることはカッコ悪いことじゃないと思うから。負けるって、勝負してるから負けがあるわけで。勝負してない奴は負ける事すら知らないんだからさ。勝負出来てることに意味があるんだからさ。暑苦しいって思うかもしれないけど、本当にそう思うんだよ。だからね、俺、今、勝負して必死に戦ってて、まだ勝ててない奴が居たら、自分のことカッコ悪いって思わないでほしいなって思ってるんだよ。」

――本当にその通りだと思うな。
「それにみんな本当は生まれながらの勝ち組なんだよ。」

――あれ? まだLoserなんじゃないの?
「そう。まだまだLoserだよ。でもね、生まれてきたってことは、もうそれだけで勝ち組だってこと。そこはみんな共通。自分の生まれ持った色を、自分らしく貫いて守ってほしいなって思う。みんなね、人生という枠の中に入って、優越をつけられてしまうから勝ち負けが出てくるわけなんだけど、もっともっと自信を持ってほしい。届きたい夢があったり目標がある場合、どうしてもそこに勝者と敗者が生まれてしまうわけだけど、その過程さえもいいことだし、その過程も勝負しているからこそあることだからね。自分らしく、ね。俺だって本当に何回も言うけど、まだまだLoserなんだから。」

――いや、藤家くんは負けてはいないよ。
「ありがとう。そう言ってもらえるとうれしいし、負けてないのかもしれないけど、自分の中ではまだまだなんだよね。負けてるつもりもないけど、勝ってもいないなって思う。だからこそ頑張れるんだと思うしね。」

――何をもって勝ちとするか、だよね。一般的なエンターテインメントの成功は、東京ドームかもしれないし、紅白かもしれないけど、そこだけではないからね。
「うん。そうだね。出来ればいいし、出られればいいけどね(笑)。俺も目指すところではないと言うかね、選ばれるものだと思ってる。」

――そこなんじゃないかな、“僕の最後の記憶は君がいい”って言う1行は。その他大勢に響かせようとして歌っているわけじゃないと言うか。1人1人に歌っている感じがする。その結果、大勢に響くことになる。
「うん。本当にその通りかも。昔は一気に大勢に届けたいと思ってしまっていたからね。うん。そうかも」

――逆に、藤家くんは大勢の背中しか押してあげられない場所にいたからなのかもね。でも、そんな中できっと藤家くんは、1人1人の背中を押そうとしていたんだろうけど。でも、今はちゃんと1人1人の背中をしっかりと押してあげられてる感覚があるんじゃないかなって、この曲の歌詞を見て思ったんだよね。
「うん。そうかもな、本当に。俺ね、昔広いステージに立っていたとき、すごく遠くにいるファンを意識して歌っていたとこあったんだよね。1万対俺、じゃなくて、1人対俺で居たいなって思うんだよね。こんなにも遠くなのに、こんなに一生懸命応援してくれてるんだって思ったら泣きそうになっちゃって。全員好きだよ、じゃなく、君が好きだよって思うようになったと言うか。ここに集まってくれてる1人1人に家族という存在が居て、友達もいる中で、俺というこの場所を選んで来てくれたんだなって思ったら、本当にその時間が尊くて。それはね、昔も今も変わらず一緒の思いなの。」

――素敵な思いやりだよ、それ。
「うん。聴いてくれた人が、それぞれの想いを重ねてくれたらいいから、自分の想いを押し付けようとは思わないんだけど、俺が思う最終的な勝者ってね、愛されて終わる人だと思うんだよね。最期は好きな人、愛する人といれたらいいなって。それが俺の勝ち方なんだと思う。最終的なね。だから、勝ち負けなんて死ぬまで分からないと思う。誰に愛されてて、誰を愛していたかなんだと思うからね。それが、“僕の最後の記憶は君がいい”って言う1行に込めた意味。」

――本当に1行ごとに深い意味を持って書いていったんだね。
「そう。でもね、一つ、すごく恥ずかしいなって思う箇所があって。」

――どこ?
「I’m a Dreamerってとこ。そこ、すげぇ恥ずかしいフレーズじゃない(笑)?  10代の頃にこの言葉を叫ぶならわかるけどさ(笑)。でも、この歳になってこの言葉を胸張って言えるカッコ良さってあるんじゃないかなって思ったんだよね。そこに嵌(は)めたい言葉の候補がいくつもあったんだけど、そこはどうしてもその言葉を入れたかったんだよね。」

――いい話だね。ACT ONE AGEとして築き上げてきた今があるからこそ書けた1曲だったね。
「そう思う。2014年7月7日が結成日で8月28日が初ライブ。もう5年になるんだよね。5周年yearということも考えて、何かしたいし、それも踏まえ、この先、いろんな経験を歌詞にしていけたらいいなと思いますね。第3弾も楽しみにしててほしいです」

ライター 武市尚子
カメラマン 菊島明梨
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