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「スター・ウォーズ」の女性プロデューサー、「誰も見たことがないアニメーションを作りたかった」

 1977年、ジョージ・ルーカス監督による1本の作品からはじまった『スター・ウォーズ』の世界。製作されたすべての物語は、<スター・ウォーズ・サーガ>とも呼ばれ、世界中の人々をひきつけて止まない。その作品群の中には、アニメーション作品もあり、その最新作が『スター・ウォーズ レジスタンス』。9日(後7:00〜)に初回特別エピソードが、「ディズニーXD」と「Dlife」で同時に日本初放送される。

エグゼクティブ・プロデューサーのアシーナ・ポルティーヨ氏が来日 (C)ORICON NewS inc.

エグゼクティブ・プロデューサーのアシーナ・ポルティーヨ氏が来日 (C)ORICON NewS inc.

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 公開されているキービジュアルや場面カットを見て思うのは、日本の手描きアニメーションに寄せて作られていること。3DCGモデルを使ってアニメーション制作を行っているだが、色の塗り分けで陰影をつけたり、輪郭線を浮かび上がらせたり、セル画で書いたような平面感をあえて出している。そこに、3DCGならではの動きやエフェクトのダイナミックさが加わる。本作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるアシーナ・ポルティーヨ氏はスバリ、「誰も見たことがないアニメーションを作りたかった」と言う。

 ポルティーヨ氏は、テレビアニメシリーズ『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(2008年〜)でアソシエイト・プロデューサーおよびラインプロデューサーを務め、2度のエミー賞を受賞。その後、『スター・ウォーズ 反乱者たち』(15年〜)の制作にも携っており、「スター・ウォーズ」のアニメーション作品で大きな役割を果たしてきた人物。

 「誰も見たことがないアニメーション」を実現するため、ルーカスフィルムは、『クローン・ウォーズ』の時からスター・ウォーズのアニメーション制作に関わってきた、日本のアニメーション制作会社「ポリゴン・ピクチュアズ」に、『マクロスプラス』、『BLAME!』、『シドニアの騎士』、『山賊の娘ローニャ』、『GODZILLA』3部作といった作品を挙げ、「このような見た目にしてほしい」とリクエストしたそう。アニメーションの新たな可能性を探り、ひとつの結論として作られたのがこの『レジスタンス』。「本当に、何度見ても美しいアニメーション。制作中から何度も見ているけれど、見飽きることがないの」と、ポルティーヨ氏も大満足の出来栄えとなっている。

■「ジェダイではなく、パイロットの物語を描きたかった」

 「誰も見たことがないアニメーション」は、誰も見たことがない「スター・ウォーズ」の物語を紡ぐためでもあった。「『新たなる希望』や『帝国の逆襲』にでてきたキャラクターをカメオ出演させるために物語を作っているわけではありません。メインターゲットの6歳から12歳の子どもたちにちゃんと意義のある物語になっているか、常に考えている」という中で、「ジェダイではなく、パイロットの物語を描きたかった」と、ポルティーヨ氏。

 『レジスタンス』の舞台となるのは、実写『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)の30年後、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015年)の6ヶ月前。「銀河帝国の残党はどうしてファースト・オーダーになったのか、レジスタンスはどのように生まれたのか、レイアとポー・ダメロンの関係性も掘り下げていきます」(ポルティーヨ氏)。

 主人公は、ファースト・オーダーが勢力を拡大する中、新共和国司令部の指示で、レジスタンスへ情報を届けに来たパイロット、カズ。9日に日本初放送される初回特別エピソード(第1話・第2話)では、ファースト・オーダーのタイ・ファイターに攻撃されるが、ポー・ダメロン中佐が現れ、2人で協力して敵を追い払う。これをきっかけに、レジスタンスの軍艦に招かれたカズは、彼の才能に目をつけたポーからあることに勧誘される。それは、BB-8とともにファースト・オーダーの脅威をスパイすることだった。

 「過去の『スター・ウォーズ』のアニメーション作品は、ジェダイの騎士たちが活躍し、善と悪の壮絶な戦い、銀河の自由を取り戻すために帝国に立ち向かっていく話でした。全体的にダークな、ダークすぎるところがありました。新作は、ファースト・オーダーの脅威をスパイするというミッションを通して成長していく若きパイロットと、彼を取り巻く家族や仲間の目線で描く“地に足の着いた”物語ということもあり、映像全体のトーンも明るく、淡くしています」(ポルティーヨ氏)。

 実は、ここにも日本のアニメ作品の影響があった。「ヒーローが悪と戦うだけでなく、日本のアニメのように、普通の少年少女が恋の相手や家族、仲間のために奮闘したり、戦ったり、団結したり。身近な人と人とのつながりも描いていきたいと思いました」。

 ストーリー開発には、実写映画チームのスタッフも加わり、「連携を取りながら進めています。スター・ウォーズの世界観はすべて統一され、一貫性を無くしてはならないですから」と、ポルティーヨ氏。インタビューではこんな本音も漏らしていた。「2015年から『レジスタンス』に取り組んでいますが、世に出る前のエピソード8やエピソード9のストーリーを読んでしまいました。本当は読みたくなかったけど、仕事なので読みました。完成した映画を観た時の衝撃を失ってしまったわ(笑)」。

 5歳の時に初めて『スター・ウォーズ』作品を観てからずっとファンだといい、好きなことを仕事にしたジレンマを吐露。日常のファッションも「シスっぽい(笑)、黒と赤が好き。ファッションも『スター・ウォーズ』からインスピレーションを受けているの」というから筋金入りだ。

 『スター・ウォーズ レジスタンス』12月9日(後7:00)、ディズニーXDとDlifeで同時日本初放送。

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

関連写真

  • エグゼクティブ・プロデューサーのアシーナ・ポルティーヨ氏が来日 (C)ORICON NewS inc.
  • 「スター・ウォーズ」の新作アニメシリーズ『スター・ウォーズ レジスタンス』12月9日、「ディズニーXD」と「Dlife」で同時に日本初放送(C)& TM 2018 Lucasfilm Ltd.
  • 初回は1時間のスペシャル版!(C)& TM 2018 Lucasfilm Ltd.

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