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【ポケモン】松本梨香&山寺宏一が語る“21作年目のサトシ” 「飾らず演じず体当たり」今も貫く

 声優の松本梨香(49)と山寺宏一(57)が、今年もポケモン映画のシリーズ最新作『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演している。養成所時代も含めて30年以上の付き合いがある松本と山寺は、ポケモン映画での共演も今年で21作年目と長きにわたる。サトシひとすじに演じてきた松本と、八面六臂でキャラを演じ分ける山寺。2人は対照的な立場でポケモンに関わってきたが、長く続けるからこそ、テクニックより“素”をさらけ出し役に臨むことが重要だと口をそろえた。

『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した(左から)山寺宏一、松本梨香 (C)ORICON NewS inc.

『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した(左から)山寺宏一、松本梨香 (C)ORICON NewS inc.

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■監督&キャラデザ変更のポケモン映画 課題は「サトシのイメージのバランス」

 今作は前作『キミにきめた!』で副監督を務めた矢嶋哲生氏が、1作目から20作目まで歴代のポケモン映画の監督を続けていた湯山邦彦監督からバトンを受け継ぎ、監督に就任。キャラクターデザインに金子志津枝氏、アニメーション制作では新進気鋭のWIT STUDIOがOLMとタッグを組み、ポケモン映画に新しい風を吹き込んでいる。

 長年続いているポケモン映画も新しい一歩を踏み出したわけだが、山寺は「21作年連続で出演させていただきましたが、僕は毎回役が違う。歴史あるポケモンというタイトルではありますが、新作をやる気持ちで参加しているので、毎回プレッシャーや緊張はあります」、松本も「去年は20周年記念作品でしたので、節目、やり遂げた感がありました。原点に帰る表現がてんこ盛りな内容。それを受けての21作目なので、新たな気持ちでポケモンと向き合いました」と新鮮な気持ちで挑んだことを告白。

 前作はアニメ第1話のサトシとピカチュウの出会いからスタートするというベースがあったが、今作はその後のまた新たな冒険を描いた完全なオリジナルストーリー。今回のサトシについて松本は「作品の内容が違ってもサトシは誰に対しても同じように接する子で、人によって態度を変える事はしない。テレビアニメ版もそうですが、今回の映画も絵の表情が変わったので、『今までのサトシのイメージバランスをどう表現するのか』という課題はありましたね」と明かした。

■「市長とゼラオラ含めて3つやると聞いていた…」 山寺“ルギア”の思い出

 物語の舞台となる街・フウラシティは、伝説のポケモン・ルギアとの関係が深い場所。ルギアと言えば、メインキャラクターとして登場した劇場版2作目『幻のポケモン ルギア爆誕』で、山寺が同役を担当しており「今回、ルギアがまた出るということで、僕が『またやる』といったうわさがあったのですが、『あ、大丈夫です』と言われてしまって(笑)。オリバー市長とゼラオラ含めて3つやると聞いていたのに…」と舞台裏を明かし「『ミュウツーの逆襲』ではミュウ役で『ミュウ、ミュウ』と言うだけでしたが、『ルギア爆誕』で初めて喋ることになり、重要な位置付けもあってプレッシャーを感じていたのは覚えています」と振り返った。

 オリバー市長とゼラオラ役で参加した山寺だが、今作ではルギアのほかアニメ版で初めて演じたカモネギも登場している。ポケモン&山寺ファンなら、かなり熱い展開となるが「ポケモンの場合、レギュラーメンバーのみんなは色んな役をやっている。僕だけに限ったことじゃないですね」と発言し、松本も「私はカラカラ、パラセクト、サカキのペルシアンとか。率先してテストからやっていますよ。やりたがりなんです」と鳴き声を披露してインタビューの場を和ませた。

