映像コンテンツメーカーや映像機器メーカーが加盟する次世代デジタルエンターテインメントの普及団体「デジタル・エンターテインメント・グループ・ジャパン」（DEGジャパン）は2月19日、2018年に発売されたブルーレイソフトのなかでもっとも優れた作品を表彰する、「第11回日本ブルーレイ大賞」の授賞式を行い、受賞作品を発表した。

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■世界中で日本だけパッケージシェアが伸張

　表彰式に先駆け、DEGジャパン会長の川合史郎氏は「2018年度は、日本のパッケージ（セル版）DVD／ブルーレイにとってとてもいい年でした。GFKジャパンの調査によると、昨年1年間のDVD／ブルーレイのパッケージのブルーレイのシェアが55％になった。その結果、13年間ずっと少しずつマーケットが下がってきたなかで、伸びたんです。これは（世界中でも）日本だけ。昨年1年間のパッケージ（セル版のみ。レンタル、デジタルを除く）のシェアは1700億円。これは、日本の年間消費金額で言うと、醤油の2年分、マヨネーズの1.5年分（笑）。このパッケージのビジネスを今年も伸ばしていきたいと思います」とあいさつ。

　さらに今後の活動について「ブルーレイのさらなる普及、4K UHDのさらなる普及を推進して参ります。テクノロジーの進化に伴い消費者にもっともっと喜んでもらえるエンタテインメント産業の成長を促進する業界団体です。現状、3つの部会を立ち上げており、最近では2つの勉強会を実施しました。今後の活動にもご期待ください」と力を込めた。

　さらにこの表彰式に合わせてアメリカのDEG USより、エイミー・ジョー・スミス氏が来日。「エンタテインメント好きなら誰でもより優れたコンテンツをふんだんに楽しめる時代になりました。映画好きの人が家やどこでも4KのUHDを使い、デジタルで手軽に、簡単に最高品質のプレミアムクオリティーを楽しめるようになったわけです。これからも新しいテクノロジーが次々と登場し、以前よりも多くのコンテンツに深くどっぷりと浸る時代が来ると思います」と展望を語った。

■乃木坂46・堀未央奈「アンバサダー特別賞」選出

　続いて、「日本ブルーレイ大賞」のアンバサダーで、女優としても活躍中の乃木坂46の堀未央奈が登場。ブルーレイにちなんで青を意識した衣装を選んだという堀は、「私は映画が大好きで、映画館ではもちろん、気に入った作品はブルーレイを購入し何度も観るほどなので、今回、アンバサダーに就任させていただき、光栄に思っています。映画の素晴らしさや魅力をどんどん伝えていきたいなと思います」とあいさつした。

　堀のアンバサダー就任に伴い、創設された「アンバサダー特別賞」には『シェイプ・オブ・ウォーター』をセレクト。「すごく素敵な作品ばかりでたくさん悩み、選ばせていただきました。この作品は、今までの概念になかったラブストーリーがすごく新鮮で素敵でおもしろいなと思ったのと同時に、色や音楽がとても素敵で、映画が始まってすぐに、心がわしづかみにされました。アカデミー賞を受賞したのも納得の作品です」と授賞理由を語った。

　今回の「日本ブルーレイ大賞」には、審査員委員長を務めるAV評論家の麻倉怜士氏をはじめ、映画、映像ソフト、音楽、アニメなどの専門媒体の編集長や、DEGジャパン加盟機器メーカーから19人の審査員を選出。厳正なる審査が行われ、クオリティ部門、カテゴリー部門として10作品を選出し、グランプリ1作品、準グランプリ2作品を選出。これ以外に、アンバサダー特別賞、審査員特別賞、ユーザー大賞の3作品も選出され、計13作品が表彰された。各賞の受賞作、並びに授賞理由は以下の通り。

【グランプリ】『グレイテスト・ショーマン』
＜評価コメント＞
4K Ultra HDブルーレイとして、あらゆる面で水準を圧倒的に凌駕する作品。ストーリーとしても、実話をベースにミュージカル仕立てで描いた、非常にワクワクする作品性の高さがあり、画質的にも素晴らしい。ディテールまで非常にしっかりと描かれ、ダイナミックレンジも広大で色彩の描き分けが見事。サーカスという舞台での豊富な色とグラデュエーション描写に4Kの広大なリソースを活かしている。ドルビーアトモスによる音表現も格別で、低音から高音までの周波数的、そして弱音から強音までのDレンジ的情報量が多く、ロックからクラシック的な曲まで、さまざまな切り口で愉しめるパッケージだ。ユーザーの所有欲を満たす特典なども評価したい。すべての要素でトップクラスの、まさにグランプリに相応しい作品。

【準グランプリ】（2作品）
『8年越しの花嫁　奇跡の実話』
＜評価コメント＞
これまでの邦画の画質水準を大きく超えた作品だ。日本的な滑らかなトーンでありながら、ワイドレンジで、ノイズが少なく、グラデュエーションも多い。髪や肌の質感がとても艶っぽいのもこれまでの邦画になかった美質で、しっかりとしたライティングが映える。BDならではの高画質を引き出しながら邦画表現の柔らかさ、しなやかさ、繊細さも再現されている。空気感が上質な作品だ。

『namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜』
＜評価コメント＞
引退する安室奈美恵のビッグイベントの最後の姿を望みうるベストな状態で残した作品だ。100万枚以上売れたことも大いに評価したい。メモリアルなステージを常に体験できるパッケージメディアとしての良さをBDが提供していることを改めて認識させられた。所有欲を?き立てるBlu-ray作品だ。

【審査員特別賞】
『2001年宇宙の旅』
【ユーザー大賞】
『ガールズ＆パンツァー 最終章 第1話』
【アンバサダー特別賞】
『シェイプ・オブ・ウォーター』
【クオリティ部門 高画質賞（ブルーレイ）】
『8年越しの花嫁　奇跡の実話』
【クオリティ部門 高画質賞（Ultra HDブルーレイ）】
『グレイテスト・ショーマン』
【クオリティ部門 高音質賞】
『リメンバー・ミー』
【カテゴリー部門 映画賞（洋画）】
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
【カテゴリー部門 映画賞（邦画）】
『孤狼の血』
【カテゴリー部門 TVドラマ賞】
『おっさんずラブ』
【カテゴリー部門 アニメ賞（洋画）】
『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』
【カテゴリー部門 アニメ賞（邦画）】
『劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人』
【カテゴリー部門 音楽賞】
『namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜』
【カテゴリー部門 ノンジャンル賞】
『世界自然遺産 小笠原 〜ボニンブルーの海〜』