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無謀な戦い挑んだ“神童”那須川天心 拳と生きざまで未来を切り開け

■『RIZIN.14』メインイベント(31日、さいたまスーパーアリーナ)
 キックボクシングの“神童”那須川天心(20)の無謀すぎる挑戦が、終わった。初のボクシングルールへの挑戦、相手は50戦無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(41)という前代未聞の一戦で、キャリアと体格差で圧倒され1ラウンド2分19秒で3度のダウンを奪われKO負けを喫した。

メイウェザーと激闘を繰り広げた那須川天心 (C)2015 RIZIN FF

メイウェザーと激闘を繰り広げた那須川天心 (C)2015 RIZIN FF

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 この日を迎えるまで、数々の困難に襲われた。11月5日の対戦会見直後にメイウェザーがインスタグラムで一方的にキャンセル宣言。主催者が渡米し説得したことで改めて実現したが、ルール問題が紛糾し、アメリカでの公開練習でも相手から徹底的に見下された。それでも腐らず、限られた時間の中で必死にボクシングの戦い方を研究した。

 試合前日、インスタグラムでメイウェザーと向かい合う写真をアップし、決戦への高ぶる気持ちをストレートにつづった。

「人に心を伝えるのは難しいことです。
 明日、人に何かを伝えられる様な試合をしたいです
 人生を賭けて全てをリングで出し切ることが皆さんへの恩返しです。
 僕はやります。
 沢山の人達がこの試合を成立させる為に人力を尽くしてくれました。
 俺はそれに応える。
 生き様を観て下さい。
 やるぞ。」

 その言葉通り、見ている人たちの心に響く激闘を繰り広げた天心。リング上では圧倒されたが、たどり着くだけで奇跡ともいえるメイウェザーとの試合、そして敗れた直後に思わず浮かべた涙には、わずか20歳ながらすべてを背負ってリングに向かった一人の若者の生きざまが凝縮されていた。

 その天才的なセンスは高く評価され、ボクシングへの転向を待望する声も多いが、自身のルーツであるキックボクシングへも強いこだわりを持つ。実力的には二刀流も十分に可能だが、日本ではライセンスの規約でキックボクシングとボクシングを同時に行うことは不可能。ならばと「海外でボクシングのライセンスを取ろうかな」と常識の壁を超えた夢を描くなど、最強のハタチの未来は無限大だ。

 今回の試合を「たかがエキシビション」と笑うのも、したり顔で「やる前から結果は見えていた」と分析するのも、簡単なこと。それでも、実際にリング上でメイウェザーと対峙することができた唯一の日本人という歴史的快挙は、何もよりも大きな説得力がある。日米で多くのスタッフが尽力し、大きなファイトマネーが動いで実現したこの一戦。天心には、誰もが夢を託したくなる天性の魅力があるのだ。

 平成最後の大みそかを締めくくったビッグファイトは、新しい元号になっても飛躍する神童にとって、これ以上ない貴重な経験となっていくだろう。

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