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新生『27時間テレビ』なぜ今年も収録? 未来のテレビを見据えた構成で勝負

 きょう8日の午後6時30分から翌9日の午後9時54分まで放送される、フジテレビ系長編特別番組『FNS27時間テレビ にほん人は何を食べてきたのか?』。1987年に日本テレビの『24時間テレビ』に対抗すべく“お笑い色”を全面に押し出して24時間の生放送を始めて以来、これまで続いてきた同局の看板番組に昨年大きな変化が起こった。「にほんのれきし」をテーマに据えて、ビートたけし(71)と関ジャニ∞村上信五(36)とのタッグで「学び、笑い、楽しむ」を詰め込んだエンターテインメントを追求。生放送から収録への転換も話題となった。今年もこの路線は踏襲し、食をテーマに番組が構成されているが、どういった意図で制作されているのか。同局の竹内誠ゼネラルディレクターに話を聞いた。

■正確な情報を伝えるために収録を選択 前回の挑戦で大きな収穫も

 昨年の放送直後から、すでに今年に向けた動きがあった。「放送から1〜2週間後に、局の上層部と集まって、ご飯に行ったのですが『来年も頼むよ』とサラッと言われて、その時は笑ってごまかしていました(笑)。そこから本格的に話が進み出して、次のテーマに向けていろいろ案を出し合う中で“食”をメインに据えようというのが、昨年の11月くらいに決まりました」。こうした流れの中で、今回も“収録”で番組を構成することが決まったが、『27時間テレビ』らしさの象徴でもあった“生放送”を熱望する声があるのも事実。こうした意見に対しては、竹内氏はどのように感じているのだろうか。

 「やはり、そこは気になりますよね(笑)。これまで30回、生放送でやってきて、僕自身にとっても『27時間テレビ』は大好きな番組です。昨年、収録でやるということが発表された時には戸惑いの意見などは、すごくいただきましたし、放送が始まってからも、ツイッターなどのSNSを見ていてもそういった意見は多かったことは事実です。それは当然想定していましたが、なぜ収録にしたのかといえば、前回からはテーマを大きくひとつ決めた“テーマ先行”になったから。視聴者の方に満足いただけるよう、正しい情報をたくさん盛り込んで紹介していきたいとなると、収録になるのは自然のなりゆきだったのかなと考えています」。

 それでは、しばらくは収録での放送が続くのだろうか。「今はこういう風にテーマを立てた形での収録になりましたので、まずはそれで全力でやってみて、その時々に合わせて『今年は生でいこう』『やっぱりお笑いに戻そう』ということはできる環境になっています。そもそも、前回の出発点が2020年の東京オリンピックもあることだから『日本のことをもっと知ろう』で、そういった壮大なテーマを掲げたので、前回の時点で『ちょっと、この形で何回か続けようか』という話になっていました。今回のテーマもその流れで決まったのですが、来年そうなるかどうかはまだわからないというのが正直なところです」。

 その上で、改めて前回の放送を振り返ってもらった。「圧倒的に情報量は増やせたなというのはありますね。あとは生放送から大きく舵を切ったのですが、当然ながらその名残もありました。しゃべりのテロップを入れないほうが生っぽい、セットの感じも生っぽくとか、そこはすごく意識していました。これは内向きの話ですが、歴史番組の経験値が高い制作スタッフの方に入っていただいたのは大きかったです。外からの風が入ったことで、フジテレビの面白い笑いを作るチームと融合した良さが出たなと感じています。出演者も同様で、池上彰さんといった、これまでの『27時間テレビ』とはまた違った豪華なメンバーでお送りすることができたなというのはあります」。

■実は子ども向けのラインナップ? バラエティー豊かな企画で見えた“たけしの素顔”

 一方で、課題となったのはどこだったのか。「昨年は、突然競馬中継に入ってしまったので、視聴者の方が『あれ、27時間終わったの?』と混乱されていたことを、SNSの反応を見ながら知りまして…。つながりを考えながら作っていたつもりだったのですが、その部分は大反省でした。今年は競馬中継チームと綿密に連携を取りながら、準備を進めています。やはり、それぞれの番組をただ単に積んでいくのではなくて、ひとつのテーマとしてつないでいくというところの難しさはあります。週1回の1時間レギュラー番組だと年間52本くらい放送するので、単純計算すると約半年間の放送分を作っていることになりますから。(明石家)さんまさんからも『生よりしんどいやろ』と言われました(苦笑)」。

