「平成」の元号では最終作となる『仮面ライダージオウ』まで、平成仮面ライダーシリーズとともに時代を振り返る。第18作は、平成28年＝2016年10月2日から全45回放送（〜17年8月27日）された『仮面ライダーエグゼイド』。仮面ライダー生誕45周年記念作品にして、シリーズ史上初となる、ゲームの世界と仮面ライダーの世界を合体させた斬新なヒーローが登場。3頭身のライダービジュアルは世の中を騒然とさせた。

　人体に直接感染し、ゲーム病を引き起こす新型のウイルス「バグスターウイルス」。聖都大学附属病院の地下にある、バグスターに対抗するための極秘部署「電脳救命センター」（通称CR）に所属する小児科研修医・宝生永夢（飯島寛騎）は、天才ゲーマーの手腕を最大限に発揮し、仮面ライダーエグゼイドとしてゲーム病の治療に全力を注いでいた。

　コンピューターゲームに感染する「ウイルス」と、人に感染する「ウイルス」を重ね、ライフがある限りコンティニューできるゲームと、医者が向き合うかけがえのない命を対比させ、患者の命を救うために医師＝ライダーたちが協力したり、意見がぶつかり合ったり、医療ドラマをベースに展開。「仮面ライダー」＋「ゲーム」＋「医療」という、一見不釣り合いな3つの要素を巧みに融合させた。三浦大知が歌う主題歌「EXCITE」（エキサイト）もヒットし、放送終了3ヶ月後の『第68回NHK紅白歌合戦』で披露された（三浦は紅白初出場）。

　『エグゼイド』の放送が始まる少し前、平成28年（2016年）7月にスマートフォンアプリ『ポケモンGO』が公開され、世界中で夢中になるプレーヤーが続出。日本でも、スマホを見ながら街なかを歩き回る人が急増。ポケモンを捕まえるために立ち入り禁止区域に侵入したり、警察が出動する騒ぎが起きたりした。

　7月に映画『シン・ゴジラ』、8月に新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』が公開されて大ヒット。『君の名は。』は、スタジオジブリ作品以外では異例の快挙となる興行収入250億円をあげ、RADWIMPSによる音楽もヒットした。

　平成28年12月31日をもって平成を代表するアイドルグループ・SMAPが解散。平成29年（2017年）1月、トランプ氏が米大統領に就任、「米国第一（アメリカ・ファースト）」主義を宣言する。