■ポケモン映画以上の長い付き合いがある2人「ソウルメイト的な感じ」

 ゲームから始まり、アニメ、映画と20年以上続いてきたポケモン。初期から触れ合ったこどもは大人となり、結婚して生まれたこどもと一緒に映画館へ足を運ぶ姿が見られる。松本は「ポケモン作品をやる時に思うことがありまして。小さい時に『このキャラがかわいかった』『話が面白かった』と絵本を読む時に感じていたのが、大人になって改めて読むと『テーマがこんなに深かったのか』『こういう事を言いたかったのか』など新たな発見がある。ポケモンに関わる時は、こどもから年配までの方々が、楽しんでもらえるように演じさせていただいています」と語った。

 松本と山寺は養成所時代から30年以上の付き合いとなり、ポケモン映画で20年以上共演している。山寺は「当たり前になっているのですが、改めて考えるとなかなかないことですよね。周りの人に言うと驚かれますし、すごいことだなと思います」と振り返る。松本は「何か表現する時、そばにいるってことはありますね。私が違う仕事をしていても、山さんがテレビで頑張っているのを目にすると『自分も頑張らなきゃ!』と思います。身内的な、ソウルメイトな感じですね」と特別な存在だと明かすと、山寺は「いつまでも元気でいてほしいですね」と照れていた。

■21年間“全力”サトシは「飾らず演じず体当たり。素の状態でやっている」

 サトシという元気で勇気があり「ザ・少年」というキャラクターを20年以上演じてきた松本。今まで大変なことはなかったのか。「サトシと私はかけ離れていなかったんです。演じているのではなく、サトシをやる上で『作り込んで芝居をやらなきゃ!』というのがない。スッと役に入れて自然に演じられる。それで長くやり続けられたのかなと。背伸びしていたら、無理していたかもしれません。自分の素のままでやらせていただけたこともあり、ダジャレも最初から言ってましたし、サトシと本当に近かったんです」と振り返る。「新人の子とポケモンシリーズで共演すると『梨香さんがサトシをやっているのがわかります』『サトシが梨香さんでよかった』と言ってもらえる。自分のサトシという分身が褒められたようでうれしいんです」とにっこり。

 山寺は「僕はポケモンのテレビアニメシリーズにはほとんど出ていないので、映画の年1回しか梨香が演じるサトシを近くで見る機会がない。そこで思うのが、歌はもちろん、色んな役を演じている梨香なのでテクニックもあるはずなのに、サトシをやるときは新人みたいにやっているんですよ! 体当たりなんです。『ここはこうしてやろう』『うまくやろう』といったことを一切何も考えずにやっている。アニメシリーズは1000話以上続いており、今までのキャリアで積み重ねてきたもので、うまくこなすことができるはず。新人が張り切って『この大役、頑張ります!』という一生懸命頑張る、がむしゃらにやる姿勢に『これで最後までやるのか』と、毎回驚きます」と称賛。

 さらに「だからね、上っ面でやっている奴を見かけると『松本梨香を見ろよ!』と。『キャリアが長い人でも体当たりでやっているんだぞ』と言いたくなります。決して梨香が不器用だからじゃない、声優仲間として梨香は器用だと思います。だけど、サトシだけは違う。ほかの長年同じキャラクターをやり続けている人たちも、『こうやれば、こういう風に聞こえるでしょ?』みたいなことはしていないと思います。それは、今作のゲスト声優として出演している野沢雅子さんも、そうだと思いますね」と、長年同じキャラクターの声を務め続けている人たちの共通点を分析した。

 そんな体当たり演技を称賛された松本は「映画を一本撮り終えると、次の日声が出なくなる時がありますね。体当たりでやらないと、臨場感がでないと思うから。ちょっとでもセーブしたら、それはもうサトシじゃない。すべて全力でやるのが彼の良さ。ウソってこどもたちにすぐわかっちゃうでしょ? もしわかからないとしても自分にウソはつけないじゃないですか。だから、全力でとやっていると、不器用ぽくなってしまうのかな」と振り返っていた。

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  • 『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した(左から)山寺宏一、松本梨香 (C)ORICON NewS inc.
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