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小澤征爾氏、1年2ヶ月ぶりにオーケストラ指揮で公演 12月サイトウ・キネンと共演へ

 指揮者の小澤征爾氏(83)が、12月5日に東京・サントリーホールで開催されるコンサート『ドイツ・グラモフォン創立120周年Special Gala Concert presented by 小澤征爾 & サイトウ・キネン・オーケストラ』に出演することが25日、わかった。大動脈弁狭窄症の治療による入院・リハビリのため、8月末から出演予定だった『セイジ・オザワ 松本フェスティバル』などステージ降板が続いていた小澤氏。昨年10月に水戸室内管弦楽団と共演して以来、約1年2ヶ月ぶりにオーケストラ指揮でのステージが実現する。

小澤征爾氏(C)Shintaro Shiratori

小澤征爾氏(C)Shintaro Shiratori

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 今年3月に大動脈弁狭窄症による入院・リハビリを発表した小澤氏は、直後に予定されていた歌劇「子供と魔法」(ラヴェル)の指揮を降板。その後、『セイジ・オザワ 松本フェスティバル』でも体調を考慮し指揮を取りやめていた。7月末には『小澤国際室内楽アカデミー』の奥志賀公演に出演し、アカデミーの生徒たちによる弦楽合奏で約9ヶ月ぶりに公の場でタクトを振っていた。

 今回の公演は、世界最古の名門クラシック・レーベルとして知られる「ドイツ・グラモフォン」の創立120周年を記念し、日本で開催されるガラ・コンサート。1970年代から数多くの名盤をグラモフォンに残してきた小澤氏は、ゆかりの深いサイトウ・キネン・オーケストラと共演。ヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターをソリストに迎え、サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」を指揮する。

 ムターは、かつて小澤氏が薫陶を受けた“帝王”ヘルベルト・フォン・カラヤンに見出された縁でこれまで何度も小澤氏と共演してきたが、サイトウ・キネンとの共演は初となる。ムターは出会いから30年以上が経つ小澤氏との共演に「コンサートで演奏できることを心待ちにしています。マエストロ オザワと音楽を創ることができることはこれ以上にない美しさと興奮なのです」と待ちきれない様子。

 小澤氏も「サイトウ・キネン・オーケストラとアンネ=ゾフィー・ムターが今度初めて共演します。それを僕が指揮するので大変楽しみにしています」とコメント。「アンネ=ゾフィー・ムターとは、カラヤン先生がムターの最初のレコーディングをしたときに僕を呼んで、『私のレコーディングが終わったら次はセイジがやりなさい』と言われたので、ラロの『スペイン交響曲』というのを、パリだと記憶していますが、レコーディングしました。それが彼女との出会いでした。それ以来の縁で仲良くしています。彼女は本当にすばらしく、カラヤン先生が惚れ込んだだけのことはあります」と改めて最大級の賛辞をおくっている。


■『ドイツ・グラモフォン創立120周年Special Gala Concert presented by 小澤征爾 & サイトウ・キネン・オーケストラ』

●日時:
12月5日(水)午後7時開演

●会場:
東京・サントリーホール

●出演者:
小澤征爾(指揮)
アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)
サイトウ・キネン・オーケストラ
ディエゴ・マテウス(指揮)

●曲目
1. チャイコフスキー:歌劇《エフゲニー・オネーギン》 作品24 ポロネーズ
2. チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
【指揮:ディエゴ・マテウス/サイトウ・キネン・オーケストラ】
3. J.S バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042
4. ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第1番 ト長調 作品40
【指揮:ディエゴ・マテウス/サイトウ・キネン・オーケストラ ヴァイオリン独奏:アンネ=ゾフィー・ムター】
5. サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28
【指揮:小澤征爾 サイトウ・キネン・オーケストラ ヴァイオリン独奏:アンネ=ゾフィー・ムター】

関連写真

  • 小澤征爾氏(C)Shintaro Shiratori
  • アンネ=ゾフィー・ムター(C)Anja Frers DG
  • サイトウ・キネン・オーケストラ(C)大窪道治
  • ディエゴ・マテウス(C)Carlos Ovalle

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