 今回のテーマやラインナップを眺めると、ターゲットにしている年齢層は高めに設定されている印象を受けるが、竹内氏はかなり広めの層を意識していると明かす。「僕は子どもに見てもらえるのがいいなと考えています。学校で習っていることの裏側、面白い見方を提供するという作り方をしていれば、子どもたちはけっこう見てくれるんじゃないかなというのが大きいですね。今のテレビは50代の視聴者層の方が多いというところで、そこにターゲットを絞った構成になりがちなのですが、子どもも含めて、幅広い世代に見ていただけるような番組を作っておくと、未来があるんじゃないかとの期待もあります」。

 『27時間テレビ』の世界に引き込むため、オープニングにはこだわった。「にほん人食堂の中を出演者のみなさんがめぐっていくという世界観をパッケージできるように意識しています」。たけしと村上のコンビネーションもさらにパワーアップしていると手応えをにじませる。「1年目から相性が良かったですけど、2年目はより強固になっていますね。カメラのスタンバイの関係で、舞台袖で待っていらっしゃる時もずっとしゃべっていますから(笑)」。

 村上と千原ジュニアがぶらり旅をして、そこであつめたネタを後日自分の落語に仕上げて、スタジオで披露する『旅する落語』のコーナーでは、たけしが客席で聞き手に回っているが、その時の視線には注目だと言葉に力を込める。「あの時のたけしさんはちょっと怖かったです。笑わないんです。ジュニアさんと村上くんが落語をしている途中で、ずっと下を向いていたので、体調を悪くされたのかなと心配したくらいで。ただ、よくよく考えると下を向きながら、音で落語を感じたかったんじゃないかなと思いました。村上くんはかなり出来上がりが気になっているようで、会うといつもこのコーナーの話をしています(笑)」。

 グランドフィナーレの大トリ企画『たけし村上農場』のスタジオ収録では、たけしと姉・安子さん(81)のテレビ初共演が実現。約60年前に、たけし少年が食べていた“おふくろの味”を再現すべく、安子さんの出演が決まった。「まさか出てくれるとは思ってなかったです。収録中、たけしさんが時々たけし少年の顔に戻る場面がありまして、2人だけでキャッキャ笑っていたり、終わってからも一緒に記念写真を撮ったりとか、あんまり見ない側面でした。お姉さんは、今までテレビも出ていらっしゃらないので『こんなこと初めてだから、どうしたらいいかな』とおっしゃっていたんですけど、さすがたけしさんのお姉さん。見事でした。最初は裏側で“おふくろの味”の再現に協力してもらおうと考えていましたが、メイン出演者級に出ていただくことになりました(笑)」。

 このほかにも、1時間に1回どこかで松岡修造が出てくる『毎時間修造』や、食のスペシャリストたちが、“話術”と“写真・映像”だけを使って、いかに審査員を「食べたい!」と思わせるか競い合う『飯テロ-1グランプリ』、人気グループ・A.B.C-Zの塚田僚一が体当たりで大型魚をひと突きする“突きん棒(ぼ)漁”に挑戦する『免許皆伝』など、バラエティー豊かな構成。竹内氏も「僕は決して否定している訳じゃないですけど、お笑いだけでやるというと、ちょっと1回壁にぶち当たってきていたので、こういう縦軸のテーマがあったら、それを利用してお笑いを作れる。演出も非常に作りやすいし、演者さんたちもやりやすくなっているのではないでしょうか」と自信をのぞかせる。今年で2回目の新生『27時間テレビ』。未来のテレビを見据えたラインナップになっている。

■『FNS27時間テレビ〜にほん人は何を食べてきたのか?〜』ラインナップ
『にほん人食堂』(メイン通し企画)/『たけし村上農場』(ドキュメント企画)/『FNS対抗! メシの祭典』(FNS企画)/『毎時間修造』(1時間に1回企画)/『ホンマでっか!?TV』/『さんまのお笑い向上委員会』/『飯テロ-1グランプリ』/『免許皆伝』/『旅する落語』/『めざましテレビ』(生放送)/『松岡修造の朝メシくいしん坊!万才』『松岡修造の昼メシくいしん坊!万才』/『関ジャニ∞クロニクル』/『池上彰&たけしが見た! 世界が映した昭和のニッポン』/『あの人の歩き方』/『学ぶヒストリー劇場』/『ニッポン道』/『痛快TV スカッとジャパン』/『サザエさん』/『にほん人は何を食べていくのか? にほんの食遺産』(グランドフィナーレ)



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